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一からWeb小説を書いてみる

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第03回 最終回で必要なこと

 
前書き
 前回はイベントのあり方について考えたので、今回は一気に飛ばして最後の山場とエピローグについて触れてみようと思います。これを読み終わればあなたは基本的な小説を書く能力が備わっているはずです。 

 
 よく言われる言葉に、「終わりよければ全てよし」というものがあります。とりあえず終わり方に納得できれば、全体としての評価も不可になることはないということです。これは私見ですがWeb小説では、完結をし、それが筋が通っていると思われればそれほど非難されなくて済む様に見えます。
 では、ある程度納得できる終わり方、つまり最終話とエピローグが重要となるわけですが、具体的にはどんな内容であるべきでしょうか?
 とりあえず書けることが目的ですので、無理に複雑にせず以下の要素を重視してみましょう


1-02-1 それまでに辿った内容を反映したか

 例えば「三角関係の恋愛もので、ヒロインが2人おり、どちらも主人公に告白したもの」を考えてみます。


(例)恋愛物の一例
ヒロインAとヒロインBの2人がいる
2人とも主人公が好きである
2人とも主人公に告白した


 この条件ならば主人公の選択がエンディングに直結するので、主人公が選べるエンディングの作り方は以下の4つになるはずです。


(例)恋愛物の一例における主な選択肢
①ヒロインAを選ぶ
②ヒロインBを選ぶ
③選べないので両方とも拒否する
④選べないので両方とも受け入れる


 このとき、二者択一を繰り返し述べながら最後に④を選んでは、それまでの葛藤がなんだったのかという話になりかねません。このようにそれまでの経過から、想定としてありえないエンディングというのは嫌われます。


 ということは、そこまで小説家として熟練したわけでもない私たちが起承転結の転を考えることはあまり有効ではないということです。順当に繋がりのあるストーリーのほうが望ましいでしょう。


1-02-2 拾っていない重大な要素が無いかどうか

 次に、一度5行設定で触れたドラクエ的な魔王撃破物を思い出してください。

(例、転載)ドラクエ的な魔王撃破物の一例
「目的」:世界を救う
「理由」:故郷のヒロインを殺さないため
「最大の壁」:魔王
「理由」:敵の総司令だから
「乗り越える方法」:聖剣で浄化する

 この作品で魔王を倒すのは当たり前ですが、もし最終回で故郷のヒロインについて何ら言及しないで魔王を倒し、王様から表彰されて完結したらどうなるでしょうか? ……主人公の理由を全く無視した最終回となり、「何のために戦ってきたんだ」と言うことになりかねません。というのも主人公にとっての本当の目的(一番成したいこと)は故郷のヒロインを守ることだからです。

 作中で目的やそれに準ずる扱いをした要素と、それを匂わせた要素について回答を出しているかどうかも重要だと言えます。全部を触れることは不可能としても、主人公とヒロイン、ラスボスに関連した要素は回収しておく必要があります。


1-02-3 主要人物に変化はあるか

 「魔王を倒す」「ヒロインと結ばれる」などとストーリーを単純化すると解りますが、物語とは何かの事件や変化が発生し、収束することであると言えます。ですので、1つの物語が終わるときにはその結果などが出揃うことが当たり前です。

 当然ながら、主人公たち人物も物語の中で変化があり、成長(or退化)もしているべきなので、最終話からエピローグではその精算が必要になります。
 というのも、仲間との出会いや別れ、戦いや努力によって新しく得た能力などが必ず精神面でも影響を与えるので、物語が始まる前の主人公と同じではいられなくなるからです。魔王を倒す旅で仲間の女の子を殺されてしまった主人公が、その子のことを何にも思い出さず、行動でも変化がないままで終わったら、その子はいなかったのと同じです。

 主要人物がどういう変化をしたのか、あるいは変化しなかったとしてもどうして変化がなかったのか、そういった内面にも踏み込んでいきましょう。


(商業作品中の例)劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-
アキト(前作主人公にして作中のキーマン、主人公の想い人)が去ったことがわかる
前途多難なことをかつての仲間に心配される
ルリ(劇場版での主人公兼ヒロイン、前作では受動的な存在であり最終的にアキトの娘に収まった)が「追いかける」と宣言する(自分が能動的な行動を取ることを決める)
「あの人は大切な人だから」と理由を告げる(「ヒロイン」宣言? 女の子から女への変化だと解釈している)

 この作品は例としては不都合かもしれませんが、商業系作品では主人公が変わったことを明示して終わる場合が多いです。後、エピローグなのに続編を匂わす描写も多いですね(新しい始まり扱い)。 
 

 
後書き
 とりあえずこれで一通りのものは説明したはずですし、その気になって書き始めてもらったら書いた要素を散りばめるだけで数千字の短編になる程度には説明量も増えてしまったので、ここでいったん区切り第一部完とします。
 後々で読みにくいところを訂正した修正稿に切り替えていきますが、とりあえず次からは二次創作の諸々を考えたものを記載していく予定です。 
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