問題児たちが異世界から来るそうですよ? ~無形物を統べるもの~
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ヒッポカンプの騎手 ①
「さて、騎手はどうしましょう?」
一輝がスレイブとデートしているころ、鳴央達は開会式前に騎手を決めていた。
決めるの遅いだろ。
「求道丸お兄さんは動き回るほうが得意だろうし、音央お姉さんも飛び回る戦い方だから、鳴央お姉さんか私かな?」
「私は、あの力を使う際に集中しないとなので、ヤシロちゃんに任せてもいいですか?」
「いいけど、鳴央お姉さんついてこれる?時速70キロ出るらしいけど?」
「一輝さんから、式神にした送り狼を借りています。」
便利性から、ブラック★ラビットイーターを式神にした後、一輝は送り狼も式神にした。
「なら大丈夫だねっ。私が騎手をやるよ!」
こうして、消去法で騎手はヤシロになり、そのまま十六夜たちの元に向かう。
余談だが、求道丸は精神統一と言って、スタート地点近くで座禅を組んでいる。
「ヤッホー、十六夜お兄さん!」
「ん?ああヤシロか。」
十六夜は、そのまま自分達のほうに向かってきた女性陣を見て、
「おう、三人も、中々にエロいぞ。」
「貴方、またそれなの?」
そう言いながら、親指を立て、飛鳥には呆れられていた。
三人の格好だが、ヤシロは一輝が可愛いといったワンピースタイプの水着、音央と鳴央はビキニタイプの水着だ。二人のFカップの胸はかなりの迫力である。
「イエーイ!」
「何で感想が一輝と一緒なのよ・・・」
「男性は皆そうなのですか・・・」
そして、ヤシロは十六夜にピースサインを返し、音央と鳴央は顔を真っ赤にしている。
「にしても・・・普段から思ってたんだが、六実姉妹ってホント似てるな。」
「あら、双子なんでしょう?当然じゃない。」
「いや、水着だから気付いたんだが、体つきも似すぎてないか?」
「眉毛の色から考えて、一卵性じゃないだろうし。」
十六夜に言われて、耀も二人を見比べる。
水着姿でじろじろと見られ、顔が赤いまま、二人は説明を始める。
「実は、私たちは元々同じ存在なんです。」
「“妖精の神隠し”チェンジリングって聞いたことない?」
「私は聞いたことないわ。」
「私も知らない。」
「俺は少しだけ知ってる。ヨーロッパの子供が入れ替わる都市伝説だったか?」
「そう、それ。私たちは元々はその都市伝説だったの。」
「私が神隠し、音央ちゃんが妖精でした。」
「で、私が箱庭に召喚するときに、ゲームのために二つに分けたんだ。懐かしいな~。」
そんな会話をしていると、黒ウサギが来てその水着について音央と鳴央以外の四人で弄り、黒ウサギが挨拶をしようとすると、雄たけびに邪魔をされ、白夜叉が悪乗りし、色々遠回りをしてようやく、白夜叉が開始を宣言した。
『それでは参加者達よ。指定された物を手に入れ、誰よりも速く駆け抜けよ!
此処に、“ヒッポカンプの騎手”の開催を宣言する!』
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「ア、奈落の穴!」
その直後、フェイス・レスが参加者達の水着を切り裂き始めたので、鳴央が慌てて奈落の穴を使い、盾にする。
「な、なんて恐ろしいことを・・・」
「でも、確かに有効な手ではあるよね。」
ヤシロの言うとおり、フェイス・レスの攻撃によって騎手の大半は自ら水中に飛び込んでいる。
「にしても、これが話に聞いていた奈落の穴ですか。素晴らしいです!ぜひ一度、立ち向かってみたい!」
「一瞬で神隠しにあうから、止めといたほうがいいわよ。」
求道丸はなんにでも立ち向かおうとするバカなので、いつか立ち向かい、神隠しにあうだろう。
「さて、予定通りでいいのかな?」
「ええ、それで」
『クッ、流石は我が仇敵が選んだ騎士ッ!血も涙もない冷徹なその判断力と、肌には傷を付けず水着だけを切り捨てる剣技ッ!宿敵の臣下なれど見事だと言わざるを得ないッつうかもっとやれヤッホウウウウウウウ!!!』
「「「ヤッホオオオオオオオオオオ!!!」」」
「・・・それでいくわ!春日部さんに付いていって!」
「了解!」
「分かりました、音央の姐さん!」
「いいですけど、あれをスルーなのですか?」
最近、一輝のスルースキルを身に付けてきた音央である。
ちなみに、トップ集団の順位は、一位、フェイス・レス。二位、飛鳥。三位、ヤシロ。四位~六位、二翼。といった形である。
そして、耀が進んだ道を四人も進み、どうにか声が届く距離につめる。
「耀お姉さん!私たちも来たよ!」
「え、ヤシロ?それに音央たちも・・・」
「いいから!こっちにグリフィスたちがいるんでしょう?」
「私たちは、あの方を倒すために参加しましたから!」
鳴央が簡潔に説明をすると、耀も一応納得する。
「分かった。私は飛んであいつらの前に行くから、音央はついてきて。他の皆はこのまま進んで、あいつらに追いついて!」
「「「「了解!」」」」
「妖精の羽!」
耀は光翼馬の具足を装着し、音央は背中から妖精の羽を生やして、飛んでいく。
残りの、鳴央、ヤシロ、求道丸はそのまま走って目標の元に向かう。
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