仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第九十八話 黒幕登場事件その二
「そうしたらほんまにすぐに着いたわ」
「有り難い能力っス」
二人は上機嫌で瞬間移動的に来られたことを喜んでいた。何しろ彼等にしても命がかかっているから必死だ。
それでだ、ヴァれンティーノがロレンツォに持ってもらったうえで家の玄関のチャイムを鳴らした。
「おはようであろーー」
「梓ちゃん、保育園に行きましょう」
「はい」
ロレンツォも呼んだ、すると出て来たのは若葉だった。
だが、だ。すぐにスーツを着た荻野が彼女の前に出て来て護りガードをしながらこう言った。
「油断するな、何時相手が来るかわからない」
「えっ、けれど誰かチャイムを」
「これまで通りシェルターに入っておくんだ」
家の地下室、そこにだというのだ。
「いいな」
「ううん、それじゃあ」
若葉はおっとりとした様子で家の中に戻った、そしてだった。
彼女が家に戻ってからだ、荻野は一旦家に戻ってから梓を連れて来て言った。
「じゃあ今から行くか」
「皆で行くんだよね」
緒方がこのことを問うた。
「そうだよね、保育園まで」
「念には念を入れてな」
「何か首相の警護みたいだね」
「何か不都合があるか」
真顔でだ、荻野は緒方のやり過ぎではないかという言葉に言い返した。
「梓に何かあってからじゃ遅いからな」
「君だけで十分だと思うけれどね」
「だから念には念を入れてだ」
またこう言う彼だった、あくまで引かない。
「全員で護る、いいな」
「極論すれば梓ちゃんだけでもいけるやろ」
ノアも梓の戦闘力を知っていてこう言うのだった。
「そう思うけれどな」
「けれどこうなった警部さんは止まらないから」
だからだとだ、ステラは諦めていた。そのうえでだった。
全員で進む、そしてでだった。
彼等は全員で梓の周りを固めながら保育園に向かう、梓は荻野が背負ってそのうえでガードしている。その彼を見てだ。
左は首を捻って緒方に言った。
「凄いな」
「親バカぶりがっていうんだね」
「ああ、前から気付いていたけれどな」
それがかなりだというのだ。
「ここまでくるとな」
「普段は極めて優秀な刑事なんだよ」
しかも不死身なまでに頑丈だ、敵はないと言っていい。
だが、だ。それでもだというのだ。
「梓ちゃんにはこうだからね」
「徹底してるな」
「ある意味においてね。それじゃあね」
「ああ、とにかくな」
「梓ちゃんを保育園まで送ってね」
そしてだというのだ。
「後はね」
「帰りだな」
「うん、行きがあれば帰りがあるからね」
このことはどうしてもだ、片道切符ということもあるが普通は行けば帰らなくてはならない、それでなのだった。
「そっちもね」
「じゃあ今は送ってな」
「そう、帰りもね」
それもあるとだ、緒方は軽い口調だが確かに現実を話した。
その話を聞いてだ、項垂れるのは洋だった、彼はうわ、という顔になってそのうえで圭達にこんなことを言った。
「梓ちゃんは今日は病気ってことでな」
「お家にっていうんですね」
「これでいいんじゃないか?」
家の中で護ればいいだろうというのだ。
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