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FAIRY TAIL 友と恋の奇跡

作者:紺碧の海
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第154話 『光の道』

 
前書き
はいど~も~!!07で~す!!
今回はショールの元に2通の手紙が届いた。その内容はとても悲しい事だった・・・
ショール目線で書いていきます。
それでは、第154話・・・スタート!! 

 
俺はトーヤと一緒に並んでコーヒーとお茶を飲んでいる。周りは朝から酒を片手にどんちゃん騒ぎ中。初めて見る人には、この光景に目を見開くと思うが、俺にはすでに日常的な光景だった。俺がギルドに加入してからもうすぐで2年が経つ。『時』というものは永遠に進み続ける。止めたくても止まらない。そんな『時』の中では、嬉しい事や楽しい事、辛い事や悲しい事が日に日にたくさん起きる。それはまるで、『塞翁が馬』だ。





この時も、俺は自分に襲い掛かる悲劇に、まだ気づきもせず、予想もしていなかった・・・





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ウェ「あっ!ショールさん!」

いつものようにギルドのテーブルでコーヒーを飲んでいるとウェンディがシャルルを抱いてこっちに来た。

ウェ「さっき、ミラさんがショールさんの事を捜してましたよ。」

ショ「ミラが?」

シャ「何か手紙みたいなものを持ってたけど。」

ショ「そうか。ありがとう。」

俺はウェンディとシャルルに礼を言って、椅子から立ち上がりミラがいるカウンターまで行った。ちょうどミラはお皿を拭いてるところだった。

ミ「あっ!ショール!」

俺の姿を見つけると、ミラは大きな青い瞳を輝かせて笑った。

ショ「ウェンディから聞いて、俺を捜していたみたいだが・・・?」

ミ「そうなの。あなたに手紙が届いてるわよ。しかも2通!」

そう言ってミラは白い封筒と、少し黄色く色褪せた手紙を俺に渡した。俺は今まで手紙をたくさん貰った事がある。その約9割が、俺を見て一目惚れをした見知らぬ女の子だ。だが、俺はエルザ以外の女の子には興味はない。貰った手紙は悪いけど一度も読まずに全て捨てている。こっちの色褪せた手紙は解らないけど、こっちの白い封筒の手紙は、たぶんまた見知らぬ女の子だろう。



だが、そう思った俺が間違っていた。



ショ「えっ!?」

手紙の裏を見てみると驚いた。黒ペンで

『ショール・ミリオンへ   ミキ・シャフル』

と書かれていた。読者の皆は覚えているか?以前、妖精の尻尾(フェアリーテイル)に「シラカバの街を街荒らし救ってほしい」と頼みに来た俺の幼馴染のミキだ。俺は色褪せた手紙の裏も見てみる。が、手紙には

『ショールへ』

と書かれているだけで、送り主の名前は書かれていなかった。少し疑問に思ったが、俺に届いた手紙なのには変わりは無いのでありがたく受け取っておく事にした。俺は貰った手紙を1人で読む為、ギルドでは読まない事にした。手紙がくしゃくしゃにならないよう気をつけながらベストのポケットに入れる。それを見ていたミラが、

ミ「あら?ここでは読まないの?もしかして、エルザ以外の恋人からの手紙かしら♪」

ショ「えぇっ!?な、何言ってるんだよミラッ!!」

慌ててミラの口を塞ごうとしたが時すでに遅し。今までどんちゃん騒ぎをしていた皆の視線が俺に集まっている。そして、

マカオ「流石ショールッ!イケメンはやっぱ違うなぁ~!」

ワ「エルザ以外の女から手紙が届くのも当たり前だもんなぁ~!」

ショ「ちょっ!勘違いするなってっ!」

酒を飲んだせいか、すこし赤みを帯びて酔っ払っているマカオとワカバが俺の肩を抱く。しかも、恐ろしい事にワカバの声が運悪くエルザの耳にも聞こえたようで、真っ黒なオーラを放出しながらエルザが黒いブーツの踵をカツカツ鳴らしながらゆっくりと俺に近づいてきた。皆肩を竦めてエルザからそっと離れる。マカオとワカバも俺を解放してエルザから離れる。俺はエルザのあまりの恐ろしさに足が竦んで逃げる事が出来なかった。

エ「ショール、手紙を貰ったっていうのは本当か?」

その声は怒ってるよりも、やきもちを焼いてるように聞こえたのは俺だけだろうか・・・?俺は恐る恐る、

ショ「あ、あぁ。で、でも、送り主はミキからだ。エルザも覚えてるだろ?街荒らしの時の・・・」

そこまで言うと、エルザは笑顔になった。

エ「そうか。ミキからか。友からの手紙は嬉しいからな。」

そう言うと、鼻歌を歌いながら、

エ「ミラ、チーズケーキを頼む。」

ミ「は~い♪」

スキップしながら窓際の席に座った。するとマカオとワカバが俺に近づいてきて、

マカオ「お、お前もエルザに嘘をつくの上手くなったもんだな・・・でも、気をつけろよ。」

ワ「あいつに嘘をついた事がバレルと半殺しは確かだぜ。うぅ!考えただけで恐ろしいぜ・・・!」

小声で耳打ちしてきた。い、いや、そもそも嘘じゃなくて、本当なんだけどな・・・

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家に帰ると、俺はコーヒーを白いカップに注ぐと、それを持って自分の部屋に行き椅子に座った。机の上には、俺が幼い頃にじいちゃんと撮った写真と、ジャック、ミキ、フォアン、ジスト、チンク、リンと一緒に撮った写真が飾られている。懐かしいなぁ~。俺はまずミキからの手紙を読む事にした。開けると、ミキのホログラムが浮かび上がった。以前会った時より、灰色の髪の毛が伸びている。

ミキ『ショールへ。元気ですか?私もジャック達や街の人達も元気です。あの日からシラカバの街は平和で穏やかに過ごしているから大丈夫だよ。魔道士としての修行はどうですか?ショールが妖精の尻尾(フェアリーテイル)に加入してからもうすぐで2年が経つね。『時』が進むのがすごく早く感じるよ。』

ショ「ふっ。」

俺と似たような事を言ってるから俺は少し可笑しくて笑った。すると、さっきまで笑顔だったミキから笑顔が消えた。逆に、暗く、悲しい顔になっている。

ミキ『・・・実は、今回手紙を書いた理由は、ショールにすごく悲しい話を伝える為なの。今から話す事は全て事実だから、受け入れられなくても、信じて、ね・・・・』

ショ「・・・・・」

俺の額から冷たい汗が一筋流れ落ちた。










ミキ『・・・セイヤさんが・・・ショールのおじいちゃんが、亡くなったの・・・』










ショ「・・・は・・・・?」

じ、じいちゃんが・・・死んだ・・・・?俺は頭の中が真っ白になり、その場に倒れそうになった。慌てて傍にあったコーヒーをがぶ飲みして心を落ち着かせる。

ミキ『3週間前に、突然街中で倒れて・・・急いで病院に運んだら、「脳出血」って言われたの・・・』















脳出血・・・















この言葉が俺の頭の中をぐるぐる回る。

ミキ『私とジャック達は、毎日病院にお見舞いに行ったんだけど・・・』

俺は未だに、ミキの言葉が信じられなかった・・・

ミキ『セイヤさんは、『ショールには、絶対に言わないでくれ』って・・・』

ホログラムのミキの声も震えていた。何で・・・何でだよ・・・・じいちゃん・・・・・!じわじわと涙が溢れてきた。

ミキ『そして、1週間前に亡くなったの・・・セイヤさんは、『自分が死んでから、ショールに伝えてくれ』って・・・』

・・・意味が、解らない・・・・何で、何でじいちゃんは・・・俺に何も、言ってくれないんだよ・・・・!

ミキ『セイヤさんが亡くなる前に、『この手紙を、わしが死んでから、ショールに届けてくれ』って言われたの。それが、セイヤさんの最後のお願いだったわ・・・その手紙が、一緒に届いたはずの黄色く色褪せた手紙だよ。私もジャック達も、その手紙の中身は知らないわ。』

俺は震える手で、黄色く色褪せた手紙をそっと触る。

ミキ『黙ってて本当にゴメンね。いつかシラカバの街に遊びに来て、セイヤさん・・・ううん、ショールの場合はおじいちゃんだね。おじいちゃんのお墓参りに来てね。それじゃあ、また会う日まで・・・』

ミキのホログラムが消えた。読み終えた手紙に、涙がこぼれ、丸い小さな水滴が染み込む。

ショ「うぅ・・あぅ・・・じ、じいちゃん・・・ひっ・・・・」

俺のたった1人の血が繋がったじいちゃんが死んだ。涙が止まらなかった。俺は残っていた冷めたコーヒーを喉に流し込む。・・・あまり気分は晴れない。俺は椅子から立ち上がると、じいちゃんの手紙を読む前に2杯目のコーヒーを淹れに行った。

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悲しみに心が沈んでいたせいか、俺はコーヒーと紅茶を間違えて淹れしまった。以前のルーシィの逆パターンだ。捨てるのももったいないから、俺は仕方なく紅茶の入ったカップを持って椅子に座った。そして、色褪せたじいちゃんの手紙を手に取る。開けると、封筒と同じ色に黄色く色褪せた紙と、白い紙が入っていた。どうして手紙が2枚入っているんだ?白い紙の方は、最近に書かれたみたいだ。黄色く色褪せた紙を開くと、

ショ「!!?」

紙には墨で書かれたアリみたいな小さい文字が縦書きにびっしり書かれていた。しかも、

ショ「よ・・読めない・・・」

古代文字のような解読不明の文字で書かれていた。レビィなら読めるかもしれないな。今度お願いしてみよう。俺は白い紙を開くと、この世界にはもういない、じいちゃんのホログラムが浮かび上がった。

セ『ショール、元気にしておったか?』

久々に聞くじいちゃんの声が妙に懐かしくて、悲しく感じた。またじわじわと涙が溢れてきた。

セ『お前がこの手紙を読んでいるという事は、わしはすでにこの世にはいないという事だな。』

そんな事、手紙で言うなよ・・・

セ『死んですぐにこんな事を言うのもなんだが、ショール、今から話す事はお前にとって重要な事だ。しっかり耳に叩き込んでおけ。』

俺は唾をゴクリと飲む。また額から冷たい汗が一筋流れ落ちる。










セ『お前の『予知』能力は、わしから受け継いだものだ。』










ショ「え・・・?」

な、何で、じいちゃんが、俺が『予知』を使える事を知っているんだ・・・?しかも、その『予知』が、じいちゃんから受け継がれているって・・・・

セ『お前が見る『予知』は、『光』の者にしか見えない。『闇』の者は見る事が出来ない。』

『光』の者・・・?

セ『封筒の中に、黄色く色褪せた紙が入ってただろ?それはお前やわしが見える『予知』の事が15に区切られて書かれている紙だ。大事な事だけをまとめて簡潔に簡潔に説明すると、この『予知』はミリオン家に代々受け継がれていて、『光』の道へ進んだ者にしか見えるが、『闇』に進んでしまった者は見る事が出来ない。『予知』は大切な仲間が危険な時に見える。そう書かれている。つまり、『光』の者であるわしやショールは『予知』が見えるが、『闇』の者であるお前の父さんにはこの『予知』が見えないという事だ。』

俺の父さんは、闇ギルド、悪魔の計画(グリモアプラン)に加入してたからな。途中で抜け出したけど、仲間に裏切られ者として母さんと一緒に殺されたもんな・・・微かに、右腕にある『記憶の傷跡』が痛み、俺は左手で『記憶の傷跡』を押さえ付けた。

セ『この『予知』は大切な仲間が危険な時だけに見える特殊な能力だ。』

そこまで言うと、もうこの世にはいないホログラムのじいちゃんは鮮血のような赤い瞳を少し細め、小さく微笑んだ。

セ『ショール、仲間を大切にし、正しき心を抱いて、『光の道』を歩んで行けっ!それが、わしからの最後の願いだ。』

手紙を持っている手が小刻みに震える。

セ『お前の未来はこれからだ。自分を、仲間を信じ、頑張るのじゃぞ。元気でな・・・』

じいちゃんのホログラムが消えた。

ショ「じいちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!」

俺はじいちゃんからの手紙をくしゃくしゃになるまで握り締め、その場に泣き崩れた。 
 

 
後書き
第154話終了ですっ!!
あのぉ~・・・思ったんですが、今までのFT友恋のお話で死んじゃう人多くないですか?(←自分で書いてるんだろ。)今まで死んじゃった人を数えると・・・なんと14人ッ!!(たぶん。)何てシリアスなお話なんでしょう・・・
次回はとある方からアドバイスしてもらい、いつもと違う組み合わせでいきたいと思いますっ!
それではSeeyou!! 
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