問題児たちにさらに問題児たちが追加して異世界からくるそうですよ?
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第一話
ある森の中、一軒の小屋があった
「ふあ~あ、眠い」
そこから黒いジャケットを羽織った金髪、金眼の高校生くらいの少年が出てきた
「さてと、魚でも取りに行くか」
少年がそう言うと、足の周りがいきなり振動し始めた
「よっと」
少年が跳躍した瞬間、地面が削り取られ、少年も凄い速さで川まで飛んだ
「さっかっな、さっかっな♪」
少年は川に着くと、嬉しそうに川に手を突っ込む
すると、手の周りの水が波を立てる
「オラッ!」
少年が叫んだ瞬間、手の突っ込んでいた部分から大きな水柱が立った
水柱が収まると、魚が浮いてきた
「よし、大漁だ」
少年は嬉しそうに魚を取ってると、手紙が空から降ってきた
「ん?なんだ?」
降ってきた手紙の宛名を見てみると、『音羽叫様』と、自分の名前が書かれていたことに驚いた
「俺の名前を知ってる奴がまだいるなんてな。さて、どんな内容だ?」
そうして今日を手紙を開いた
――――――――――――――――
雪の降るクリスマスの夜、街は人でごった返していた
しかし、そんな喧騒とは裏腹に公園ではたくさんの不良が倒れていた
その真ん中に赤髪、白眼の少年が立っていた
「はあ。俺も彼女がいればこんな事には巻き込まれなかったのにな」
ふぅ~、と少年がため息をついていると、リーダーらしき男が立ち上がり、ナイフを出して少年に怒りの表情を露わにする
「テメー、よくもやりやがったな。ぶっ殺してやる!」
「襲い掛かってきたのはテメーらだろ」
男がナイフを振り回しながらも、少年は見えているかのようによけながら喋る
「寝てろ」
一瞬のすきを突き、少年が男を殴り倒す
すると、空から手紙が降ってきて、宛名に『来栖瞳様』と書かれていた
「俺宛の手紙か。何が書かれてるんだてるんだ?」
瞳は中を開けようとせずにそのまま手紙を見る
「?中が見えない?どうなってんだ?」
瞳は中の字を読めなかった事に不審に思うが、空から振って来た時点で特別な何かだと思い、普通に手紙を開いた
―――――――――――――――――
木々が色づきだした季節、一人の少年がある部屋の前でノックしていた
「耀。入っていいか?」
「うん。いいよ、友成」
友成と呼ばれた少年が呼びかけに応じて部屋に入ると、少女と一匹の猫がいた
「あれ?浴衣を着て行くんじゃなかったけ?」
「うん。ちょっとね」
「にゃーにゃー」
不思議に思った友成だったが、猫が友成の肩に乗って泣いてきたので中断した
「悪い、耀。右手」
「うん」
友成がそう言うと、耀が右手を出し、友成の右手を触った
「よし、もう一回言ってくれ。ミケ」
[小僧、お前とお嬢への手紙が空から降ってきたんやけど何か知らんか?」
「知るわけないだろ。俺がわざわざそんなメンドクサイことをするわけないだろ?」
「確かに」
友成が言うと、耀が頷く
[それなら誰がこんなことしたんやろ?]
三毛猫がそういうと、二人はうーんと悩む
「まあ、悩んでてもしゃあないか。とりあえず読もうぜ」
「うん、そうだね」
友成の言葉に耀が頷くと、三毛猫が友成の頭に乗り、二人の手紙を覗き見ようとする
そして二人は手紙を開くとこんなことが書かれていた
―――――――――――――――――――――
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
われらの“箱庭”に来られたし』
―――――――――――――――――――――
すると六人の視界が突然開けた
六人は上空4000mほどの位置に投げ出され、眼下には巨大な天幕に覆われた大都市があった
彼らの前に広がるのは―――――完全無欠に異世界だった
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