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NARUTO -もう一人のうちは-

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第3話 初実戦(ファーストバトル)

「あいつ火影火影うっせーな~。アカデミーん時からああだったっけ ?」

「うん…。でも彼は本当に火影を目指しているんだと思うよ…」

「はぁ ? テメェら何言ってんだ ? 火影になるのはこのオレだろ ? だらしねえ男が火影になるよりオレがなった方が百倍いいぜ !」

マヤも目指しているものは火影らしい。
確かにマヤなら頼りがいもあるかもしれないが、彼女が火影になった後、男たちが日夜東奔西走させられている光景を浮かべると少しいても立ってもいられないなぁなんて想像するダンテであった。

「んま、そんなことより、いやぁ~、観光大使の護衛かぁ~。観光大使って、美人のお姉さんなんだよなぁ~。お前は俺が守る…。やっべぇ~。俺超かっけぇ~ ! 後~、湯の国の宿の女将さんも結構美人が多いんだよなぁ~。俺を待ってる女の子が多すぎて困っちゃうぜ !」

移動途中もチャラさ全開のラオ。
彼の頭の中には女の子と仲良くなることしか本当にないようである。

「きめ~んだよ ! その汚れた妄想今すぐやめろ ! 下衆野郎 !」

「マヤちゃんはツンデレだなぁ~。俺的には~、デレの割合を増やしてほし…ゴフッ」

マヤの正拳付きがラオの鳩尾に綺麗にヒットし、おぅぅと腹をかかえて倒れこむ。この光景はダンテにとってスリーマンセルができてからしょっちゅう見るものとなっていた。


「ははは… ! マヤ危ない !」

「えっ、ちょっ !」

ダンテはいち早くマヤに向かって急に飛んでくるクナイに気づき、マヤを押し倒してなんとかクナイを避ける。

「おい ! てめぇまでそういう類だったのかよ !」

「違うって ! クナイが急に飛んできたから…」

「… なんだと ?」

「マジッスか ! 奇襲とか超パネェッす !」

「みんな、気をつけろ ! 敵はすぐ近くにいる !」
ヤマトはほかの3人に注意を促す。
湯の国に向かう道中、謎の敵からの奇襲を受けた4人は臨戦態勢に入る。敵はどこから来てもおかしくない。4人は全神経を研ぎ澄まし、次の攻撃に備える。その中、ダンテは一回瞼を閉じ、数秒経ったら瞼を力強く開けた。ダンテの瞳に黒い勾玉模様が二つ浮かび、目は赤く光りだす。うちは一族に伝わる血継限界、そして三大瞳術の一つ、写輪眼である。ダンテは写輪眼を使い、敵の把握に力を入れる。

「ラオ、後ろ !」

今度はラオの背後から起爆札付クナイが飛んでくる。だが、ダンテの指摘により早く気付いたラオはクナイを取り出し、それを飛んできた方向へ弾く。しばらくして起爆札が爆破。草むらから忍と思われる者が道に出てきたのであった。

「ふぅ~、流石うちはの写輪眼だな~。洞察力が超パネェ~。サンキュー ! ダンテ」

「うん… ! 敵はどうやら複数いるらしい…」

ダンテ達の目の前に草むらから次々と忍と思われる者が現れ、ダンテ達を囲む。
彼らは全員ガスマスクみたいなものを付けていて、黄色い服を着ている。誰かに雇われている下っ端の忍といったところだろう。

「どうしましょうか、ヤマト先生…」

「どうするも何もさ~、ここはさ~」

「全員、ブッ潰す !」

「どうやら、それしかないみたいだね。だけど無理はするな」

こうして、ダンテ達は初めての『忍同士』の戦いに身を投じていったのであった。

「俺を軽い男だとなめてもらっちゃぁこまるッスなぁ~。行くぜ ! カメラ忍法、写実幽閉の術 !」

ラオは敵の攻撃を次々とかわしながら首からぶら下げてあったカメラを構え、できる限りの人数を範囲におさめ、シャッターを押す。眩いフラッシュと共にカシャッという普通に写真を撮った時と何ら変わりない音が響く。だが、ラオが行ったこの行為はあくまで忍術である。唯の写真撮影とは非なるものである。

「おぉ、結構みんな『捕まってくれた』~。へっチャラだぜ~」

ラオの『撮影』を受けた忍達が次々と地面に倒れ伏す。彼らは気絶しているようである。これをみたヤマトは何か思い出したような表情を浮かべる。ラオの術に見覚えがあるようであった。

「成程。これが麦旗一族に伝わる秘伝忍法、カメラ忍法か。生で見るのは初めてだ。今の術は撮影範囲に入った者全員を幻術に陥れる術か…」

「そうッスよ ! 麦旗一族はカメラを忍具とした幻術がお家芸なんスよ。今の写実幽閉の術はヤマト先生のいう通り、撮られた人たちを幻術にかける術なんス ! かけられた人が言うにはどうやら『本当に写真に閉じ込められた』感覚がするらしいッス ! どうッスか。ヤマト先生 ! 俺のカメラ忍法、パネェっしょ !?」

―――――写実幽閉の術
撮られた者をまるで写真のような幻術空間に陥れる術である。
写真といえば、背景、もの、人が大体写っているものが多いが、写実幽閉はそのような空間に撮られた者を閉じ込める術である。『撮影』されたものは撮影範囲以外の空間が真っ暗な空間に閉じ込められ、いくら走って逃げようとしても周囲の背景などがまるで追っかけてくるように術をかけられた者から『離れようとしない』。まさに、写真の中に閉じ込められたような感覚がするのだ。だが、術にかけられた者はその『真っ暗な空間』を認識することができない。いくら自分が移動したところで視界が変わることは一切ない。そんな術である。

「ッ ! 木遁の術 !」

『ぐぁぁっ !』

術が成功して浮かれているラオを背後から討とうとしてきた忍達をヤマトは木遁の術で、手の平から木を現出させ、返り討ちにした。

「こら、術が成功して嬉しいのは分かるけど、浮かれていたらすぐにああいう風に隙を突かれることもある。肝に銘じてほしい」

「あ、ありがとうございます…」

ラオが急にかしこ参ったような態度を取り始める。ヤマトの言う事がよっぽど響いたのかチャラい口調が消えていたのだ。そして、ラオはヤマトにただの忍には持っていないような何かを持っているような気がしていた。

「(ヤマト先生、オレ達と何か次元が違ぇ…)」

一方、マヤは女の子とは思えないような大胆な動きで敵を圧倒する。
マヤは体術に長けていて、戦闘では主に体術を用いる。だが、彼女が用いる体術は他の体術とは大いに異なるものであった…。

「テメーら ! 泡吹く準備はできてっかぁ !?」

マヤは両手を開き、両腕を前につきだし、右足を前に構える。

「いくぜぇ ! 十二神体術奥義 ! 其之一 ! 毘羯羅(びから) !」

突如マヤの両腕にオレンジ色のオーラが纏わりつく。
腕にチャクラが行き渡ったのを感じたマヤは一回姿勢を低くし、そして左足を蹴って猛スピードで敵に接近する。マヤは敵に常人では視認不可能のような速さで次々と拳を入れていく。マヤはまるで10本、或いは18本の腕を振り上げているかのような動きの速さをしている。敵はドミノ倒しの如く次々と地面に伏していく…。

「オラオラオラオラオラオルァー !」

「(これが、亜鞍一族の十二神体術奥義…。あと11個奥義があるのか…。恐ろしいものだ…)」

―――――十二神体術奥義

これは亜鞍一族に伝わる秘伝体術奥義である。全てを会得するのは相当難を強いる。其之一から其之十二まであるが、現時点でマヤが会得しているのは其之二までである。
ダンテ、ラオ、ヤマトの3人はマヤの技を初めて見るが絶句する。

「(マヤさんやっぱり怖い…)」

「(決めた。俺こいつをナンパするのもうやめよう…)」

「(十二神体術奥義か…。後11もの奥義があるということか。流石は亜鞍一族といったところだ。下忍であれ程の技を出せるとは…)」

そして、ダンテもラオ、マヤ、ヤマトに続いて次々と敵をなぎ倒していく。
写輪眼で相手の動きを見切り、無駄な動きが一切ない攻撃で確実に敵を仕留める。そして、ダンテもついに持ち技のベールを脱ぐ。
ダンテは下忍とは思えないようなスピードで印を結んでいき、最後に寅を結んだところで、

「火遁・豪火球の術 !」

ダンテは思いっきり空気を吸い、一気に大きな火の球を吹きだす。暫くして敵は丸焦げになり、黒い煙が湧き上がっていた。

「(火遁・豪火球か…。普通の下忍では扱えないような術を…。うちは一族…。さすがは六道仙人の血筋、うちはマダラが創始しただけある…)」

ヤマトが改めてうちは一族の実力を感じた後、敵から情報を聞き出すため、

「木遁・四柱牢の術 !」
すると倒れ伏した敵の周りの地面から木が勢いよく突出し、牢獄を形作る。
倒れた敵全員を木の牢獄に閉じ込めるのだが…


















「ほーぅ、これはこれは面白い。そこのオッサン、木遁忍術を使うとはな」

「その額当てからして、お前ら全員木の葉隠れの里の忍か」

突如木の上に二人の忍が現れる。
一人は金髪でブーツを履き、黒のタンクトップに緑のズボンを着た身長が190センチくらいある大男、もう一方は小柄で赤の半袖に白いズボンを着た茶髪パーマの男である。だが、この二人の忍は先程戦ったしたっぱの忍とははるかに違うレベルの忍であることをダンテ達は後に思い知らされることになる…。
 
 

 
後書き
やっと、戦闘部分の話を投稿することができました。
誤字、脱字等ありましたら、自分でも定期的にチェックしていきますが、報告していただけたら幸いです。 
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