鉄槌と清風
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43部分:42:結婚前夜→式
42:結婚前夜→式
予言の事を聞いて暫く、カリムから連絡を貰い行ってみれば、居たのははやてとクロノ、ヴェロッサ、シャッハ、当然カリム。
そこで色々と相談になったのだが、ヴィータからの忠告通り、良彦は基本自分がわかる事を聞かれれば答える程度に留めていた。
結果、この場に居ないが他の賛同者と共に、期限付きながら部隊を立ち上げ、予言に対処する方向に話はまとまり、部隊に関してははやてが隊長になると言う事になった。
で、相談の終わった帰り、クロノに呼び止められる。
「良彦、一寸良いか?」
「ん、どうしたクロノ?」
クロノはいつの間にか身長もしっかり伸び、並ぶとまるで親子に見えなくも無い。
「いや、丁度良いからこれをね」
差し出されるのは一通の招待状。
「ふむ…結婚式か、準備進めてたんだな」
「母さんとエイミィ、それにレティ提督あたりが、楽しそうにね…良彦も注意して置けよ」
「…忠告、痛み入るが、こっちはまだなぁ…」
苦笑し、クロノの言葉に返す。
「ともあれ、参加させてもらうよ…まぁよければ式前日に、男だけで集まらないか?」
「そうだね、それは良い考えだ、良彦君」
何処から現れたのかヴェロッサが答える。
「俺、クロノ、ヴェロッサ、ユーノ、ザフィーラ、此処らへんだな」
「ふむ…僕は構わないけど皆は平気かな?」
「ま、少し時間あるし何とか調整できると思うよ」
「だな、連絡入れるから細かい話はそこで詰めよう」
良彦が参加者を上げ、クロノが忙しい皆を心配するが、ヴェロッサと良彦はそれでも集めるつもりらしい。
「しかし、一番最初がクロノか…始めてあった時は、俺とそんな身長違わなかったのにな」
「あの頃は、それがコンプレックスだったけどね、君は…まぁ、一応聞いてはいるけど」
「良彦君のは、治療できる可能性はあるんじゃなかったっけ?」
「んー、でもまぁ、残した傷と同じでこれも戒めと思ってるし、俺的にそんな困らないから、このままで良いかなと」
「君がそういうなら、僕は構わないが」
「そうだね、本人の意志が重要だしね」
「んじゃ、式前日は男衆でクロノの独身最後を祝ってやろう!」
「おー!」
「…カオスになりそうな気がするよ」
良彦の叫びに乗り乗りなヴェロッサ、既に疲れているクロノであった。
式前日、ぎりぎりのスケジュールで仕事を詰め込んだ数人…クロノやユーノ…も何とか間に合い無事男性陣によるクロノ独身最終夜祝いが開催された。
まぁ、未成年もいるので酒は無しになったが、場所は明日のことも考えて式場のホテルで部屋を取った。
ある程度の人数が入れる大部屋で、長期滞在客などが自炊できるようにキッチンまで着いている部屋だ。
料理はホテルに頼んだのが半分、良彦が作ったのが半分である…ミッド料理半分、地球料理半分とも言うが。
「んじゃ、クロノの結婚を祝して乾杯!」
「「「「乾杯」」」」
5人がコップを打ち合わせ、一気に飲みきる。
「しかし、クロノとエイミィか…随分長い付き合いだよね、君ら」
「俺らが知る限りでも、7年だよな」
「僕となのはがジュエルシードを追ってる頃にあったから、そうだね」
「そうだな、闇の書の一件もそのくらいになる」
ヴェロッサの言葉に頷きつつ、良彦、ユーノ、ザフィーラが言葉を続ける。
「そうだな、訓練校の頃からコンビだったから、もう一寸長いと思うけど」
「ま、そうじゃなきゃ、勝手に相手の髪セットとかしねーよな」
「というか、なんでそれを知ってるんだ君らは?」
「「「「リンディさんが見せてくれた(ぞ)」」」」
頭を抱えるクロノ、楽しそうにそれを見る一堂。
「でも、長い付き合いから結婚って言うのもなんだか良いよね」
「ユーノはまず、あの鈍感に気付かせろよ」
「全く気付いている様子はないな」
「そうだね、手伝おうかユーノ先生?」
うらやましそうなユーノに、良彦、ザフィーラ、ヴェロッサが追い討ち。
「忙しいのもあって中々合えないし、あえても二人になれないんだ」
苦笑するユーノ。
「まあ、頑張れ…寧ろ直接言わないとなのはは絶対気付かないぞ、保証する」
「そうだよね、頑張るよ」
応援する良彦に素直に答える。
「そういえば、良彦、君はどうするんだい?」
「管理局内では色々な噂があるけどね」
「……」
クロノ、ヴェロッサが問いかけ、ザフィーラは無言。
「ん…一応考えてるぞ、もう少し先になるけどな」
それに素直にそれだけ答える。
「そうか、それなら僕らは何もいう事は無いね」
「そうだな、相談くらいは乗れると思うぞ」
「うん、僕もそのくらいなら」
ヴェロッサ、クロノ、ユーノがそれぞれ言ってくれる。
「良い友をもったな、良彦」
ザフィーラは、良彦の肩をぽんと叩く。
「だな…さて、俺の方はもういいだろ、クロノの惚気でも聞かせてもらおうじゃねーか」
「あぁ、それなら僕もいくつか知っているよ」
良彦の言葉にヴェロッサが反応する。
「噂の真相とかも聞いておきたいよね」
ユーノも噂は色々聞いているらしい。
「ともあれ、あまり新郎を疲れさせるなよ」
とは、ザフィーラの弁である。
クロノの予想通り、混沌とした時間が過ぎていった。
翌日、式はつつがなく終了する、エイミィのドレス姿は綺麗だったし、クロノも決め込んでいた。
友人代表でヴェロッサの挨拶や、女性の方ははやて、なのは、フェイトの3人が揃って歌を歌ったりしていた。
まぁ、お偉いさんも多くその挨拶に時間をとられたのも事実だが。
今は、披露宴も終わり、二人を見送る所だ、地球ではブーケトスなどがあるが、こっちは無いみたいで、ブーケはエイミィの手元にはない。
そう思っていた少し前の良彦はいきなりの展開に驚きを見せる。
「それじゃ、はやてちゃん」
「ほい、いくでー」
エイミィの言葉に、はやてが反応し、空をブーケが舞う、いや…ツヴァイが運んでいる。
「じゃ、トスいっくよー!」
エイミィ振りかぶって…投げた!
一直線にヴィータに向かい投じられるブーケ。
「んなっ、あぶねーだろエイミィ!」
それをしっかりと受け止めるヴィータ…辺りの女性陣は何故かにこにこ顔で。
「次結婚するのはヴィータちゃんだね」
と、なのはが、爆弾投下。
「なんでだよ、つか、どういう事だ!」
わけの判らないヴィータに、はやてが
「地球ではな花嫁の投げたブーケを取った人が次結婚するいう、験担ぎがあるんよ」
「で、今ブーケを受け止めた」
「だから、次はヴィータちゃんなの」
はやて、フェイト、なのはが説明し。
「ま、ええやんかヴィータには良彦君おるし」
はやてが追撃。
「な、なんで良彦が此処ででてくんだよ!」
ヴィータが真っ赤になりながら反論している、その隙に、そこを離れようとした良彦、だが
「まぁまぁ、何処行くんだい良彦君」
ヴェロッサにつかまっている。
「ヴェロッサ、お前もまさか」
「さあ、何のことかな…ぷぷ」
「くっ、孔明の罠か、これが」
まぁ、良彦も顔が赤いのだが。
「と、とにかく…あれだ、結婚とかあたしは、その」
「まぁ、おちつきやヴィータ…験担ぎなだけで、ぜったいとちゃうから、な」
真っ赤なヴィータをなだめるはやて、良彦も諦め、ヴィータのそばに。
「とりあえず貰っとけ、さっき言った以外に幸運のお裾分けの意味もあっから」
ぽんと赤くなったヴィータの頭を撫で、苦笑する。
それに頷き、だが良彦と視線を合わす事なく、クロノとエイミィの新しい出発を見送ったのであった。
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まぁ、たまには男衆と喋るのもってことで。
次回は、18歳の誕生日の辺りを書こうと思います。
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