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問題児たちにさらに問題児たちが追加して異世界からくるそうですよ?

作者:matter
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第二話

湖に六つの水柱が立つ

そして湖から六人の少年少女が出てきた

「し、信じられないわ。いきなり湖に落とすなんて」

「そこは激しく同意だ。おかげで何もできずに落ちてしまった」

黒気味ロングの少女と赤髪の少年が返す

「ったく、これなら岩の中に呼び出された方がましだぜ」

「お前は孫悟空か。そんなことされたら動けないだろ」

「俺は問題ない」

「あ、そう」

ヘッドホンを付けた金髪の少年に同じく金髪の少年がため息交じりに応える

「・・・ここどこだろ?」

「世界の果てっぽいのが見えた気がするんだが・・・」

茶髪のショートカットの少女と黒髪の少年がマイペースに話す

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前たちのも変な手紙が?」

「そうだけど、まずは“オマエ”って呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥よ。以後は気をつけて。赤い髪の貴方は?」

「俺は来栖瞳。で、金髪のお前は?」

「音羽叫。苗字でも名前でも好きな方を呼んでくれ」

瞳の言葉に叫はおちゃらけて答える

「そう。それでそこの猫を抱えてる女性と、仲良く話してるあなたは?」

「春日部耀、以下同文」

「何に以下同文なんだ。俺は神峰友成。耀とは・・・幼馴染だ」

飛鳥の言葉に各々が答える

友成は耀との関係を言うとき、一瞬黙ってから答えると、耀に睨まれる

「いてっ!」

「・・・バカ」

すると、耀が友成に近づき、頬をつねる

「?最後に、野蛮で凶悪そうなそこの貴方は?」

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶悪な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれよお嬢様」

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

心からケラケラと笑う逆廻十六夜

寒そうに体を震わせる音羽叫

傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥

つまらなさそうに遠くを見る来栖瞳

我関せずといった感じで友成の膝で眠る春日部耀

そんな耀の頭を優しく撫でてやる神峰友成

(うわぁ・・・・・・なんか問題児ばっかりみたいですねえ・・・)

そんな六人を遠くから見ているウサギ耳の少女はそう思った

――――――――――――――――――――――――

「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」

「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」

「だな。周りは森だから適当に進んで遭難、なんてシャレにならん」

「だけど、そこまで心配する必要はないと思うがな」

「・・・この状況に対して落ち着きすぎているのもどうかと思うけど」

「大丈夫だ、耀。客観的に見ればお前が一番落ち着いているように見えるぞ」

(全くです)

六人の言葉を聞いていた少女が心の中でツッコミを入れる

もっとパニックになってくれれば飛び出しやすいのだが、場が落ち着きすぎているので出るタイミン
グを計れないでいた。

そのとき、ふと十六夜がため息交じりに呟いた。

「仕方がねえな。こうなったら、そこに隠れている奴にでも話を聞くか?」

物陰に隠れていた黒ウサギは心臓を捕まれたように飛び跳ねた。

「なんだ、あなたも気づいていたの?」

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?そっちのやつらも気づいてたんだろ?」

「当たり前だ。さっき心配する必要がないって言っただろ?」

「余程緊張してるのか心音が丸聞こえだ」

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

「同じく」

飛鳥、十六夜、瞳、叫、耀、友成が少女がいる場世を睨みながらそれぞれいう

「へー、面白いなお前ら」

しかし、十六夜はその後に他の五人を見定める

「逆廻、そんなことはどうでもいいだろう。今は俺達をずぶ濡れにした犯人が隠れているのが問題だろ?」

瞳がそう言うと、全員が先ほど以上に殺気を込めて少女がいる場所を睨む

「や、やだなあ皆様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたらうれしいでございますヨ?」

少女がなんとか場を和ませようと朗らかに出てくる

「嫌だ」

「断る」

「却下」

「お断りします」

「右に同じ」

「以下同文」

「あっは、取りつくシマもないですね♪」

バンザーイ、と降参のポーズをとるウサギ耳の少女

すると、耀が興味深そうにウサギ耳を見る

「えい」

「フギャ!」

そして鷲掴みにして思いっきり引っ張る

「ちょ、ちょっとお待ちを! 触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

「好奇心の為せる業」

「自由にも程があります!」

耀の行動に黒ウサギがツッコミを入れる

「へえ? このウサ耳って本物なのか?」

今度は十六夜が右から掴む

「みたいだ。面白そうだ」

左には叫が

「ちょ、ちょっと待―――」

「「せぇーの!」」

「―――――――~~~!?」

二人が思いっきり引っ張ると、黒ウサギは声にならない叫びをあげる

「あら?楽しそうね。次は私も引っ張ろうかしら?」

「その提案、俺も乗らせてもらおう」

本人の確認を得ずに飛鳥と瞳がそうつぶやく

「友成?」

「やらないから安心しろ」

耀がいい笑顔を向けると、友成は誰にも見られないように耀を撫でてやった

 
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