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少年少女の戦極時代

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第32話 知ってしまったこと


 タイトルは「市民への二次感染発生時の対応策」とあった。
 もしかしたら現実世界に出たインベスの対処法かもしれないと、紘汰は息せき切ってページをめくった。

[ ……の情報を操作し、インベスゲームを頻繁に行うビートライダーズに市民の目を向けることで、第一次パニックの規模を緩和。インベスによる事件はビートライダーズのインベスゲームが原因であると告知し…… ]
「――は?」

 どういうことだ、と思い、半ば分かっている予感を確実にするため、紘汰はファイルを手近なテーブルに置いて読み直そうとした。

 その時、ちょうどファイルを置いたテーブルにある画面に、見慣れた()(すい)がよぎって。紘汰はファイルから顔を上げた。

「ミッチ……!」

 画面の中には、龍玄と、彼に近づく白いアーマードライダーがいた。

 頭に血が上った。紘汰は止まれなかった。弟分で親友の光実のピンチである。居ても立ってもいられなかった。すぐさまドライバーを取り出し、変身しようとした。

 テントを飛び出した紘汰の目の前に、無数のインベスが人を襲う光景が広がっていなければ。


「あ、葛葉さん! ――きゃっ」
「ヘキサちゃん!」

 こちらに来ようとしたヘキサを狙ってコウモリインベスが飛んできた。紘汰はとっさにヘキサを庇って地面に押し倒した。

 紘汰はすぐ起き上がり、ドライバーとオレンジの錠前を取り出した。

「変身!」
《オレンジアームズ! 花道・オン・ステージ!》

 変身した鎧武は、人間を襲うインベスを優先して斬りつけた。そして大橙丸を揮いインベスを退けながら、人々をクラックのほうへ逃がした。





 ヘキサは戦う鎧武の背中を見ながら、その場に立ち尽くしていた。

 クラックの向こう側に避難するにしても鎧武を――紘汰一人をここに置いてはいけない。白衣の一人が「主任」に応援要請を入れていたが、その人物がすぐに駆けつけるという保証はない。

 鎧武が装着するロックシードをオレンジからイチゴに変えて戦い始めた。


(いつも咲に戦わせてばかりのわたし。今も葛葉さんに戦わせてる。何か助けにはなれないの?)

 ヘキサは周りを見回し、襲撃の混乱で散らばったロックシードに目を留めた。

「スイカ……!」

 前に鎧武はスイカの錠前を使って反則級の強さを発揮した。
 ヘキサは急いでスイカの錠前が入ったケースを拾い上げ、ケースから錠前を出した。

「葛葉さん!! 使ってください!」

 スイカの錠前を鎧武へと投げる。鎧武は気づき、しかと錠前をキャッチした。

『サンキュー、ヘキサちゃん!』

 鎧武が錠前をイチゴからスイカに交換し、出現した大玉スイカに飛び乗った。大玉スイカはクラックを超えて転がり、ヨロイモードになって塔の上へと飛んで行った。

(祈ることくらいしかできないけど……がんばってください、葛葉さん)

 クラックの向こう側で白衣の女性が慌てたようにヘキサを手招いている。安全圏に入れ、との意味だろう。一応は「呉島」の名を使って入ったから。

 “森”に留まっても不自然なので、ヘキサはやむなくクラックを抜けて研究員らしき人々に囲まれるままにされた。 
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