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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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やっぱりお前かこのやろう

ーー73層攻略から2週間が経過して私、ユウジ、ソウヤ、キリト、アスナは

「何かを得るなら剣で奪いたまえ」

結盟騎士団本部、ヒースクリフとか言う団長の前にいる。

何故こうなったか…説明するのも面倒な位だ。

何でもキリトが74層目のボスと戦い、二刀流を発現したからだそうだ。

新聞等で騒がれ、物凄いプレイヤーの数が溢れ反ったとか。

「良いでしょう、その勝負受けます」

いやいや、絶対負けるぞこいつ。

それからキリトとアスナが部屋を出ていき俺とソウヤが残された。

「で、何故俺らまで呼ばれてんだよコノヤロー」

「僕等忙しいんだけど」

「ふむ、君達を直接呼びに行った時は物凄く暇そうにしていたと記憶しているのだが…」

何とこいつ、挙げ足を取りやがった!ヒースクリフの癖に!

「何か用ですか?」

「ああ、君達には我が結盟騎士団に入団してほしいんだ。
勿論無理にとは言わない。
断るのなら代わりに私とデュエルしてもらいたい。
期日はキリト君との勝負の日に、どうかな?」

「二人やるのめんどくね?」

「そうだよね、一人でよくない?」

「ほう、それは受けてくれるということで良いのかな?」

「うん、間違いないな」

「……何がかな?」

「いんや?」

「そうだね、じゃあこっちが勝ったら貴方と僕等で会談できる場を設けること。
僕等が負ければ即日に入団、てことでどうでしょう?」

「今この場所には誰もいないんだが?」

「誰が聞き耳スキルを上げているか解りませんからね…後日で」

「良いだろう。
ではその日に」

「じゃな」「ではまた」

バタンッ と団長室の扉を閉めて去っていった。



「ーふむ、やはり気付いたのかな?」

一人、ヒースクリフは呟いたが誰もいない空間で呟くに値した回答は得ることができない。

真相は翌日の決闘でわかるということだ。

「ふ、楽しみにしているよ…キリト君、ユウジ君…」

ヒースクリフは口角を吊り上げ業務に戻った。











ー翌日の闘技場。

「昨日の件から数えて半日しか経ってないのに何この客の賑わいは?」

闘技場観客席は既に満員御礼状態だ。

「情報回るのが早すぎるね。
それより、どうするの?勝てそう?」

「まぁ、もしお前が言っていたオーバーアシストを使ったとされるなら
少しばかり本気を出すことにするかね」

「よう、やっぱり二人も戦うんだな」

控え通路の方からキリトが現れ、話を振ってきた。

「闘うのはユウジだよ」

ソウヤは間髪入れずに答えた。

「まぁ、ユウジは企画外だからな…ドラゴンはテイムするし、
剣の腕は凄すぎるし…」

「まぁ、キリトはキリトでアスナを奪うために頑張ってね」

「なっ!?////ソウヤ!」

「あはははっ。」




閑話休題






ーーー結果から言うと負けた。

やったと思えた一撃はヒースクリフに防がれ、カウンターを受けて敗北した。

………キリトが。

「………」

「まぁ、しょうがないよ。」

ソウヤが慰めの言葉を送るが、なにやらキリトは考えているようだった。

「そろさろユウジの試合始まるよ」

キリトに声をかけて闘技場を見るように促す。

「……あの防御は完璧だ。
破ることなんて出来るのか?」

キリトはヒースクリフの使ったオーバーアシストに疑問を持っているようだ。

「見てればわかるよ。
僕から言わせればユウジの敗北した姿が思い描けない」

ソウヤの自信にキリトは首を傾げるだけだった。






「それでは始めよう」

ヒースクリフはウインドウを開き、体力ゲージ半損で済む決着でデュエルをユウジに申し込んだ。

「んー、取り敢えずあの話、守れよ?」

ユウジは承認ボタンを押して確認を取った。

「勿論だとも。」

カウントが始まり、両者が剣を構えた。

ーーー5


「…………」

ヒースクリフは盾から剣を抜き、半身になって構える。

ーーー4

「…………」

ユウジはウインドウを操作して装備を切り替えて黒竜剣士と称された装備に変える。

ーーー3

「…………ふっ」「……………へっ」

両者の目が合い、不適に笑みが溢れる。

ーーー2

ユウジが腰から赤く燃えるような刀身をした剣、この世界で創ったフランベルジュを抜いた。

ーーー1

腰を低くし何時でも動ける体制へと変わる。
そしてーーー

0!!

動ーーーー






くと思われたユウジは動かずにヒースクリフが距離を縮めて迫る。

ユウジは難なくかわし、反撃に移ったが盾に防がれた。

「お得意のカウンターは使わないのか?」

"ヒュオッ!" "カァン!" バンッ!"

剣が空を斬り、ぶつかり合い、盾に防がれる。

「ここぞと言うときに使うからこそ18番と言えるのだよ!」

「違いねぇ!」

激しい様に見られる攻防も話ができる分まだ余裕があると言える。








数十分の斬り合い。

「はぁ、はぁ、」

「何だ、もう疲れたのか?」

ヒースクリフの精神的な体力は疲労を示していた。

「何故君が、疲れていないかが、理解に苦しむ所、なんだがね…」

「いや、手加減してたし」

「……あれで手加減とは…恐れ入る」

観客は静まり返り、ヒースクリフは息を整えていった。

「そろそろ決めるかっ!」

一瞬でヒースクリフに肉薄し、一刀両断ーーー

"ガァァン!"

確実に当たるとされた一閃はいつの間にか現れた盾に防がれーー

「おっと」"ヒュオンッ"

迫るカウンターをしゃがんで回避。

少しの距離をとり、相対する。

「まさか、避けられるとは思わなかった」

「防がれるとは思わなかった。
………が、これで確信した。
この後絶対に会談して貰うぞ」

ユウジは素早い操作でアイテムストレージから一振りの剣を具現化する。

その剣を手に取り、構えた。

「……なるほど、思った通りだな。
良いだろう。勝敗に拘らずに会談の場を「いらねぇよ」」

「俺が勝ったら………だ」

「……良かろう」

両者がもう一度構え直し、お互いを見据えた。







「二刀流……?」

控え通路から見ていたキリトはユウジの持つ赤と青の剣にめを奪われていた。

「残念ながら違うよ。
あれはアイテムストレージから具現化しただけ。
剣そのもののダメージは変わらないからね」

「でもアイツはソードスキルを使えない!
システムアシストだって着かないんだ!」

「ユウジは元々二刀流なんだよ。
そしてあの双剣はフランベルジュとヴォーパルソード。
二刀一対、マテリアルブレードって呼ばれるユウジがリアルで使っていた物だよ」

「……リアル?」

「まぁ、そこら辺はきにしないで…ほら、決着だ」













「疾っ!」

ーー見えない。

ヒースクリフはそう感じていた。

キリトの速さなど比べ物にならないほどの速さ。

そしてーーー

"ガァァン!!"「ぐぅぅぅぅ!」

剣劇の重み。

オーバーアシストさえも追い付けないほどの速さと正確さ。

"ガキィ!" "バンッ!"

「ぐ、ぬ、がぁ!」

苦し紛れに彼の胴体に向けて横一閃。

瞬間、彼は笑っていた。



私が放った一閃は飛び上がりで回避されーー

「双刃斬!」

空中で一回転しながらその回転速度を利用して、両手にもつ剣を降り下ろす。

「ぐぁ!?」

硬直状態にあった私はオーバーアシストを使用できず、両肩を切られ、敗北した。

ーーーワァァァァァァァァ!!

会場が歓声で震動し、ヒースクリフはユウジに一言告げると去っていった。

『翌日、午後2時頃、第一層始まりの町、噴水前で待っている』

「……………」

ユウジは装備を普段着に変更して闘技場を後にした。

 
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