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木漏れ日色の記憶。

作者:音無咲夜
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LoveRabirinnsu~交差する恋~

二月が始まって二週間、俺達は文集の作成に精を出していた。
「ん・・・・」
決して良い目覚めでは無かった。
「お前ら・・・」
俺の周りに寝ていたのは、慧、三咲、夜空だった。
「出てけ!」
「裸の女性を外に放り出すのかい!」
「お前は男だろうが!」
俺は慧を叩きだし、三咲と夜空に服を投げつけ、外へ出た。
なぜ、俺らが一緒に住んでるのかと言うと、昔の俺達の校舎が取り壊され改築工事をするために寮に移ったのだ。
この天文部のメンバーが集まっているのは、天文部専用?に作られた星空荘という寮があるからだ。
まぁ、天文部にはその他にも部員がいるのだが、それは後で紹介しよう。
部屋を出たあと俺は一階のキッチンへ水を飲みに向かった。
そこには先客がいた。
「おう、奏!早起きだな 。」
この人は神条悟先輩。高二で結構イケメンなマハラジャ先輩だ。
「えっ?今何時ですか?」
「3時半だけど?」
まじかぁ!!全然気付かなかった!
「でも外は明るかったですよ?」
そうだ、窓から確認したはずだ、しかも夜空と三咲の裸がじっくりと見えた・・いや、じっくり見てたわけではない。断じてない。
「佑香がなんかしてるんだろ。」
佑香と言うのは筒野佑香先輩。高二で悟さんの彼女?だ。
「ちょっと見てきます。」
俺は佑香先輩のへやに向かった。
「佑香先輩?何してるんですか?」
俺がドアを開けるとぼーぜんとした。
「な、なんだと・・・」
いつのまにか隣に来ていた先輩が呟いた。
「なんですかねこれは。」
部屋の真ん中には箱が置いてあった。
「今日はバレンタインデーだろ?」
「御愁傷様、悟くん」
「どっかのラノベみたいに言うなよ!」
「じゃ、俺はここで・・・・」
「ちょっとまて奏、こんな危険物を俺一人で開けさせるつもりか?」
「大丈夫ですよ!きっと爆発はしませんから!」
「きっとだろ!?」
その時!箱の中の猛獣は産声を上げた。
「さーとーる!!!」
「ひぃっ!」
とっさに悟さんは俺を盾にした。
「うわっ!!」
出てきた佑香先輩の姿ははだけた浴衣姿だった。
「ん?こーはいくん?・・あっ♪」
獲物を見つけた巨乳の猛獣はそっちに向かって突進した。
「今だ!」
俺は一瞬の隙を見て逃げ出した。
「おいっちょっとまて奏!・・うおっ!」
悟さんは猛獣の巣に連れて行かれていた。
////////////////
「ふぅ~、ひどい目にあった。」
俺がダイニングでお茶を飲み、荒んだ心を癒していると。
「あら?十六夜、早いわね。」
「・・・察してください。」
「お疲れ様。」
先生のくせに先生らしくないこの先生は二階堂宴。
アルコールが大好き、年齢は29才十五ヶ月。
「ぷはっ、とりあえずに続く言葉はビールで十分!」
「朝から酒ですか・・」
「当たり前よ!今日は創立記念日よ!」
「あっそうだった・・・」
なんで俺は3時から起きてるんだ?
先生はビールを飲みながら二階に上がっていった。
////////////////
「ん・・・やっ、おはよー♪」
「おはよう、さっさと服を着ろよ。」
俺の部屋で夜空は目覚めた。
「朝からバレンタイン渡しちゃうね」
「義理か?」
「本命に決まってるでしょ!」
「お前も諦めないな」
「当たり前よ!」
夜空は頬をぷくーっと膨らませて言った。
「まぁいい、ほらこれ飲むか?」
「あっありがとー♪」
俺は三人分持ってきた麦茶の一杯を夜空に渡した。
「なぁ、望月も慧に渡すと思うか?」
「渡すでしょ普通。」
「だよな~・・・」
「なんか不安でもあるの?」
「慧は昔、バレンタインデーに苦い思い出があるからな。」
俺は中二の頃を思い出して溜め息をついた。 
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