鉄槌と清風
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33部分:32:墜ちる者
32:墜ちる者
数日後、なのはの居る武装隊との共同作戦実行日がやって来た、とある管理外の無人世界での違法研究所の摘発、規模が大きい事と抵抗が予想されるため、結構多い人数だ。
良彦とヴィータの小隊はなのは達の小隊と共に、外部に多数存在する機械兵器の破壊だ、多数の科学者が雑多な種類の物を作っているらしく、統一性がなく、また、数も多い。
「遠くからでも数が多いことはよくわかるなありゃ」
「だな、でも機械あいてじゃ、あたし的には相性はいいってもんだ」
「破壊と粉砕が本領ってか…ま、俺は何時もよりきつそうだけどな、その分」
「魔力攻撃じゃないだろうからな、飛び道具付けてるのも多そうだし」
「まぁ、飛び道具の方はヴィータとなのはに任すよ」
「ふぇ…ぁ、なにかな、よしくん?」
3人で固まって雑談…に入って来ないなのはに声をかけると、まるで今気づいた様な反応。
「おまえ、大丈夫か…普段ならちゃんと話聴いてるだろ?」
「やっぱ、疲れてるんじゃねーのか、なのは?」
心配する二人
「大丈夫だってば、二人とも、元気だから心配しないでって、なんども言ってるのに」
それを苦笑し否定するなのは、すでに数回は似たやりとりがあった。
「本人のそういう言葉が一番安心できねーって、やっぱこの任務終わったら強制休養だな」
「シャマルにはもう、予約入れといたぞ」
「ナイスだ、ヴィータ…飴をやろう」
「なんで飴なんだよ、つかガキ扱いか!?」
「ちげーよ、手軽な栄養補給と酷使する脳への糖分補給だっつの、いらねーのか?」
「そういう事なら、もらっとくよ、あんがとな」
「なのはも、ほれ」
「………」
「なのは!」
「ふゃぁっ、び、びっくりした、な、なによしくん」
「飴なめとけ、少しでもちがから」
ヴィータとなのはに飴…正確にはキャラメルだが…を手渡し。
ヴィータと秘匿念話を始める。
「(やっぱ、だめだな…一応大体の掃討が終わったら、広域探査するから、合図でガード入ってくれ)」
「(あぁ、判った…ホントは止めてーんだけどな、局の上の方が許可してねーらしいぞ)」
「(なんで、んなことしってんだ?)」
「(こないだ確認ついでにレティ提督に聞いたんだよ)」
「(あの人が止められない上か、面倒だな)」
「(なに、だったらあたしらで守ればいいさ)」
「(だな、さて、そろそろか…頼むぜ鉄槌の騎士)」
「(任せとけよ、清風の騎士)」
顔を見合わせ、お互いに微笑して、なのはのそばに立つ、作戦開始まで数分…視線の先には、無数とも言える機械兵器。
作戦開始から約1時間、外部にいた機械兵器を減らし、突入部隊が突入してからでも20分は立つ頃。
機械兵器はエクセリオンバスターや、ラケーテンハンマーなどでどんどんと数を減らしていっている。
良彦は多数に対する技が、対軍しかないので地道になのはとヴィータのフォローだ。
「そろそろ、終わりが見えてきたな」
「あぁ、数は居ても戦闘力は大したことないしな、一寸疲れる程度だ」
軽口を叩き合う良彦とヴィータ、少し離れた位置で再びバスターを放つなのは。
実際には、外部担当魔導師の大半が疲労し、残敵掃討は実質この3人で行なっているようなものだ。
「…っの、馬鹿…砲撃は体に負担かかるから抑えろっていったの覚えてねーな」
「耳に入っても疲れた頭じゃ聴けてないんだろうな」
良彦の愚痴に、ヴィータがシュワルベフリーゲンを撃ちながら答える。
「ともあれ、そろそろか…ガード任すぞ、ヴィータ」
「おう、安心しとけよ、良彦」
言葉と共に、ゼピュロスを付けた手でカチンと合唱…
「ゼピュロス、『凪』広域探査」
『了解…魔力域及び風域拡散、動体反応集積』
カートリッジロード2発、辺り一帯に弱い風が吹き付ける。
広範囲故、処理能力大半を使い動けなくなるが、その精度は高く光学迷彩や幻術なども簡単に見破る『凪』の変化系。
当然、戦場のまっただなかで普通使う魔法ではないが、隣にヴィータがいることで良彦はこれを迷わずに使える。
「…残存兵器数…4,3,2,1…ぜ、いや、一体いきなりふえた、なのはの後ろ?!」
ヴィータと同時になのはの方をみる、兵器を殲滅し終えた事で安心したのか、レイジングハートを支えに立っているような油断した姿。
しかも、光学迷彩の機体なのか、目視出来ない…
「く、間に合えっ!」
『貫き』
更にカートリッジ2発ロード…速度に全力をまわし、制御は二の次…なのはに触れ、お互いがそこから離れ…る、瞬間。
二人の動きが突然止まり、響くのはざしゅっと肉を貫く音。
「ごふっ…ヴィ、タ」
「な、に…けふっ、これ」
そのままなら胸に突き刺さりそうだった透明な機械兵器の鎌のような刃が、良彦となのはの腹を貫通している。
それを見たヴィータの瞳孔が縮んで…
「てんめぇ、なにしてやがる!」
ラケーテンハンマーで、吹き飛ばし…刃が外れた良彦となのは…二人とも地面に倒れ込む。
「だれか、早く医療班だ、急いでくれ!」
叫ぶヴィータの声を聞きながら、良彦の意識は急速に薄れる。
「(あー、いってぇなこれ…なのはも、かわし、きれ…なか、った…か、わり…ぃ)」
薄れる意識のなか、実感が半端にないため、そんな事を考えながら、意識を手放した。
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まずはお詫びを、本来26話である闇の終わり、旅の終わり、が27になっていて、そのまま話数をつけたため、今まで1話ずつずれていました、32話にあわせてこれまでの話数を訂正しました。
というわけで、リンカーコアは無事ながら、重傷者は二人なりました、一寸だけ、救済です。
次回は入院とかの話になるとおもいます。
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