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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0411話

「魔法世界って火星らしいが……知ってたか?」

 その一言を聞いた途端、ネギの表情が固まった。
 仮死状態になった調をどうするかで多少揉めたが、結局はグレートパル様号に乗せておくことになった。一応オスティアの宿とかに預けておくという意見も出たのだが、何しろフェイト一味が取り返しに来た時に防ぎようがないという理由で却下された。
 仮死状態なんだし、永久石化光線で石像にされたリッチみたいに空間倉庫に入れられるんじゃ? という意見もあったので試してみたがそれも出来なかった。
 ……いっその事リッチの如く石像にしてしまおうかとも思ったんだが、現時点で石化を解除する方法がないというのでこれもまた却下となった。
 まぁ、人質として取引に使える可能性も考えれば石化が却下というのはしょうがないと言えばしょうがないんだが。
 で、調に関してはそのままにして色々と忙しかった為に伸ばし伸ばしになっていた情報交換をしていた訳だが……そこで、ふと千鶴が発見した魔法世界=火星というのを披露した所、ネギの表情が固まった訳だ。

「ネギ? どうしたの?」
「ネギせんせー?」

 神楽坂と宮崎が心配そうに声を掛けるが、ネギは相変わらず何かを考えているのだった。

「あー、取りあえず今日は遅いしそろそろ休むとしないか? 明日は予選が2試合あるんだし」
「……お前のその気楽さが羨ましいよ」

 何故か長谷川に呆れたようにそう呟かれるが、実際問題やる事がない以上は……いや、あるけど、現状ではどうしようもないというべきか。とにかくやる事がない以上は身体を休めて明日に備えるのが吉だろう。

「アクセルさん、これをどうぞ」

 差し出されたのは茶々丸の持っていた皿だ。その皿にはいつの間に作ったのか、大量のサンドイッチが載せられていた。

「今日は色々あって昼から何も食べていないとお聞きしましたので、ハルナさんからグレートパル様号の調理スペースを借りて作っておきました。皆さんもどうぞ」

 そう言い、その場の殆ど皆がサンドイッチへと手を伸ばしていく。
 ちなみに、ネギだけは未だに何かを考えているのか難しい顔をしていたのだった。
 まぁ、神楽坂と宮崎がネギ用にきちんと取り分けてあるので特に問題は無いだろう。
 こうして、オスティア祭1日目の夜は過ぎていくのだった。





『出たぁっ、噂のグリフォンドラゴンだぁっ! そして放たれるカマイタチブレスが蜘蛛の亜人であるスーリール選手と魔族のアシエ選手を吹き飛ばします! 気絶、両者気絶です! 予選Aブロック決勝戦、勝者アクセル選手!』

「ガアアアアァァァァアッ!」

 闘技場へと俺の勝利を告げるアナウンスが響き渡り、観客が歓声を上げる。
 オスティア祭2日目に行われた午前の1試合めに続く、Aブロック予選決勝戦。俺は試合開始早々グリを召喚して亜人と魔族の2人組をあっさりと気絶させたのだった。
 ……正直、物足りない戦いだった。勿論魔法世界中からそれぞれの代表が出てくるだけにその質が一定でないというのは理解していたつもりだ。だが、1回戦、2回戦共にキズクモの決勝で戦ったシルやラナよりも弱いとなるとさすがにテンションを保つのも難しくなってくる。
 正直、リュボースとの契約が無かったら旧オスティアの廃都にあるというポートゲートを探しに行くのに着いていった方が面白かったかもしれない。
 ちなみに旧ゲートポート探索組は早乙女、朝倉、相坂、長瀬、古菲、茶々丸、美砂、円の合計8人だ。何やら長瀬がネギと仮契約して出て来たアーティファクトがマントの中に家があって住めるようになっている状態だとかで、それ程運動神経が良くない面々もそっちに加わっている。
 尚、千鶴も能力的にそちらに参加するかどうか迷っていたようだが、今日の賭けで勝てば大河内、和泉、夏美の3人を奴隷から解放する為の資金が貯まるという事で、申し訳なさそうにしながらもこっちに残る事になった。

『噂のグリフィンドラゴン。それも突然変異の個体ですが、噂に違わず強力な個体でした。これにてアクセル選手は予選Aブロックの代表として本戦へと進む事になります。本戦にてどのような戦いをするのか……その底知れない実力に期待したい所です』

 アナウンサーの声を聞きながら、グリの召喚を解除して元いた場所へと戻してから闘技場から出て行く。
 すると通路では当然のようにリュボースが俺を待っていた。

「おめでとうございます」
「まぁ、あの程度ならな。実際、これならキズクモでの決勝の方がレベルが高かったぞ」
「そう言われると嬉しいですね。それはともかく、先程の放送でも聞こえていたように次からはいよいよ本戦となります。頑張って下さい」
「せめて戦い甲斐のある相手ならいいんだが……まぁ、契約は守るさ」
「そうして下さい。では、私は色々と用事がありますのでこの辺で失礼します」
「用事? 俺の書類がどうとかいうのはもう終わったんだろう?」
「はい。それは終わりましたが、このナギ・スプリングフィールド杯は魔法世界中から拳闘士や拳闘士団。あるいは闘技場を経営している者達が集まってきます。キズクモの闘技場を継ぐ予定の私としては、この機会に出来るだけコネを作っておかなくてはいけないので。何しろ、父に念をいれられてますし」

 なるほど、リュボースが俺のマネージャーとしてオスティアに来たがっていたのはそういう訳もあったのか。まぁ、俺には関わりないが闘技場の跡継ぎとしては当然なのだろう。

「分かった。俺も色々と用事があるからな。本戦の開始は3日後でいいんだな?」
「はい。では、お疲れ様でした」

 いつもの無表情でペコリと頭を下げてから足早に去っていくその背を見送り、俺もまた選手控え室で着替えていつものローブを身に纏い待ち合わせの場所へと移動する。

「あ、来た来た。おーいア……むぐ」
「アスナさん、少しは考えて口を開きなさい。……あら?」

 いきなり俺の名前を呼ぼうとした神楽坂だったが、その口を背後からあやかに押さえられる……のはいいんだが、何故か口を押さえたあやかが首を捻っている。

「どうした?」
「いえ、ちょっと違和感が……なんでしょう?」
「それを俺に聞かれても困るが。……それよりも賭けの方は?」

 あやかの様子に首を捻りつつも、その側にいるトレジャーハンター4人のリーダー格であるクレイグへと尋ねる。

「ああ。問題無い、2試合連続で勝って全部で124万ドラクマまで増えた。……さすがにここまで圧倒的な強さを見せつけると倍率が低くなってきたが、それでも目標の100万ドラクマを突破だ。おめでとさん」
「何とか予定通りの額が貯まったか……感謝する」
「よせよ、俺達だって自分の金をありったけあんたに賭けてボロ儲けさせて貰ってるんだ。お互い様だよ」
「だが、大人であるお前達がいなければ余計な揉め事に巻き込まれていた可能性が高いからな」
「……まぁ、それはあるかもな」

 ふいっとばかりに視線を逸らすクレイグ。その様子を見る限りでは、やっぱり何らかの揉め事に巻き込まれたりはしたらしい。

「とにかく、大河内さんや夏美さん、和泉さん達を解放出来る資金は無事揃ったのですから、後はネギ先生達の今日の試合が終わったらその足で奴隷解放に向かいましょう」

 あやかの言葉に、この場にいた他の面々も嬉しそうに笑みを浮かべる。
 それはいつもは我関せずとしている長谷川ですらも同様だった。

「……何だよ?」
「何でも無い」

 じっと見られていたのに気が付いたのだろう。顔を赤くしながらそう言ってくる長谷川に苦笑を浮かべながらも受け取った大量の金を空間倉庫へと入れていく。

「……便利だよな、それ。トレジャーハンターとしては是非欲しい能力なんだが。魔法か?」
「いや、俺の固有能力だな。それよりも100万ドラクマは大河内達の解放用に取っておくとして、残り24万ドラクマをネギ達に賭けてもう一稼ぎしておくか」
「……ちょっとがめつくない?」
「いや、実際問題金がないと色々と困る事も多いからな。稼げる時に稼いでおくのが一番いいんだよ。フェイト達と戦ってる時に金が足りなくて手が出せない、なんて事になったら最悪だろ?」
「それはまぁ、そうだけど。そもそもあいつ等と戦っている時に金が足りなくて手が出せないってどういう流れよ」
「例えば情報だな。情報屋とかから情報を買うにしても、それは当然無料で貰える訳じゃない」

 そういう風に神楽坂を言いくるめ、俺達はその24万ドラクマをネギへと賭けて50万ドラクマ程度まで増やすのだった。
 ……ちなみに、この資金は魔法球のようなマジックアイテムを買う時に使う資金だったりするのは神楽坂達には内緒だ。
 そしてネギと小太郎と合流し、さてこれからどうするかという時に小太郎が次の試合を見て気が付く。

「おい、ネギ。カゲタロウや」
「え? あ、うん!」

 小太郎の言葉に、急いで試合が見える場所へと向かうネギ。
 その名前に聞き覚えの無かった俺は小太郎へ視線を向ける。

「誰だ?」
「ほら、こいつがグラニクスで最初にインタビュー受けた時あったやろ。その時に強い奴はどんどん掛かって来い、みたいに言ってな。それで街中であいつに襲われて腕をちょん切られたんや」
「……随分とバイオレンスな活動をしていたんだな」

 まぁ、キズクモでの闘技場でも脚を太股からバッサリと切断されている奴とかいたし、そう珍しい話でもないのか。
 俺と小太郎、ネギ。そしてその場にいる殆どの視線が集まっている中でアナウンスが流れる。

『予選Dブロック決勝、南の門から入ってくるのはボスポラス代表のカゲタロウ選手です!』

 それにしてもカゲタロウ? どこかで聞いた覚えが……
 脳裏を過ぎったのは、俺以外にもソロで参加しているという人物がいるとリュボースに聞かされた事だった。

「あぁ、そう言えば俺の他にもソロで出場してる選手がいるって話だったが……そいつの名前がカゲタロウって言ってたな」

 視線を闘技場へと戻すと、そこには当然とばかりに1人で闘技場に立っているカゲタロウの姿が。なるほど、リュボースの言ってたのはこいつか。
 そう思った瞬間、アナウンサーの声が再び闘技場内へと響き渡る。

『これまでタッグ戦のナギ・スプリングフィールド杯を1人で戦って同じくソロ出場のアクセル選手共々話題を掠ってきたカゲタロウ選手。ソロでの出場はこれまでにも例がありましたが、2組がここまで勝ち残っているというのは非常に珍しいです。ですが、カゲタロウ選手。さすがにここから先を1人で戦い抜くというのは厳しいと判断したのか遂にパートナーをエントリー。その人物は伝説の傭兵剣士にして、自由を掴んだ奴隷拳闘士。そしてあの紅き翼の一員でもある……』
「……おい、これってもしかして……」

 アナウンサーの紹介に、小太郎が思わずそう口に出し……

『ジャック・ラカン選手です!』

 わああああああああああああああああああああああああああああ!
 さすが魔法世界の英雄と呼ぶべきなのだろう。ラカンが出て来たその瞬間、観客達がこれまでにない程の歓声を上げる。

「何やて!?」
「えぇっ!?」
「ちょっ、待て!?」

 小太郎、ネギ、長谷川がそれぞれの表情で驚きの声を上げる。
 そしてそれは本来のカゲタロウとの対戦相手である筈の相手も同じだった。
 まぁ、現実世界から来た俺達にはそれ程ピンとくるものがないが、魔法世界の者にとっては紅き翼という者はそれ程のビックネームなのだろう。
 ……俺も俺でナギ信者達から狙われた経験がある為にその熱狂度を知らない訳じゃないんだが。

「も、もしかしたらラカンさんの偽物とかだったりしないかなー、なんて思うんだけど……駄目かな?」
「あ、そか。その可能性も……」

 一筋の希望に縋るようにそう願うネギと小太郎だったが……試合開始直後に跳躍し、気で出来た拳を放って対戦相手2人を瞬殺したその様子を見ては、本物と認識するしかなかった。

「嘘やん……」
「小太郎君、どうしよう……」
「ネギ先生、小太郎もだ。とにかくあのおっさんの所に行って話を聞いてくるぞ!」

 長谷川がそう言いながらネギと小太郎を引っ張っていくのを、俺は見届けるのみだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:15
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊

撃墜数:392 
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