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ヘタリア大帝国

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TURN107 母と娘その十

「そうしないといけないですから」
「そういうことか」
「フランスさんトライアスロンの経験は」
「それがないんだよ」
 ないと答える、これは実際のことだ。
「お兄さんも初体験だよ」
「そのお言葉はともかくとしまして」
「ああ、出来る限り水の抵抗がない水着になったんだな」
「露出はなくなりました」
「ビキニって結構抵抗食うしな。思いきり泳いだら外れかねないしな」
「だからです」
「男ものもか」
 本当にぴっしりとしたトランクスタイプだ、スパッツに近いだろうか。
「こうなったのか」
「そうです、フランスさん泳いでいる時に脱げたら嫌ですね」
「いや、俺は全裸でも平気だぜ」
「それは変態ですから」
 例外だというのだ。
「止めて下さいね」
「何だよ、可愛い顔して厳しいな」
 フランスはクーのこのことに指摘した。
「まあとにかくな」
「今から競技をはじめますので」
「わかったぜ、トップを狙うか」
 フランスは準備体操をしながら言った。
「イギリスの奴がいればもっとよかったんだけれどな」
「イギリスさんですか」
「あいつと競うのが一番やる気が出るからな」
 ライバルだからである。
「そうなんだけれどな」
「ですが今イギリスさんは連合にいますので」
「ああ、諦めるしかないな」
「何はともあれ頑張って下さいね」
「この競技で優勝したらあんたにデートを申し込んでいいかい?」
「私とですか?」
「ああ、いいかい?」
 女の水着を着るキャロルにだ、フランスはそっと近寄って耳元で囁いた。
「俺は男でもいけるからさ」
「えっ、まさかフランスさんも」
「ははは、わかるさ」
 一見すると胸のない女の子に見えるスタイルだ、それでもなのだ。
「お兄さんを甘く見てもらっては困るな」
「ハンナと祖国さん達だけが知っていることだと思っていましたけれど」
「俺の目は特別なんだよ」
 そうしたことを見抜けるというのだ。
「だからな」
「そうでしたか」
「それでどうだい?」
 クーに再び誘いの声をかける。
「今度な」
「あの、それは」
 戸惑いながらだ、クーはフランスの密かな誘いに応える。
「遠慮させてもらいます」
「そうか、相手がいるか」
「えっ、まさかそれも」
「あんた今目に拒むもの見せたからな」
 フランスはそうしたところも見ていた、流石と言うべきか。
「わかったよ」
「凄いですね、そこまでおわかりなんて」
「こうしたことはわかるんだよ」
 右目をウィンクさせて言う。
「総統さんの戦術はわからなかったけれどな」
「あの人はまた特別では」
 レーティアに関してはだ、クーもこう言う。 
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