ヘタリア大帝国
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TURN105 スカーレット=東郷その四
「だからだ」
「わかりました、それでは」
「数は互角にした」
艦艇の数までだ、それならである。
「後は艦艇の質もあるが」
「将兵、特にですな」
「指揮官の質だ」
それが大きく影響するというのだ。
「それで勝つ」
「では作戦会議通り」
「攻撃を仕掛ける」
こう言ってそうしてだった。
枢軸軍の十個艦隊は海賊達に正面から突っ込む、そして。
細かい戦術を抜きにしてビーム攻撃を浴びせる、それに対して海賊達も攻撃を仕掛けてきた。
派手な撃ち合いになった、その中でまた言う東郷だった。
「さて、はじまったが」
「それではですね」
今度は日本がモニターから応える。
「次は」
「鉄鋼弾だ」
「それも正面からですね」
「横にはそれない」
それも全くだというのだ。
「何があろうともな」
「あくまで正面からですか」
「同じ数でそれをするとだ」
「相手もですね」
「正面から向かうしかなくなる」
下手な小細工が心理的に出来ないというのだ。
「特にスカーレットならな」
「スカーレットは正々堂々としていたからな」
アメリカも彼女のことは今でもよく覚えている、それで言うのである。
「正面から同じ数や体格で来られるとな」
「滅多にないことだがな」
「そうだ、向かう」
そうなるというのだ。
「だからな」
「実際同格の相手が一番戦いにくいあるよ」
中国もモニターに出て来て言う。
「そこをどうするかあるが」
「その場合は完全に倒すしかない」
東郷はまた言った。
「正面から力でな」
「それでは今は」
「このままいくか」
「力と力あるよ」
三国も東郷に応える、そして。
今度は鉄鋼弾同士のぶつかり合いになった、まさに力と力のぶつかり合いだった。
彼等はそのまま殴り合いを展開した、それを何度か繰り返し。
ダメージは大きかった、しかしここはだった。
「海賊の方が損害が大きいですね」
「予想通りな」
枢軸軍もかなりのダメージを受けている、だがそれでも。
海賊達は致命傷だった、それは。
「海賊のはじめてのダメージのうえにだ」
「はい、戦力の殆どを失わせました」
「やっと勝ったか」
「そうですね、この二ヶ月の間やられっぱなしでしたから」
「しかしこれならだ」
レーティアが考えたこの戦術ならというのだ。
「勝てるな」
「こちらのダメージも大きいにしても」
「肉を切らせて骨を断つだ」
東郷はここでこの言葉を出した。
「この戦いはな」
「それしかないですね」
「勝つ為にはな」
軍人としての至上命題、それを果たす為にはというのだ。
「それもだ」
「必要ですね」
「今はその時だからな、ではだ」
「はい、それでは」
「このまま攻撃を続ける」
ダメージをあえて考慮せずにというのだ。
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