少年少女の戦極時代
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第20話 Shall we dance?
葛葉紘汰がステージを訪ねてきた日から1週間ほどが過ぎたある日。咲のスマートホンに紘汰からメールが届いた。
内容は、チーム鎧武とチームリトルスターマインによる、合同ステージの誘いだった。
「コラボ?」
「チーム鎧武と?」
ナッツとトモに問われ、咲は肯いた。
「あんた……いつのまに鎧武の人とアド交換する仲になったの」
「まあいろいろあって。オサソイに乗るか乗らないか。みんなどうしたい?」
いつもの作戦会議のように円陣を組んでいる仲間に問い返した。5人ともが考え始めた。
咲としては、ぜひ参加したい。今や「あの」を接頭語にするまでに登り詰めたチーム鎧武との共演だ。その上。
「わたしは……やりたい、かな」
一番にヘキサが言った。
そう、チーム鎧武にはヘキサの兄・光実がいる。兄妹で同じステージに立てれば、ヘキサの思い出作りにはもってこいだ。
「ステージって鎧武のほう?」
「ええ。あくまであたしたちはスペシャルゲストって形らしいから」
「スペシャルゲストかー。なんか特別な感じすんな~」
「でも観に来るのってマジなお客さんでしょ? いつも小学生とか幼稚園児相手なあたしらが行っていいのかなあ」
ナッツは渋い顔をしたが、ここで意外な応援が。
「……逆に言うと、ちゃんとしたお客さんに観てもらえるチャンス」
「お、チューやんがめずらしくセッキョクテキだ」
「そうそれ! いずれスクール単位で大会に出たら人前で踊るんだし。チューやんナイスっ」
賛成意見を受けて気が大きくなった。咲は立ち上がった。
「ビートライダーズ同士がバトるんじゃなくて、いっしょに踊る。そういうこともできるって、観てる人たちに教えてあげるのよ! ほかでもない、あたしたちが。これってスゴイことじゃない?」
「そう言われると…」
「すごいかも…?」
乗り気でなかったナッツとトモの顔に笑みが浮かぶ。
「うん。そういうことなら、せっかくのオサソイ、乗ってみようじゃん」
「ナッツならそう言ってくれるって信じてたぁ!」
咲はナッツに抱きついた。
これにて、リトルスターマインとチーム鎧武のコラボが決定した。
…………
……
…
後日。チーム鎧武のガレージ前に、リトルスターマインは集まった。
「高司舞よ。よろしくね」
「リーダーの室井咲です。よろしくおねがいします」
咲が舞と握手した。光実ほか鎧武のメンバー、そしてヘキサほかリトルスターマインのメンバーも交互に自己紹介をした。
「紘汰くん、今日はいないんですね」
「紘汰に用事があったの?」
「ううん。メール送ってきたのが紘汰くんだったから、紘汰くんもいるんだと思って」
「ごめんね。あいつは今日バイト探しでさ。本番は絶対観に来るって言ったから」
「よかった」
光実は震えた。季節とは関係なく、何となく。舞と咲のやりとりの中に薄ら寒いものがあった気がしたのだ。
「――ねえ、ヘキサ。もしかして咲ちゃんって、紘汰さんのこと……」
「えっ? ――そ、そんなこと、ちっとも言ってなかったけど。咲、そういうの、かくさないから」
無自覚か、光実の勘違いか。後者であってほしいと光実は切に願った。
後書き
別に咲が紘汰を好きとかそういうことはありませんヨ? ……多分。
現在進行形連載のイカンとこですねー。物語次第では恋愛感情生まれるかもなのですが歳の差がありますし友達や戦友のままで終わるかも…………断言できませんすみません<(_ _)>
今の時点ではミッチと同じで憧れの範疇ですね。これは断言できます。
ダンスチームらしいことをさせてみたくてすんごい頑張ってみました。ダンスのダの字も知らない素人なので勉強させていただけると幸いです。
ページ上へ戻る