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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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最終決戦!すぐ終わるよ!

鳴海海域上空

海面にはドーム状の黒い淀みがあり、その上空には十数人の少年少女と保護者的な大人数名。

先ほどまで戦闘をしていた痕跡は一切なく、全員が万全の状態である。

「さぁ、暴走開始まで5分を切ったぞ…各員、準備は良いか!」

クロノが声を張り上げて号令を掛ける。

「準備も何も、さっさと終わらして帰りたいところね」

プレシアはそんな呼び掛けにドライな反応を示し、呆れるようにして言った。

「母さん、もう少し緊張感を持った方が……」

フェイトは空気を読んでプレシアを何とかしようとする。

「にゃはは…」

「全く、困ったものですね」

「まぁ変に緊張するよりましじゃないかねぇ?」

「そうだね、皆がいるんだから額実にフォローしあっていこう」

それぞれに意気込みを言い合い、お互いのモチベーションを高める。

「しかし、あの方がまだ来ていないが…」

「やっぱり夢に…」

「いや、あの方の反応は途中から消えていた。
だから夢の中というのは無いだろう」

「反応が消えた?なんで?」

「ああ、それは分からないが…急に居なくなった様な感覚だった」

管制人格、リィンフォースは はやての中で顎に指を当てて考える仕草をとった。

「………反応が消えたのはユウジが脱出したからだね」

「脱出…とは?」

「そのままの意味さ。
自分の意思で脱出し…………多分依頼か何かを成し遂げに行ったんじゃいかな?」

「……依頼?」

「まぁ、そろそろ来るんじゃないかな?」

「蒼也君、そんな簡単に来たら苦労しないの」

「あー、なんの苦労かは知らないけど、ほら」

蒼也はそう言って指を指しみんな一斉にその先を見た。

その先には海面のドーム状、闇の書の闇しかなく、皆が何言ってんの?みたいな顔をしていた。

「蒼也、何もないよ?」

「いやいや、もうすぐ……ほら」

"ズドォォォォン!!"

いきなりドーム状になった闇の天辺から爆発が起き、光が浮上する。

そして…

「俺、参上!」

光を弾けさせて、その中からユウジ(キメポーズ)が現れた。

「ほらね?」

「貴方達は何かで結ばれているのかしら?」

そんな何気ないプレシアの一言に…

「そんなのあるはずが有りません!」

「そんなんやったら蒼也んの性格疑うわ!」

「母さん!そんな根拠もないこといっちゃダメだよ!」

と三人に詰め寄られ…

「え、ええ、そうね…ご免なさい」

勢いで謝ってしまうプレシアだった。

「大人の風格が在りませんね?」

リニスはやれやれと肩の位置に両手を持っていく。

「……何してんだ?あいつ等?」

「さぁ、分かんない」

余り理解できていないアリシアとヴィータの二人だった。









「さて、それじゃぁ時間無いから簡潔に説明するぞ~」

事は収まり、ユウジがみんなを集める。

「作戦は…そうだな、

ナハトヴァール出現と同時にバインドで束縛

魔法障壁を俺が破壊する

全員で一斉掃射…手加減すんなよ?

飛び出したリンカーコアを宇宙空間に転送

アルカンシェルで殲滅

ってな具合になる。
なにか質問あるか?」

「まって、障壁って硬いんやろ?大丈夫なん?」

はや……車椅子少女か。

「やれやれ、見くびられたもんだね?
この際だからちみ達に最近見つけた新技、
神の鉄槌を見せてやろう!」

「神の鉄槌?」

「(それって………"ドガァアアアアアン!!"始まった!」

大きな音に全員の表情が引き締まった。

「作戦開始!」

「縛れ!神首縛りの鎖!」

「チェーンバインド!」

「縛れ!鋼の軛!でぇぇぇや!」

3人のバインドがその巨体を貫き捕まえ拘束した。

「あっ、障壁展開したぞ!」

「総員、フルチャージ!」

「「「了解!」」」

「見せてやろう!神の鉄槌………」

ユウジは腰をおとし、右腕を引き、何かを殴る体制になった。

「ゴッド………」

右腕を腹部に持っていきかばうような体制に

「(んん?あれ?殴るんじゃないの?」

「ハンドォ………」

前に出ていた左足を天高く蹴りあげ

「(フレーズからして想像通りだとは思うんだけど…」

「クラッシャーーーー!」

「何で投球フォームなんだ!」

ユウジが握っていた拳を投球が如く振りかぶる。

するとその上空から青白いゴツゴツした巨大な拳が現れ…

"ズズン" "バキィィン!" "プチっ" "ドッガァァァァァァァァァン!"

障壁を悉く粉砕し、ナハトヴァールを押し潰した挙げ句大爆発を引き起こした。

「さあ!今だ!やれ!」

生き生きとした顔のユウジに皆が(゜ロ゜)な顔になっている。

そして…

『目標……完全にロスト……えっと……再生反応及び生態反応……有りません……』

終戦の合図が………

「「「「「えぇ~~…………………」」」」」

「……ユウジ…」

「あー、うん、…殺っちゃったぜ☆」

「ちょっと!その溜めに溜められた砲撃の行方をどうしてくれるの!?」

「そうだよ!折角気合い入れたのにぃ!」

「なんともまぁ、規格外やな……」

「それがあの方ですから…」

「流石ですね」

「まぁ、取り敢えず砲撃は勝利の花火にでもしとけ」

「………まぁ、しょうがないね」

「じゃぁ、皆一斉に!」


こうして上空に打ち出された砲撃はそれぞれにぶつかり合って爆発し、綺麗な光の雨を降らせた。







え?リィンフォース消滅イベント?

闇の書に取り込まれたときに改善しといたさ!

やっぱ大事だよね?ハッピーエンドはさ!




ー赤志宅ー

「~と言うことだ」

あのあと各自家に戻ったのだが、蒼也に何があったかを聞かれてクライド救出における内容を話していた。

「そうだったんだ…」

「まぁ、あれだ。明日クロノとリンディ連れてこい。
他の同伴は無しな?」

「まぁ、しょうがないね。分かったよ。
一応メールで通達しておくよ」

それが妥当だろうな。
メール…何と便利な………メールか…ふふっメールねぇ?

「まて蒼也、俺が打つ」

「えぇ?まぁ、良いけど……」

「………これでよし!明日が楽しみだな!」

「何て打ったのさ?」

「それを言っちゃあ楽しみが減るってもんだろうがよ」

「いや、まぁ分かったよ」

ふふ、楽しみだ…マジで

「それで、クライドさんはどこにいるの?」

「あぁ、それなら寝室に居るぞ?
何でも長い間休暇を取っていなかったらしい」

「あー、管理局ならありえるね……」

「まぁな…取り敢えず明日の午前中に再開させるからそのつもりでいろよ?」

「了解。じゃ、お休み」

「おう」

そう言って蒼也は自室へ歩いていった。

「………夢がない…か」

一人になったユウジは闇の書の中であった事を思い返していた。

あの中で夢を見なかったと言うことは望みが無い、
もしくは夢事態が存在しないことになる。

「……あれから4000年……か。
未だに見つけてないし会えていない…はぁ……」

"会えていない" これはユウジが幾多の世界を渡り歩くきっかけになった人物達の事だ。

「諦めなければ必ず最後に何らかのアクションがある…か」

クライドに言ったこの言葉。

これもまたその時自分に向けて言われた言葉である。

「……寝るか」

考えるのを止め、ユウジもまた自室へと向かった。

まだユウジの旅は終わらない。

それを知るに時間は余り必要ではなかった。  
 

 
後書き
漸くAs編終了です!

次は空白期となりますがこれまたしっかりと考えてありますので

楽しみにしていていただけると嬉しいです 
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