ヘタリア大帝国
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TURN116 カテーリンの資質その十
「ソビエトの治安は回復していますし」
「枢軸軍のダメージが回復すれば」
その時にだというのだ。
「来るわよ、すぐに」
「彼等はまずスエズと南アフリカに来ます」
セーラは枢軸軍の進路についても言った。
「ですから今のうちにです」
「はい、防衛ラインを再構築しましょう」
ロレンスがセーラに応えた。
「彼等が来る前に」
「まずスエズには」
セーラは考える顔になり言葉を出していく。
「モンゴメリー提督」
「はい」
「そして妹さんに行ってもらいます」
「わかりました」
「スエズにはエジプトさんもおられますので」
セーラは会議にいない彼のことにも言及した、今は普通の作戦会議ではないので植民地の国々は呼んでいないのだ。
「共にお願いします」
「それでは」
「そしてお母様も」
「私もなのね」
「スエズはエイリスの植民地統治の重要拠点です、失う訳にはいきません」
それ故にだというのだ。
「お母様も一時行かれて」
「防衛ラインの建設にあたるのね」
「御願いします、そして南アフリカは」
そちらはというと。
「マリーがこれまで通り入り」
「うん、防衛ラインの建設を進めていくね」
「祖国さんにも行ってもらいたいです」
「わかったぜ、近くにカメルーンもいるしな」
今エイリスに残っている数少ない植民地の国の一つだ。
「一緒に連中を迎え撃つな」
「御願いします」
こう自身の祖国に対して述べる。
「南アフリカを奪われれば後は」
「ケニアやカメルーンも取られるな」
「一気にアンドロメダまで攻められます」
そこまでだというのだ。
「幸いエスパーニャ王国との中立条約があるのであの国から枢軸国は来ないですが」
「スペインさんちゃんと約束守ってくれてるからね」
エルザは伊勢志摩の国家である彼のことを言った。
「国王さん夫妻もね」
「それが救いです、エスパーニャ王国は枢軸側ですが我が国とは不戦条約を結んでいます」
それでスペイン達はエイリスとの戦いには参加しないのだ。これは伊勢志摩方面からのエイリス軍の侵攻の恐れを消しておきたい枢軸側の思惑もあった。
「ですから伊勢志摩には警戒の部隊だけを置き」
「主力はスエズと南アフリカにね」
「置きます、そして」
「そのうえでね」
「私はロレンスと共に本土の防衛ラインをさらに強化します」
最後の護り、それをだというのだ。
「例え彼等がここに来ても」
「私もすぐに行くからね」
エルザはセーラを気遣って彼女に声をかけた。
「それまで無理はしないでね」
「出来れば議会の貴族達にも協力してもらいたいですが」
正規軍以外にだというのだ。
「軍への入隊と軍事費の提供を」
「それやるか?連中が」
イギリスは難しい顔になり首を捻ってセーラに問うた。
「果たして」
「いえ、それは」
どうかとだ、セーラも曇った顔で返した。
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