世紀末を越えて
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世紀末の世
外の世界達
そいつがそう言うと、白い霧に黒いインクを垂らすように、黒い影が無数に現れた。
「なんだ、これ。」
その影が地面に憑き、どんどん辺りへ広がってゆき、そして僕の見える範囲全ての地面が影に染まり、そして辺りは闇に包まれた。
「ここは?」
振り返れども何も無い。闇と、黒と、静寂が広がっている。地面は平で、どこまでも続いている様に思われた。その上不思議な事に、歩いても足音がしないので、ちゃんと前へ進めているのかどうかさえ疑問に思える。
しかしよく目を凝らしてみて見ると、遠くの方に地面から生えた塔のようなものがいくつか点在していた。
※
「おい!撹拌機!まだか!!」
「今設置した!起動まであと20秒!カウントダウン開始!」
目前にはヒトデナシと呼ばれる黒い人形が多数あった。
「よし!なんとしても持ち堪えるぞ!」
彼の手には拳銃の様なものが握られていた。恐らく武器の類いだろう。その銃からはコードが延びており、彼の頭のヘッドギアの様なものに繋がっていた。
彼はそれを構えると、口元に僅かな笑みを浮かべた。
そして彼が放射状にヒトデナシにその銃を掃射すると、命中した箇所がえぐれ、一時的ではあるものの、多数のヒトデナシの動きが次々と止まっていく。
「起動まで残り3、2、1…起動!」
撹拌機と呼ばれる長さ20メートル程、直径10メートル程の円柱状の機械が複数設置されていた。その先端部分から稲妻の様なものが辺りにほとばしる。
すると、ヒトデナシは、完全に機能を停止されたのか、音も無くその場にゆらりと倒れてゆく。
「よし、今日もなんとかなったな。」
「ヒトデナシを撹拌機に詰め込め。」
「ん?なんだあれは…おい!人だ人がいるぞ!」
身長は180センチ程、瘦せ形の男が歩いてきていた。彼の網膜には対象となる情報が表示される様になっているのだが、どういう事か//serial unknown//と表示されていた。
「どうしてこんなところに、なんだあいつ…未登録だ、未登録の人間だぞ!」
「なんだって!?どういうことだ。こいつまさか、外の世界から来たのか!?」
※
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