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とある碧空の暴風族(ストームライダー)

作者:七の名
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ニシオリ信乃過去編
  Trick-13_なんかバッテン3つに縦棒3本になってるけど




「・・・・・・ぁ」

目を覚ました時、そこは知らない天井だった。

奴に無限の空 (インフィニティ・アトモスフィア)を直撃させた。

そして直撃させてバラバラになった奴を見た後の記憶がない。

見える天井は清潔感のある真っ白なものだ。

天井だけではない。部屋全体が白に統一されている。

俺の口は酸素供給機に繋がれている。眠っているベットの横には心電図、そして点滴。
誰が見ても分かる病室であり、怪我人は俺だった。

なんか、前の事を思い出す。戦場で偶然にもローラ様を庇った後に目を覚ました時に来ている。

生憎、俺を付きっきりで看病をしてくれる人はいないみたいだ。まぁ当然か。

「おっす、しのっぷ! 元気かー!」

ちょっぴり湿っぽくなっていた気分を吹き飛ばすように、赤い何かがドアを蹴破って入ってきた。

「哀川、潤」

「おいおいオイオイ! 折角助けてやったのに私を苗字で呼ぶのか!」

赤い何か、あらため赤い請負人、人類最強の請負人、哀川潤が入ってきた。

「じゃあ、俺のことも、しのっぷ、って、呼ぶな」

前世で信長くんに言われていたあだ名。
それで呼ばれて良いのは俺じゃない。『僕』だ。

「そう無理してしゃべんなくてもいいぜ。
 なんせ私が見つけた時には瀕死だったんだからな」

それから哀川潤は、俺の現状を話しだした。



哀川潤は四神一鏡の氏神ジュディスから依頼されて信乃のいた施設に来ていたのだ。
施設の入口で宗像と一悶着あったらしいが、ここでは省略するらしい。なにがあったんだろ? ちょっと知りたい。
哀川潤は各階を調査(という破壊)をしながら階を下りていったそうだ。
最後の階で俺と駆動鎧の戦いでは、決着の直前に見つけたけど面白そうだからと手を出さずに見ていたそうだ。
オイ、助けろよ。いつもばあちゃんを自称しているなら助けろよ!

その返事を哀川潤は笑っていただけだ。

俺の攻撃で今の症状なんだぞ。

哀川潤はさらに笑った。こんな症状どころか、生死を6日間、つまり昨日まで彷徨ってたそうだ。

主に理由として全身の筋肉の断裂。全身打撲、全身の内出血とか。
起動鎧からの攻撃は内臓を少し傷ついただけだったから、この怪我は自分が原因だろう。

そう、自分の技。技と言うよりは能力。

脳基接続(ブレインコネクト)。そして発動させた技、無限の空

自分の体が耐えきれずに重症になったのだ。
諸刃の刃ってレベルじゃないぞ、これ。
俺が気を失わずに脳基接続を使い続ければ死んでたでしょ。

色々と反省をすることがありそうだ。

あと、哀川潤にもお礼を言わねばならない立場にあるが・・・・言わない。ただの意地だが。
でも哀川潤が俺を求めているわけでもないから、いつか貸しとして精神的に返していけばいいかな。

「そういえば、しのっぷ」

「俺をその名前で呼ぶな。呼ぶのは敵だけだ」

「人のネタぱくってんじゃねーよ。

 それはともかく、お前の眼、大丈夫か? なんかバッテン3つに縦棒3本になってるけど」

「は?」


つづく

 
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