ゼロと最後のしろがね
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聖なる夜
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久々にのせます。
「聞きたいこととは何かな?」
オスマンは目の前で立っている男、ナルミに聞いた。
「オスマンさん、俺が聞きたいことは二つある
一つは、この右手の紋章だ。もう一つは、この魔弾の射手の出所だ。」
ナルミはそう言って右手をオスマンに見せた。
オスマンはフゥッと息を吐き、
「それはのぅ、ガンダールヴと言ってな…この世界の伝説になっている物じゃ。」
その後、ナルミはオスマンから大体の説明を聞いた。
伝説の魔法使いの使い魔のルーン………
武器を持つと身体的な能力の向上と武器の基礎知識……
これが、ガンダールヴの特徴らしい。
「………ん?ちょっと待ってくれ」
「どうしたのじゃ?」
「もうひとつ無いか?」
「もう1つとは?」
ナルミは自分の目を指して、
「魔法の……何て言うかな、道筋?って言うもんが見えるんだ」
「ほう、道筋とな……?」
「あぁ、例えば……ゴーレムがいるとしよう、そのゴーレムと魔法使いの間で光の道筋が見えるんだ」
オスマンは少し考え、有ることを言った。
「ナルミ君、それは多分じゃが……君のしろがねの能力と合体して出来たのかも知れん」
「どういうことだ……?」
「儂も詳しくは解らんが、君の言う能力はガンダールヴには元々無いのじゃよ」
ナルミは己の体を見て、一瞬少し寂しそうな顔をして
「なら良いや、それじゃあこっちの銃は?」
「そいつはのう_____」
ーーーーーーーーー
「ヒエェ~、結構デカイ舞踏会だなぁ」
「そんなこと言っても貴族だからなぁ…?」
デルフリンガーの驚きにナルミはボケェ~っとしながら答えた。
ナルミはオスマンから情報を聞いたあと舞踏会に足を運んだ。
そこの景色は、本当に貴族と言える華やかさと雄大さを持った会場だった
「あら、ナルミやっと来たのね?今の私はどうかしら?」
後ろから声をかけてきてのはキュルケだった。
真紅を身に纏い、その四肢を強調しているドレスだった。
ナルミは少し顔を赤くして、
「あ、あぁ……凄く綺麗だぜ」
「ホント?それは嬉しいわ!フフッ、それじゃあ、後で会いましょう?」
「いや、ちょっと待………行っちまった………」
「カカカッ!良かったじゃねえか相棒!ダンスの相手がいてよ?」
キュルケが去った方向を見ながら、軽めに溜め息をついているとデルフリンガーから茶化された。
「いや……俺は適当に食べ物を食ったら、ワインを持って庭に行こうとしたんだがな………?」
「…………冗談だろ?」
~10分後~
「かぁ~、ホントにここで飲むなんて変わっているなぁ~」
「良いだろ?」
「いやぁ……まぁ……それもそうだが……」
二つの月の光りに照らせれて、ナルミは静かにワインを飲んだ。
「そういやぁ、あんときも酒を飲んだよなぁ……」
真夜中のサーカスに乗り込んだときの事を思い出し始めた。
「意地張って酒のもうとしたら、全然飲めなくてオレンジジュースにしてもらったんだよなぁ」
また一口とワインを飲むナルミ、その瞳には一筋の涙が零れていた。
「へぇ、それってどんな話なの?」
フイに後ろから声をかけられて慌てて涙を拭き、振り向くと。
「ルイズ……」
純白のドレスを着て、まるでお姫様みたいな美しさを持ったルイズがこちらを眺めていた。
「いや、何でもねぇよ。それより、舞踏会はどうしたんだ?」
「つまんないから、こっちに来た」
ルイズの顔は少し朱に染まっていた。
「オイオイ、こっちに来てもつまらないだけだぜ?」
「そんな事ないわ」
ルイズはその場に座り、夜空の二つの月を眺めていた。
「そ、その……ありがと………助けてくれて………」
ナルミとは目を会わせようとしないが、ルイズは、今までの事を含めて感謝の言葉を言った。
ナルミは笑顔でゆっくりとルイズの頭を撫でた。
♪~♪~♪♪~
ちょうどその時、近くで音楽のなる音が聞こえたのでその場所を二人で見ると
「ギーシュ?」
少し離れたベンチでギーシュとワルキューレが弦楽器を弾いて音楽を奏でていた。
ナルミは少し笑いながら立ち上がり
「俺と一緒に踊ってはくれませんか?お姫様?」
ルイズに手を差し出した。
「良いけど、エスコートはちゃんとしなさいよね?」
ルイズはその手を掴み、静かに立ち上がり
二人は音楽に合わせて、滑らかに柔らかく踊った。
その途中
「もう、勝手に死なないでよ?バカ」
「あぁ。もう、勝手に死なねぇよルイズ」
二人のその踊りはギーシュとワルキューレ、二つの月とデルフリンガーが眺めていた。
「カカカッ!こいつはおもしれぇ。貴族と平民が手を取り合って、仲良く踊ってやがる。
実にめでたい日だなぁ、カカカッ!」
二人のその踊りは、音楽が止むまで続いた。
後書き
感想待ってまーす!
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