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ヘタリア大帝国

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TURN105 スカーレット=東郷その三

「御飯は食べきれないだけあることがいいニダ」
「その通りなんだぜ」
「山下さんはそうしたことが特に嫌いみたいニダが」
「陸軍全体がですね」
 福原は彼女だけのことではないと話す。
「何かを粗末にするという様なことは嫌いです」
「特に食べ物をニダな」
「はい、お金のこともですが」
「そうニダな」
 韓国達もこのことはよく知っている、何しろつい最近まで日本帝国にいて陸軍には何かとよくしてもらったからだ。
「凄く優しい人達ニダがそうしたところは凄く厳しいニダ」
「特に山下さんは凄いんだぜ」 
 韓国は唸る様にして言う。
「食べる量は多いけれど粗食で無駄にしないんだぜ」
「そうですね、麦飯や稗飯ですし」
「おかずも質素なんだぜ」
 韓国が今用意したものとは比べものにならない。
「あそこまでの人はいないんだぜ」
「私もそう思います」
 福原もこのことは同感だった。
「今も大和に乗り込まれていますが」
「やっぱりいざという時なんだぜ?」
「はい、接舷切り込みに備えられて」
 それでだというのだ。
「乗り込まれています」
「それで食べるものは何なんだぜ?」
「麦飯のお握りかと」
 それではないかというのだ。
「陸軍らしく」
「ううん、やっぱり凄いんだぜ」
 韓国は山下のその質素さ、粗食に唸っていた。
「俺はいつも腹一杯ご馳走食って残るけれど全く違うんだぜ」
「残さなければいいかと」
 これが平良のアドバイスである。
「そうされては」
「ううん、考えてみるんだぜ」
 これが韓国の食文化なのであらためることは難しい、だが考えることは考える彼だった。
 その山下は実際に大和に乗り込んでいる、そのうえで。
 戦いの時を待っていた、艦橋で東郷に対して言う。
「若し接舷した時はだ」
「ああ、その時はか」
「任せろ、即座に切り込みだ」
 そしてだというのだ。
「成敗しよう」
「頼むな、やはり肉弾戦では陸軍さんだからな」
「己の責は果たす」
 強い声での言葉である。
「必ずな」
「それではな」
 こう話してそうしてだった。
 山下は何時出撃してもいい様に身構えていた、既にその手には刀がある。
 大和は軍の先頭にいる、そこからだった。
 敵を見るとその先頭には。
「向こうも敵の旗艦が陣頭だな」
「はい、そこにいますね」
 秋山も敵の布陣を見て応える。
「どうもあの布陣は」
「わかるか」
「やはりスカーレットさんのものですね」
 彼女のものだった、秋山から見ても。
「それでは」
「スカーレットとは何度も模擬戦闘をしてきた」
 それならというのだ。
「相手に出来る」
「そうですね、それでは」
「全軍このまま正面から突撃を仕掛ける」
 東郷は全艦隊に命じた。
「いいな、正面からだ」
「同じ数での殴り合いということか」
 マンシュタインがモニターに出て来て問う。
「そういうことですな」
「そうなる、スカーレット相手に下手な戦術を仕掛けても意味がない」
 彼女がわかっているからこその言葉だ。 
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