転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0410話
「こうなると、大会は出ないで旧ゲートポートの捜索に専念した方がいいのかな?」
飛行魚の中を進みながらネギが溜息を吐いてそう告げる。
ネギにしてみれば従者と言っても生徒達を巻き込むようなこの世界からはなるべく早く脱出して現実世界へと戻りたいが、父親の名前の付いているナギ・スプリングフィールド杯は諦めたくないと言った所か。
「あー……悩んでる所を悪いが、俺は大会を辞退するつもりはないぞ」
「え?」
「ちょっ、アクセル。お前もしかして賞金に目が眩んだとかじゃ……いや、お前に限って金に縛られるなんてないか」
長谷川の突っ込みを受け流しつつネギへと説明する。
「俺のマネージャーを覚えているか?」
「えっと……あの、無表情な人ですよね。のどかさんを助けて合流した後に飛行魚で来た」
「そう、そいつだ。俺はそもそもあいつと契約を結んでいてな。その契約内容がキズクモの代表拳闘士としてナギ・スプリングフィールド杯で勝ち抜く事な訳だ」
「でも、今はそれどころじゃ……」
「それはそうなんだが、だからと言って契約や約束を一方的に破ってもいいって訳じゃないだろう?」
「……確かにそうだけど……」
悩むネギを見ながら、こいつの生真面目さは魔法世界で2ヶ月近く経っても変わらないなとばかりに思わず笑みを浮かべる。
「まぁ、その辺はお前が自分で考えればいいさ。それよりもラカンを待たせてるんだろう? 早い所行った方が良くないか?」
「あ、うん。分かった。大会については僕もきちんと考えておくよ」
そう言いながら、ラカンが待っている甲板へと向かう。
そこでは待ちくたびれたのだろう。グースカと寝ているラカンの姿が。
「呼び出しておいて寝てんじゃねーっ!」
そんなラカンを見た長谷川のシャイニング・ウィザードが見事に決まり……ケロッとした様子で目を覚ますラカン。
「おう、来たか。遅いんでつい寝ちまったらしいな。……ん? お嬢ちゃん、どうした?」
「ケッ、何でもねーよ」
会心の攻撃だったのだろう、シャイニング・ウィザードが全く効果無しだったのがショックだったのか、ラカンではなく長谷川がいじけるのだった。
「で、わざわざ俺達を呼び出したのは何でだ? 何か見せたい物があるって話だったが」
「ああ、お前等はそっちの坊主と違って無関係だった筈なんだが……フェイトって奴に目をつけられているんだろう?」
「まぁな。おまけに奴の部下らしき存在を捕獲してしまったから余計にな」
チラリ、と長瀬に担がれている調へと目を向ける。
影によって目と耳と口を封じられた調は、周囲の様子を探っているのだろう。先程のように暴れもせずに大人しくしていた。
「へぇ、なかなかいい女じゃねぇか。俺の所に来た2人とは違って大人っぽいしな」
「そっちにもフェイトの部下が襲撃したのか」
「ああ。結構な手練れだったぜ? もっとも、俺とカモに掛かっちゃ赤子の手を捻るようなもんだったがな」
と、自慢気に呟くラカン。その隣ではカモが一仕事済んだぜ、とばかりに煙草を吸っている。……近衛が微妙な表情をしているのは気になるが、その辺は後で聞けばいいだろう。
「まぁ、アクセルに手を出したのが間違いだと思うで。少なくても俺ならアクセル相手に敵対したいとは思わへんし」
小太郎が深く溜息を吐きながら同情した様子で調へと視線を向ける。
かつての仲間の部下、という事で多少は気になるのだろう。あるいは京都で俺と戦った時の事を思い出しているのかもしれない。
「それはともかくだ。結局戦いに巻き込んでしまったからな。余り気は進まないが、奴等とやり合うっていうのなら正体くらい教えておかないといけないからな。俺の自主制作映画を用意しておいた」
『おいっ!』
シリアスな話の筈だったのに、突然ラカンが言い出した自主制作映画という事で即座に数名から突っ込みが入る。
ちなみに、俺のパーティからは円が突っ込み役に回っていた。
「まぁまぁ。そう怒るな。何しろ昔語りとかそういうのは苦手だからな」
そう言い、どこからともなく出した映写機のような物を使って映像を開始する。
……これもきっと魔法の産物なんだろうな。そう思いつつ、映像へと視線を向けるのだった。
紅き翼の戦記というタイトルロゴが流れ、ラカン、ナギ、詠春、アルビレオ、若い時の高畑と見た事の無い人物達が数人出て来る。
と言うか、EP1『旅立ちのラカン』となってるのを考えるとEP2とかもあるんだろうか。
そんな風に思いながら映像へと集中する。
ヘラスで紅き翼を仕留める依頼がラカンにされ、すき焼きをやっているナギ達へと襲撃を掛ける。13時間以上もの間ナギと戦い、引き分けてからも色々とあって最終的にはラカンはナギの仲間として紅き翼へと入るのだった。ヘラス帝国とMMの戦争が始まり、紅き翼が活躍して名を上げる。そして戦争を裏で操っている『完全なる世界』という秘密組織の影を見つけてオスティアの王女であるアリカと手を組む事になる。その後は完全なる世界についての調べを進めていき、MMのNo.2までもが完全なる世界の手の者だと判明する。そしてそれを証拠として協力者へと渡すが、その協力者は既に死んでおり、完全なる世界の者と入れ替わっていた。結局その場は退散する事になり、紅き翼は反逆者として手配される。そして捕まっていたアリカ王女とヘラス帝国の第三皇女を救出して態勢を整えて敵、味方を判別していきながら完全なる世界の本拠地を探り出す事に成功する。世界最古の都、王都オスティア空中王宮最奥部『墓守人の宮殿』へと攻撃を仕掛け、フェイトが成長したような相手を含む幹部を倒していく。そして全ての者達を倒したと思ったその瞬間、完全なる世界の本当の支配者である『造物主』が姿を現し、瀕死の状態の紅き翼の面々の中でナギとゼクトは力を振り絞って最後の戦いを挑み……勝利して凱旋をするのだった。
「ま、こんな所だ。大体奴等の正体が分かっただろう?」
「まぁな。にしても、完全なる世界か。また大仰な名前だな」
もっとも、大仰な名前という意味では俺達シャドウミラーもそう大して変わらないんだがな。
その後はアリカ王女とネギの関係や、戦争終了後の事で話が盛り上がるのだった。
その話の流れで長瀬とネギが仮契約を結んだり、早乙女が古菲に仮契約を結ばせようとしたりして時間が過ぎていく。
そしてそれも一段落して、ようやく調からの情報収集が始まる。
「用意はいいか?」
「はい」
現在、部屋の中にいるのは目と耳と口を俺の影により封じられている調と、情報を集めるには最適なアーティファクトいどのえにっきを持つ宮崎。そしてそのマスターであるネギと、一応念の為という事で俺が控えている。
宮崎が頷いたのを見て、耳の部分を覆っていた影だけを影精へと戻す。
それを確認した宮崎は、指先に何らかのアクセサリを付けて口を開く。
「我、汝の真名を問う」
その声が聞こえたのだろう。調がピクリと動く。
……そう、調というのはやはりコードネームか何かだったらしく、いどのえにっきでは内心を読めなかったのだ。
「ブリジット・Bさん。まずは貴方の仲間にどんな人がいるのかを教えて下さい。……なるほど、暦、環、焰、栞、月詠という5人がいるんですか」
……やっぱり月詠はフェイトに付いていたのか。街中での戦闘で桜咲が戦ったと言ってたから予想は付いていたがな。
そんな風に思っている俺の横で宮崎の質問が続けられる。
「暦、環、焰、栞という方達の戦闘能力を詳しく教えて下さい」
この時点で自分が現在どういう目に遭っているのかが分かったのだろう。何やら唸りながら身体を激しく暴れさせる。
「暦という人が猫型の亜人で、獣化が可能。アーティファクトは時の回廊という名前で、空間や時間に干渉可能という物ですね。環という人は竜族の亜人で竜に変身可能。アーティファクトは無限抱擁という無限の広がりを持つ閉鎖結界空間ですか。焔という人は、発火能力者で炎精霊化が出来る訳ですね。アーティファクトは……」
宮崎がそこまで読み上げた時だった。
「んーーーーーーーーーっ!!」
調が一際高く呻き声を上げ、次の瞬間には飛行魚の部屋である筈の床から何らかの植物が姿を現す。
「ちぃっ! ネギ!」
「分かってる。のどかさん!」
俺の叫びにネギが宮崎を掴んだまま部屋から廊下へと脱出し、俺もまたその後に続く。そして廊下に出た後に思い切り扉を閉めて植物がこっちへと入って来ないようにする。
数秒、部屋の中で何やら蠢くような音が聞こえてきたが、それもやがて収まった。
それから念の為に数分程待機し、調を尋問していた部屋から特に植物が溢れ出てくる事がないというのを確認してネギ達と顔を合わせる。
「ちょっと、今の音は何!?」
騒いでる音が聞こえたのだろう。神楽坂を先頭にして飛行魚に乗っていた者達がこっちへと向かって走ってきた。
「尋問中にちょっとな」
「……もしかしてあの人を相手にして乱暴な真似とかしてないでしょうね?」
「いや、そういうのをするしない以前に何やら植物を操る能力を使われてな。で、俺達は急いで部屋の外に出たんだが……中はどうなってることやら」
影のゲートで部屋の中に転移するか? と思ったところで、朝倉の肩の上に乗っている人形を見る。相坂が憑依しているものだ。
「な、なんでしょうか?」
俺と目が合ったのを理解したのだろう。尋ねてくる相坂と閉じられているドアへと視線を向ける。
幽霊ならいける、か?
「相坂、ちょっと中の様子を見て来れないか?」
「え? わ、私がですかぁ!?」
「あ、なるほど。さよちゃんなら物理攻撃無効化出来るから植物がどうとか関係ないかもしれないわね……でも、魔法が来たら危ないから私のアーティファクトに行かせるよ」
朝倉がそう告げながら、パクティオーカードでアーティファクトを召喚する。
すると次の瞬間には、朝倉の周囲へと6台の機械っぽいものが浮かんでいた。
「へっへー。凄いでしょ。渡鴉の人見っていうアーティファクトで偵察に特化してるスパイゴーレムだよん」
「いや、確かに助かるが……ネギと仮契約したんだな」
「え? あ、うん。さすがに魔法世界でこういう事に巻き込まれちゃうと安全の為にもね。で、中にどうやって突入させる?」
「その辺は俺に任せろ。1台借りるぞ」
朝倉に断り、ゴーレムを1台手に取って影のゲートへと身を沈めていく。
そして調を置いてきた部屋へと影を通して移動して部屋の中へとゴーレムを放り込んでネギ達が集まっている部屋の外へと戻る。
「……影のゲートとか、便利ねぇ」
影から身を現した俺へと朝倉が羨ましそうにそう言い、思わず苦笑する。
「便利そうに見えても色々と大変な部分もあるんだがな」
炎の魔法に比べて、影槍術に対する熟練度はそれ程高くない為に影のゲートでそれ程遠距離へと移動は出来ないのだから。
そして中で何が起きているのかというのはすぐに判明する。
「一応、中に危険はないみたい。あの調って人は寝てる……のかな?」
「ならまずは最初に俺が入ってみるか。今の俺なら他の奴等よりは何かあっても対応がしやすいしな」
「アクセル君、気をつけてね」
ネギの心配そうな声を背中に受けながら、再度影のゲートを展開して沈み込んで隣の部屋へと慎重に姿を現す。
「……特に何もない、な」
部屋の中に毒が広まっている訳でも無く、あるいは部屋の中に身を現した瞬間に植物に攻撃をされる訳でも無い。
……何を狙っての植物だったんだ?
既にあの時に召喚された植物も部屋の中には無くなっている。部屋にあるのは、気を失っている調のみだ。植物の残骸すらも残っていない。
嫌な予感を覚えつつも調と近づいていき……思わず深く溜息を吐いた。
何が狙いだったのかがはっきりと分かったからだ。現在の調は呼吸をしていない。かと言って死んだのかと言えばそれも違う。身体に魔力が残っている状態を見るに、恐らく仮死状態なのだろう。
つまり、調の狙いは自分を仮死状態にしてこれ以上の情報漏洩を防ぐ事にあった訳だ。で、あの植物がその為に必要なものだったんだろう。
「……やられたな」
部屋の中に俺の声がぽつりと響いた。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:15
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
撃墜数:392
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