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子虎迷走記

作者:蒼鈴六花
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第10話 距離の縮め方 中編

 
前書き
オリジナルの小説の方を優先させていたためかなり遅れました……
生存報告権最新話です。

第9話の最初の文章を少し追加しました。
8話から9話への続き方が変だったので……

久しぶりの投稿なので変な所があるかもしれませんが、最新話どうぞ。
 

 
護人を先ほどの荒れた森へと案内する。

やはり、護人から見てもこの森の荒れようはおかしく見えるらしい。
俺達は集いの泉に集まって話し合いを続けた。
んで、帝国の仕業とも考えられけどあいつらが森を荒らす理由がなく、結局警戒するしかないって事で解散になった。

なんだか、やな雰囲気だな……
そう思っていると、残ったファルゼンがレックスに話しかけた。

あれは呼んではならぬ、と。シャルトスを警戒しているらしい。
ファルゼンもあの剣に嫌な予感を感じているらしく、警告をした。
しかし同じく残っていたアルディラは違う意見で島を護るのにあの力は使えると言う。
それを聞いたファルゼンはどこかへ行ってしまった。

その後、アルディラは見せたいものがあるらしい。
なんでも島の由来に纏わるもののようだが……
皆に話を伝えたら戻ってきて欲しいそうだ。

少し暗い雰囲気で俺達は集いの泉から船へと向かったが、その途中。

「ユエはあの剣についてどう思う?」

……確かに強力な力だけどさ、俺は、なんか嫌なんだ。

アルディラの言う事も分かる。けど、あの剣をレックスが使うたびに嫌な予感が強まっている気がする。
あの剣を使い続けていたら、何か、取り返しのつかない事になりそうなんだ……

「ガウ……」

「……ユエも警戒すべきだと思うの?」

言葉は伝わらないものの、心は多少伝わる。

なんだろうな?なんとなく繋がっている感じがするんだ。
だからかな?レックスの事が少し分かるし、俺の事もレックスに伝わりやすくなったんだ。

「そっか……」

言葉で話せたら良い。
でも、言葉がなくとも伝わる事を嬉しく思う。

「ガウウ!」

俺はレックスの服を少しひっぱる。

俺の伝えたい事が分かるか?相棒。
そんな気持ちも込めて。

「俺もいるって言いたいのかな?」

ほら、分かった。さすが、俺の相棒!

「俺達はパートナー、相棒だもんな」

「ガウ!」

おうよ!と答えて暗い雰囲気をなくした俺達は船へと向かった。



海賊船。

説明した後、カイルとヤードが森を調べに行った。
その後、いくつか分かった事があるとの事で話を聞いた。

召喚術で森を破壊したにしては変で、カイルによると虫食いの跡に似ているように感じたとの事。
話はそこまでで、俺達は再び警戒を続ける事になった。

そして俺達はイスラの様子を聞くためにラトリクスへ。



ラトリクス、リペアセンター。

クノンによると俺達と出かけてからイスラの調子が良くなったらしい。

散歩でよければ何時でも付き合うぜ!
俺、散歩大好きだ!

「ユエ、尻尾が少し痛いよ」

いかん、レックスに尻尾が当たってしまったようだ。
尻尾は感情に合わせて動いちまうんだよ。仕方ないだろ?

「どうして貴方方は笑顔なのですか?」

「え?」

「ギャウ?」

嬉しそうにする俺達を見てクノンは不思議そうにしている。
何でも笑顔の理由が聞きたいとの事。

嬉しかったからだぞ?な、レックス。

レックスも同じように答えていた。
するとクノンは、それはどのような原因で起こるものか?と聞いてきた。

俺とレックスは顔を合わせる。

うーん、そりゃちょっと伝えるのが難しい。

そうレックスが答えるとクノンは一言言ってからどこかへ言ってしまった。

「なんでクノンはあんな質問したのかな?」

「ギャウー……」

感情が分からないって感じだったと俺は思うが……

「うーん、なんだか説明がし辛そうな感じだね、ユエ」

なんとなくな感想は伝わりにくいらしい。
はっきりとしたものは伝わるんだけどな……

でも、ここでレックスに伝わっても答えはでないと思う。
だって、なんで感情があるのか?なんて説明できないし。

心は説明できるものじゃないから。

自分自身の心だって分かんないしな!

クノンへの答えは……クノンの所に遊びに行けば良い!
沢山クノンと一緒にいれば良いと思うんだ。

服を少し引っ張ってからラトリクスの方を前足で指す。

「ギャウ!ギャウウ!」

「またクノンの所に行こうか……いや、遊びに行く、かな?良いね、子供達も交えて行ってみる?」

「ガウ!」

それ、良いな!
皆で遊ぼうぜ!

よし、そうと決まったらスバルんとこ行くぞ!
こっちだ!

「ちょっとユエ!待ってってば!」

俺はスバル達の匂いを辿って走った。



鎮守の社。

スバル達を見つけた俺達はクノンの所に遊びに行く事を話してみた。
ラトリクスにはあまり行った事がないから大丈夫かな?と不安もあるようだが、興味もあるらしくスバル達も来る事になった。

その後はキュウマの話やらした後にお化け水蓮遊んでパナシェが実りの果樹園でのお手伝いを思い出し、皆で手伝いに行った。

レックスは手伝いのお礼にもらった大好物のナウバの実を嬉しそうに食べてた。
俺は何でも好きだから同じくナウバの実をもらった。うまうま~っと栄養満点です!

そしてアルディラとの約束がある集いの泉へ。



集いの泉。

集いの泉に着くと、アルディラがすでに来ていた。
だが、見せたい物とは運べる物ではないらしいので移動しながら話す。

なんでも行き先はファルゼンが以前危ないから近づくなと言っていた遺跡らしい。

大丈夫なのか?と思ったが、護人以外立ち入り禁止にしているだけで特に危険はないらしい。
ただ、近づけさせたくないからファルゼンは嘘をついたのだという。

遺跡は廃墟らしく、昔この島にいた召喚師達の実験施設があるようなのだ。
しかも、それは活動を完全に停止していない実験場。

護人達が召喚術を使えるのはそういった施設から情報を得て出来るようになったと……

護人だけが知る事実だと言うこの話を独断でしたアルディラ。
何故俺達に話をしたのか?

本人は強大な力を持つ剣を持ちながら正しく使おうとしているレックスを見て信じても大丈夫と思ったらしい。

だが、それだけだろうか?

なんだか何かが違う気がする。

遺跡にはこの島から出る方法や剣の事が分かるかもしれないと言われたレックスは迷っているようだった。

このまま、遺跡に行って良いのか?

レックスの力になりたいというアルディラは、なんだかいつもと違う感じ。
……何かが変だ。

ちらりとレックスは俺を見た。

このまま遺跡に行っちゃ良くないと俺は思うんだが、島を出る方法や剣についての情報があるかもしれないと思うと止める理由がない。
俺の感覚が正しいか分からないから……

そして、俺達はとうとう遺跡についてしまった。



喚起の門。

この島の召喚獣は皆、この門を通ってこの世界に来たという。
召喚師達の知識を集めて造られた自動で召喚と誓約を行う門。

この門を造った人物はあらゆる世界の者達が平和に共存して暮らす楽園にしたいと願って造った。
しかしそれは個人の願いで、召喚された召喚獣は実験に使われた上に召喚師達は互いに争って自滅した。

その争いの影響で喚起の門は中枢を破壊されて制御を受け付けなくなってしまい、偶発的に得体の知れない何かを召喚する危険な物になってしまった。
護人はそんな未知の外敵から身を護るために生まれたのだと。

そしてアルディラはレックスが力を貸してくれれば喚起の門に対する不安がなくなると言う。
シャルトスの魔力を使えば遺跡の機能を正常に回復できると……

それを聞いたレックスは驚いている。
そして、迷っている。

レックスが来てからこの門は活発になってきているらしい。
実際に剣の魔力と遺跡の魔力が共鳴していた。

シャルトスを抜けば門に働きかける力が剣にあるか分かるはずと言って剣を抜くように言うアルディラ。

「ギャウ!ガルルルルル!」

駄目だレックス!
そう叫びながらアルディラを威嚇する。

やっぱり、なんかおかしい!何か分からないけど今のアルディラは変だ!

レックスは剣を抜く事を拒むとアルディラは険しい表情をした。

「やはり……ユエは連れてくるべきじゃ……」

そう、アルディラが呟いた時、レックスに変化が起きた。

「ガウウ!?」

レックスの変化に気付いた瞬間、ブワッと毛が逆立つような嫌な予感がしてレックスを見上げる。
突如苦しみ始めたレックスはシャルトスを抜剣した。

「そうよ……それでいいの……」

そうアルディラが呟くが、それどころではない。
早く、シャルトスの暴走を鎮めないとレックスが!!

「ギャウウーー!!」

「ダメえぇぇぇっ!!」

瞬間、ファリエルと俺の声が重なった。

すると森の方からファルゼンが来て、レックスを守るように俺達とアルディラの間に素早く入った。

「ギャウ!」

「……」

ファルゼン!と鳴くが、ファルゼンはこちらを一瞬見てアルディラの方に向いた。

ファルゼンの一歩間違えたらどうするつもりだったと言う問いにアルディラは全て承知の上でやったと答えた。
それに対してファルゼンはアルディラに剣を構える。

そして、二人は戦い始めた。
しかし、手加減はない。本気で殺し合いをし始めたのだ。

俺はレックス程では無いものの、それはやりすぎだと思い、レックスと二人を止めに入るが……

「GySAAAA!!」

喚起の門が動き出し、得体の知れない者達を召喚し始めた。
さすがに二人もこれはまずいと召喚された蟲達と戦い始めた。

「行くよ!ユエ!」

レックスが俺に声をかけた瞬間、レックスに迫っていた蟲を前足で仕留める。

「ギャウ!」

「……乗れって?分かった!」

以前、暴走した時から使えるようになった巨大化、と言うよりは一時的な成長。
大体人がぎりぎりで二人乗れるくらいの大きさだ。子供なら3~4人いける……こんどスバル達を乗せよう!
後まあ、名前はどうでも良いから成長化って言ってる。

んじゃ、まあここでいつものいきますか!

VS召喚蟲ジルコーダ

勝利条件:敵の全滅 敗北条件:レックスorユエの戦闘不能

戦闘開始!
行くぜ!

「ガアアアアアアア!!」

俺は咆哮してから敵陣に突撃して前足で召喚蟲ジルコーダを潰し、ジルコーダの間を通り抜ける間にレックスがジルコーダを斬って行く。

喚起の門は一定数召喚して動きを止めたが、それでも数が多い。

アルディラによると群れで生活するタイプの蟲らしい。
弱者から狙われるので、負傷して動きが鈍くなったらまずいようだ。

だったら素早く動いて倒しまくるまでよ!

「ガウ!」

「はあっ!」

戦場を縦横無尽に駆け回る。

隙があったら自身も攻撃するが、なるべく移動に専念して攻撃はレックスに任せる。

「きゃっ!?」

主に遠距離で戦うアルディラが蟲達に攻撃されやすいらしく、声が聞こえたので一瞬そっちを見て敵の位置を確認。

「ギャウウ!」

岩落とし!

「GyAAAA!?」

ジルコーダの悲鳴を聞いて移動に専念する。

足場さえ確認しておけば戦闘中に一瞬別の方向を見ても大丈夫。
俺には頼りになる相棒がいるからな!

俺が一瞬、アルディラの方に向いた時に襲い掛かってきたジルコーダはレックスの剣の餌食になった。

俺達は少しずつ敵を倒すスピードを上げ、あっという間に蟲達を倒した。

そして戦闘終了後、俺達は倒した蟲達を調べて集いの泉に皆を集めた。




 
 

 
後書き
ちょっぴりシリアス?
ギャグが欲しい所です。

それと少しだけクノンフラグ?
ヒロインっていた方が良いのか……まあ、今回のはヒロインフラグではないと思いますけど。

サモンナイト小説って書きたい物が多い……
子虎迷走記はしばらく続きますが、どれか一つ終わらせない限りは新しいのは投稿しない方が良いかな……
 
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