仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第九十七話 幼女保護事件その八
「それならな」
「じゃあ罠といっても」
「他のならいい」
「いや、それならこれといって手段がないけれど」
「娘に何かあってはならない」
荻野はあくまで梓第一だった、若葉の身の安全が保障されたのならば今度は娘を守ることに全力を注ぐだけだった。
それで今もだ、あくまでこう言うのだ。
「俺の傍から片時も離さないからな」
「それならそれでいいな」
左は荻野の考えを汲んで確かな顔で言った。
「今はな」
「そうだね、それでいいね」
フィリップも左の意見に同意して頷く。
「今回はね」
「じゃあ寝て待ってればいいんだな」
洋はここでもあまりやる気のなさそうな顔で述べた。
「それじゃあな」
「寝るな」
荻野は会議室でも布団を出して敷こうとする彼に釘を刺した。
「今は会議中だぞ」
「そんなの気にしなくて寝てればいいだろ」
つまり果報は寝て待てというのだ。
「それじゃあな」
「待っていろと言っている、とにかくだ」
「今はか」
「寝ないで会議に参加しろ」
くれぐれもだ、そうしろというのだ。
「話はこれからだからな」
「仕方ないな」
「とにかくだ、梓は俺が片時も離れない」
その傍からだというのだ。
「わかったな」
「だからその娘を守る意味があるのであろーー」
このことはだ、どう考えても不要だというのがヴァレンティーノの意見だった。
「そこまで強いならドーパメントなぞものの数ではないであろーー」
「あっ、そういえばや」
亜樹子は荻野が実際に自分の席の横に座らせている梓が口を開いたのを見た、その口の中はというと。
「この娘もう歯生え揃ってるで」
「あれっ、まだ二歳にもなってないんだよね」
「二十ヶ月だ」
荻野がフィリップに梓の今の年齢を話した。
「まだな」
「じゃあ歯はね」
「生え揃う年齢ちゃうやろ」
「乳歯でもね」
「けれど今見たら生え揃ってたで」
既にだというのだ、そして。
梓はまた口を開いた、今度はフィリップもその口の中を見た、するとその歯は。
ギザギザであった、どの歯も。
生え揃っているだけでなくその尋常でない歯を見てだ、フィリップは亜樹子に対してこう言ったのであった。
「人間の歯じゃない様な」
「猛獣の歯やろ」
「うん、虎か狼かな」
猛獣といってもそこまでだというのだ。
「凄い歯だったね」
「あの歯っちゅうことは」
「歯はかなり影響するよ」
健康なり何なりにだというのだ。
「だからあの娘はね」
「ほんまに強いんやな」
「ひょっとしたら僕達より強いかもね」
フィリップはこの予想も述べた。
「ひょっとしたらだけれどね」
「生身でかいな」
「そんな気がするよ」
「一回見ればわかることだけれどな」
洋がそこを言う。
「まあもうすぐわかるか」
「戦力になるか」
「相当強いからな」
本当にそうだとだ、洋は照井にも話す。
「普通に大丈夫だろ」
「じゃああの人が過保護か」
照井も大体の事情がわかってきた。
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