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ポケットモンスターズファンタジー~導かれし者達の軌跡~

作者:ティア
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拒絶

 上空にて、少し高めの悲鳴と怒ってる声がビル街にこだましていた。その声主たちは当然・・・
「うわぁぁぁぁぁあっ!! も、もう降ろしてぇぇぇえっ!!」
「アンタは男の子でしょっ!!?あと五分は我慢しなさいよっ!!」
「そんなこと言われたって怖いものは怖いんだも・・・ぎゃあっ!! い、いきなり降下しないで!!あと地面近いって!!」
「うるさいわねっ!!ライトが大丈夫って言ったから急いでるのよっ!!?」
「ごめんなさい嘘付いてましたっ!!もう付かないないので降ろして下さい御願いします!!!!」
 そう。サイコキネシスで浮かべさせられているライトと、その技を使っているレイエルである。その常識はずれの出来事に、周りの目が集まっていた。
 そして今、ライトが降参したのを聞いてレイエルは速度を緩め、サイコキネシスを解除して、流石に可哀想だと思ってゆっくり下ろしてあげた。場所は丁度さっきの病院より少し奥に行った場所だった。
「はぁ・・・はぁ・・・こ、怖かったぁ・・・・・・」
「さ、流石に調子に乗ってスピード出し過ぎちゃったわね・・・でも、あっちからここまで来るのに五分も掛かってないわよ?バスなら10分以上かかる距離を」
「ふぅ・・・それは良いんだけどさ、ここから先は走って入口まで行かせて? これ以上同じことされたら気絶しそうだから・・・」
「分かったわ、じゃあカバンは私が持つわね。その方が楽でしょ?」
「うん、凄く助かるよ。 ・・・じゃあ、行くよ?"電光石火"っ!!」
「きゃっ!!・・・は、はやっ!!? ちょっと!!少なからず人を浮かせながらサイコキネシスなんて案外疲れるんだから少しくらい遠慮しなさいよっー!!」
 ライトは呼吸を整えて走り出すと、辺りの草が大きく揺れ、その風に驚いて目を閉じて開けた時には既に5m以上は差が開いていた。その事に愚痴りながらも、レイエルも自分が出せる限界の移動スピードでライトを追っかける。
「・・・うん? へぇーっ、僕のスピードにレイエルは追いつけるんだね」
「な、何言ってるのよっ!!これでも結構限界なんだから!!」
「・・・分かった、少し下げるよ。 こんな感じでいい?」
「あ、ありがと・・・結構素直じゃない。 って・・・ん?確かこの辺がアファクトの森の入り口だったわよね?」
「だね。確か近くに川があったはずなんだけど・・・あれ、場所間違えたかな? うーん・・・あっ、もしかしてあそこに居るのってモルクじゃないかな?」
「・・・そうね。バックがそうだもの。 でも・・・モルクと居るあの子、だれかしら」
「ぼ、僕に聞かれても困るよ・・・・・・っ!!?」
 ライトは何かに気が付き、ダッシュでモルクの方へ。後からのレイエルの大きな声を出したものだから、その声でモルク本人が振り向くが、ゼニガメの方はモルクの後ろに隠れてしまい、レイエルがモルクのところに来た時には、モルクがゼニガメを左手で守るようにライトの事を睨みつけていて、右手に微妙に電気も帯びていた。それを見てレイエルは慌てた口調で、
「ちょっと!!その右手に溜めてる電気は何っ!!?」
「何って、守るためだよっ!! ボクはアーシアが出て行ってから、他の人達にライトに接触させないって決めたんだっ!!」
「そうなんだ。じゃあ、このまま僕が近づいたらどうするつも・・・」
 語り掛けながら近づくと、瞬時に右手を振り下ろした。すると、ライトの顔ギリギリをカミナリがすり抜けて行き、レイエルの驚いた悲鳴が小さく聞こえた。
「こうなるよって事。今は当てなかったけど、次は当てるからね」
「・・・分かった、その気ならバトルで蹴りを付けよう。僕が勝ったなら話しを聞いてもらうよ。そして、ボクが負けたのなら、本来死ぬはずだった事の通りこの世界から消える。 ちなみに、容赦はしないから覚悟してよ」
「っ!!!?? なに勝手に決めてるのよ!!あんたが居なくなったら他の人達どうするの!!?さっきまで話してた事はどうするのよっ!!?」
「君に・・・託すよ、レイエル。君なら僕の願いも気持ちも受け取って人間達に伝えてくれるはずだから。 さぁ、モルク・・・始めるよ。覚悟は良いね?」
「良いよ、受けて立つよ。 マートル、あのお姉ちゃんのとこに居て。大丈夫、僕の友達だから」
 モルクの言葉にコクリっと頷くと走ってレイエルの所に。そしてマートルが行ったのを見届けると、四つん這いになり、ほっぺの電気袋から多少の電撃が迸る。ライトの方はモルクからある程度距離を取るために少し走りながら離れて身体を向き直した。
 そして・・・
「ボクから先制させてもらうよっ!!"電光石火"っ!!」
「やっぱりそうきたね。こっちも"電光石火"っ!!」
 二人は一斉に電光石火で距離を詰め、近づくとモルクは電光石火で走りながら電気を放電。それをライトは飛んでくるカミナリを飄々と避けて行き、どんどん距離が縮まる。このことにモルクは焦ったのか、放電をやめてアイアンテールを繰り出す準備をする。だが、それを狙っていたかのようにライトは更に加速して体当たり・・・に見えたのだが、繰り出したのは"体当たり"ではなくて"アイアンテール"だった。
 その即時の技の切り替えに対応出来ず、スピードに乗ったアイアンテールをお腹にもろに受けたものだから、軽く5mは吹っ飛び転んで大きめの石にぶつかって静止した。
「モルクお兄ちゃんっ!!」「モルク!!」
 マートルとレイエルの声が同時に響き上がり、マートルがモルクの所に行こうとしたので、レイエルはサイコキネシスで連れ戻した。その事にマートルは なんで!?どうして行かせてくれないの!!? っと、空中に浮かべされたまま手足をバタバタさせてレイエルに涙目で訴える。
「・・・私だって止めに行きたい。でも止めたら、両方の心に複雑な気持ちを持ったまま別れるか、一緒に行動しなくちゃいけなくなっちゃうの。 それにアレは戦ってるんじゃなくて、自分の思いを拳に乗せて語り合ってるのよ」
「こ、こぶし? グーの事?」
「そう、じゃんけんのグーの手よ」
「そうなんだぁ。でも、そうしたらぼくも言うことあるっ!! だって、戦ってるのぼくのせいだもんっ!! ぼくがここに居なきゃ二人が戦わないですんだもんっ!!」
「ううぅ・・・。でっ、でも・・・どっちにしても避けられなかった事なの。あのね、実はマートルくんに会う前に一つ言い合いがあったの。それはマートルくんと同じ状態で、同側の腕に同じマーク、元人間だった子のアーシアについて。その時にどう間違ったのか、今戦ってるピカチュウが言っちゃいけないことを言っちゃったから、それを聞いて何処かに涙を流しながら何処か行っちゃって・・・。今まで探したんだけど、まだ見つからないの・・・」
 悲しそうな顔で説明し、その雰囲気にマートルも感じ取って、明るかった表情も暗くなる。そして右手のマークを上から左手でなぞりながらポツリと呟いた。
「ぼくと同じシルシ・・・なかま・・・かなしんでる・・・・・・」
「・・・えぇ? い、今なんて?」
「かなしんでるのなら・・・助けなきゃ。そのお姉ちゃんの姿の名前なんなの?」
「イーブイよ、ちょっと小柄の。でも、探すのは勝負が付いてから探しましょ。 心配しなくても大丈夫。どちらがどんな結果であれ一緒に行くように説得するつもりだから」

~~~~~☆~~~~~

「・・・もう終わりなの?なんか残念だよ。もう少し耐えられると思っ・・・っとと。 そうそう、そうでなくっちゃ。幾ら何でもこれじゃあ物足りないよ」
「はぁ、はぁ・・・・・・負けて・・・たまるかっ!!」
 最後の一言を言った後、またもや電光石火を使って吹っ飛ばされた距離を詰めながらアイアンテールの準備。だが、距離が1mの間合いに入った途端に素早く電気を纏い・・・
「"スパーククロー"ッ!!」
「えっ、あぶなっ!!? い、痛てて・・・まさか僕と同じ様に電気を反動に乗せて飛ばして来るなんてね。 使い方が僕と同じで、自分の現し身を見てるみたいだよ。フォームも、見てすぐに学ぶところも」
「き、君なんかと同じにするなっ!! なら・・・"サンダーボール"ッ!!」
「その電撃貰うよ・・・ぎゃあぁぁあっ!!? な、なんで・・・こんなに・・・痛い・・・の?・・・・・・」
 モルクの飛ばした電気玉を避けずにワザと食らったライトだが、放たれた電気をライトの身体が電気を受け付けず、もがき苦しんだ後にその場に倒れこんで動かなった。
 モルクにとっては少々威力を抑え気味に放ったのにも関わらず倒れたことに、疑問を浮かべながらもライトへと近づき・・・
「ぼ、僕の勝ちだね。 約束通り引いてもらうよっと言いたいところだけど、君の話をやっぱり聞いてからにするんだけど・・・だ、大丈夫?」
「ぅ・・・ぁ・・・・・・」
「モ、モルク!!ライトどうしちゃったわけ!!? 見る限り全力のサンダーボールじゃなかったわよねっ!!?」
「様子見で打っただけだよ!! でもなんで・・・も、もしかして怪我?」
「それよっ!!ライトは完治してないのに病院からアーシアちゃんを探して謝るために抜け出してきたのよ!! ともかく病院に連れてくわ!!」
「そ、そこまでして・・・。 ふぅ、しょうがない。このまま町に向かっても暗くなって危険になるから一旦引いて、明るくなってからアーシアを探そう。 レイエルはライトをお願い。僕はマートルとバックを背負ってレイエルの後を追掛けるよ」
 手短に指示を出し、レイエルはいつも通りサイコキネシスで浮かばせる。そしてモルクはライトが背負っていたバックと自分のバックを背負うと、マートルはそのバックに飛びついて振り落とされないようにしっかり取っ手を持った。重たくないの?っとレイエルは思ったが、別に満更でもないらしく、涼しい顔をしていた。
「じゃあ・・・行こう。マートル、しっかり捕まっててよ?」
「うん・・・でもアーシアお姉ちゃん、大丈夫かなぁー・・・」
「大丈夫よ、きっと。あの純粋な性格と人懐っこい明るい性格なら・・・ね」
 
 

 
後書き
今回も少なめの切り方変です(。-_-。)
執筆スピードと誤字脱字をもう少しなんとかしないとね・・・ 
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