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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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旅へ…ソードアートオンライン
  旅1 ソード・アート・オンライン

この世界の仮家に到着した俺たちは早速机を探した。

ゼウスは机に必要物は置いてあると言っていたのだが、
いざ机を見てみるとナーヴギア等一式しか置かれていない……。

「なあ、コレって一つあれば複数人遊べるとかいうヤツか?」

「そんなはずないと思うけど……まさか、ね」

《すまん、一つしか用意出来なかった》

「やっぱりね……」

思ったとおり、用意できなかったようだ。
最悪、俺一人で行ってもいいんだが、蒼也は初めての旅なので
なるべく介入させてやりたい。

《すまんが、予約を割り込んでおいたから買いにいってくれないか?》

こいつ、予約に割り込みかけやがった。

「まぁ……飯も食ってなかったしな……良いだろ」

「そうだね、町の探索も兼ねて買いにいこっか」

《マジですまん…》







ゲームショップの前…というよりもはるか先に見える場所。

「ここだな…」

「みたいだね…けど……」

「並びすぎだろ…………」

二人な目の前には人、人、人…遊園地のアトラクションを待つかのような
大行列が出来ていた。

「……並ぶか……」

「うん」




待つこと二時間ほど……




「あと二人……」

「長かったね……」

列が進むのが多少早かったにせよ二時間も待たされるとは……

「あれ?財布…あれ!?」

……何やら前に並んでいる少年が必死にポケットをまさぐっている。

(ねぇ、もしかしてこれって…)

(あぁ、財布を忘れたパターンだ)

(二時間待った上に財布を忘れた……最悪だな)

(僕なら軽く絶望してるよ)

(確かコレって一万しか売り出されないんだよな?)

(そう聞いてるけど…チラッ…)

後ろを振り返るとならび始めた時より長くなっている気がする…。
おまけに先ほどまでのペースが急に止まったことに顔をしかめるかたがたが激増。


「そん…な…」

「…………(やれやれ。
なぁ、お前さん財布忘れか?」

「え!?あ、ああ…急いできたからか…」

少年は焦りと困惑に考えがまとまらないようだ。

「取り敢えず後方をご覧ください」

「へ?なっ!?」

後列をみた少年はなぜか進まなくなった客たちに顔を青くした。
その客たちに目を一瞬でそらした少年。

「さて、そんな君には三つの選択が用意されております。
一つは諦めて帰る。
二つ目は俺が金を貸す「お願いします!!!」おおぅ…」



話題休暇



「いや、ホントに助かったよ、ありがとう」

まぁ、あの後直ぐに金を渡して買うように仕向けたが…

「ホントに有り難う!あ、俺は桐ヶ谷 和人あんたたちは?」

蒼也曰、この少年が主人公だったわけだ。

「僕は葵 蒼也宜しく」

「あー、赤志 ユウジだ。
まあ、なんとかなって良かったな」

「ホントだよ…βテスターには確実に輸送されるって書いてあったのに
いきなり送れないなんて連絡が来るもんだから焦っちゃって」

「?何で送れなかったんだ?」

「何でも計算間違いが起きて一つだけ足りなかったらしいんだ…
そしてその御初が俺に回ってきたっていうわけだ」

「……………(あれ?これってもしかしなくても…」

《その様だな…》

やっぱりか…

「まぁ!買えたし、結果オーライってやつだからな!心配事は消え去ったわけだ!なっ!?」

「え、あ、おう……そうだな」

「それじゃ、帰るかね?」

「うん、まあゲーム内で会ったら宜しくね」

「ああ!またな…じゃなくて!」

「どうした途方少年?」

「途方少年!?」

「…(また変なネーミングを…」

「ニックネームだ、気にすんな」

「すっげぇ悪質なニックネームだな!っとそれより家に寄ってかないか?
昼飯まだみたいだし、金も返さなきゃいけない」

利害損得ってやつですねわかります。

「そんならお邪魔になろうかね?」

「ああ!昼飯は奢るから任せてくれ!」

キラッと蒼也とアイコンタクト。最早以心伝心である。

「じゃあフランス料理フルコースで」

「僕は黒毛和牛500㎏の厚切りステーキで」

「高いわ!一般家庭舐めんな!」

「いや、俺らは何時も食ってるよな?」

「マジで!?」

「嘘だけど」

「おい!」

「わははははは!」

「………取り敢えず家に案内するよ」



話題休暇




「お兄ちゃん、お帰りー…」

ーここは桐ヶ谷家。

和人に連れられて玄関を潜ると少女が一人出迎えてくれた。
が、ワナワナと震えている。何故?

「ただいまスグ。どうしたんだ?」

「……お兄ちゃん、その人たちは?」

「ああ、この二人はさっき友達になった………スグ?」

「まさか、そんな……コミュ症のお兄ちゃんに…友達…?」

「スグ!?落ち着け!俺にだって友達の一人や二人はいるぞ!」

「…………どれくらい居るの?」

「え?あー…………(あれ?俺って友達いない?」

ポンッと和人の肩に手を置いたユウジは最後の一撃を与えた。

「……ボッチだったんだな」

「ぐはぁ!?」

和人はその場に崩れ落ちた。








「じゃ、また明日。向こうで会おう」

飯を食って少したち、帰るということで玄関前。

「ああ、また明日な」

「向こうでフレンド作れると良いね」

「まだ言うか!俺はボッチじゃない!」

「はいはい、じゃあまたね」

「Orz…」

「あの、今日は来てくれて有り難うございました!
こんなお兄ちゃんだけど宜しくお願いします!」

「おお和人、妹に心配されるとは情けない」

「うるせぇよ!」

「わははははは!じゃあなー!」

手を降って別れる。

明日はとうとう原作開始。

デスゲームにログインした転生者達を救う神の作戦、神ッションが始まる。

「明日からは大変になるだろうね」

「まぁ何時ものように終了したらゲーム楽しんでいくさ」

「何時もって、自由にしていいの?」

「ん?ああ、俺は毎回やってるぞ?」

「…そうなんだ」




デスゲーム開始まで残りわずか。

初めての旅である蒼也は転生者として生まれた時とさほど変わらない感覚で。

再開したユウジは今まで通りの志で、明日の事に挑む。 
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