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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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もはや何でもありな私であります

時間は少し遡り、ユウジが闇の書に飲まれた頃。

ユウジは辺り一面闇に覆われた場所にいた。

「………真っ暗だな。
もしかして俺の望みは暗いところに独り居たいっていうぼっち直行コースな夢なのか?」

だとしたら悲しい…何てことを思いながらもとある場所を探して進んでいく。

「………んー、あっちか…」

ユウジが探している場所、それは夜天の書の記録をした場所。

今までの記録が残されたこの魔導書に携わる情報が多くつまった場所。

「………見っけ」

たどり着いた場所は不自然に置かれた丸い球体。

水晶玉のようなそれは紫の怪しげなオーラを放ちながら来るものを拒む様に存在していた。

「さて…ラクス」

『はい………解析完了。時間軸、座標固定…いつでも行けます』

「サンキュー。
さて、久々だ…」

そういって取り出したのは二振りの剣。

炎を象ったフォルムの赤い剣。

氷を象徴とした青く煌めく剣。

フランヴェルジュとヴォーパルソードだった。

なぜユウジが持っているかはいずれ語ることにする。

「起きろ、オリジン」

2つの剣は1つになり、エターナルソードに変わった。

『ユウジか…久しいな。』

「そうだな…だが今は話している時間さえ惜しい。
早速時渡りを頼む。
時間軸及び座標はこの通りに頼む」

ユウジはラクスを掲げエターナルソードに見えるように提示する。

『承知した………では』

「開け!次元の扉!我を誘え、希望と共に!」

"ブオン!"と何もない空間に一振りし、空間に亀裂を作った。

「よし、いくぞ!」

ユウジはその亀裂の中へ飛び込んでいった。














ー???ー


「…っく、なぜ行きなり発動が……封印は完璧では無かったのか………!」

次元艦の中、顔立ちの整った男性は焦りの表情を表し、目の前に迫る強大な力に抵抗していた。

「艦長!船の制御が出来ません!」

艦内で起こったそれは余りにも唐突で艦隊の焦りを煽るには十二分だった。

「くそっ!……………」

「艦長!」

男性は焦りながらも深く考え、やがて……

「総員、速やかに隣に位置する別艦隊へ避難を開始!
遅れるな!誰独り欠けることは赦さん!」

「「「「「了解!」」」」」

各々が転送ポートに避難、転移を行い、隣に居る別の艦へ避難していく。

しかし…

「うわああああ!?」

あと数人と言うところで一人の隊員が"それ"から伸びる触手に足を取られてしまっていた。

「カーター!くそ!スティンガー!」

青の光が触手に辺り、カーターと呼ばれた隊員は逃げることが出来たのだが…

「ふぅ、!?なっがぁ!?」

今度はその青年に取り付き身動きが取れなくなってしまった。

「艦長!」

「いけぇ!大丈夫だ!必ず戻る!行くんだ!」

「くっ…………絶対帰って来いよ!クライド!」

「当たり前だ!」

カーターは転移していった。

「…………しかしこれは、っく……外せないか」

何とかもがいて脱出を試みるがうまくいく気配がない。

とそこに

『各員へ通達。イージス艦長を囮とし、速やかに我が艦へ転移を開始せよ。
尚、イージス艦長はそのまま足止めを命令する。』

という内容の通信が入った

「まさか………こんなことになるなんてな…?(プライベート通信?」

『やあ、クライド・ハラオウン艦長…気分はいかがですかな?』

「やはり貴様か、マルカス諜報議長!」

『ふふっ、君は色々と知りすぎてしまったのだよ…それこそ、闇の書の真実、とかね』

「やはり管理局が絡んでいたのか!」

『あーあー、残念なことに君と話している時間は余り無いんだよ…
まぁ少ない時間の中、家族への時世の句でも唱えておくといいさ。
なに、安心したまえ。
君の息子、クロノ君と言ったね?
その子には母と共にしっかり管理局の忠犬にでもなって貰うからな!
はっはははははは!"ブヅっ"』

「くっ…………ダメなのか…本当に終わるのか……!
まだ息子の約束を果たしていない!リンディとの食事だって!」

そこに最後の通達が入った。

『上層部より通達。
足止めを勤めたクライド・ハラオウン艦長は殉職された。
これより闇の書を破壊すべく、アルカンシェルの使用を推進。
速やかに破壊せよ!』

処刑と言う名の通達が。

「……………済まない、リンディ…クロノ。
約束が果たせない事は心残りではあるが…
クロノ…りっp「最後まで諦めなければ……」!?誰だ!」

触手に絡まる青年は辛うじて頭だけを声のした方へ動かした。

するとそこには高校生位の少年が立っていた。











「最後まで諦めなければ…「誰だ!?」」

さっきの通達を聞いた。

もってあと5分程度だろう。

恐らくこいつがクライド・ハラオウン。

クロノ、リンディの依頼対象だ。

クライドが苦しそうにしながらもこちらを向いている。

「最後まで諦めなければ、必ず何らかのアクションが起きる。
それが吉であれ凶であれ、お前さんが強く願う意思によって、行動によってどちらかに傾く。
今のあんたには2つの選択肢が掲げられている。
"生きる"か"死ぬか"だ。」

「…………君は、一体……」

「答えろ。答えたら救う序でに話してやる」

「生きたい、生きなきゃいけないんだ!
息子が、妻が!今にでも危険な目に合いかねない!
頼む、助けてくれ!」

「承った!」

言うが早いか、一瞬でクライドに巻き付く触手を切断、切り刻み、クライドを助け出す。

『アルカンシェル、発射ぁ!』「オリジン!」










ドガァアアアアアン!

ユウジ達の居た艦はアルカンシェルにより跡形もなく破壊された。

諜報議長、マルカスはニヤリと口角を吊り上げ、友であったカーターはその場に崩れ落ちた。

報告ではクライド・ハラオウンは隊員を逃がすため囮となり殉職。
その姿は正しく英雄だった。と  
 

 
後書き
クライドが乗っていた艦の名前が違うでしょうが気にしないでください。 
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