真似と開閉と世界旅行
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再来〜
前書き
区切るところおかしくないかな・・・?ではどうぞ!
俺達はバチカルに到着する。
「やー、久々に帰ってきたな」
俺は街を見渡してそう言うと、ガイが反応する。
「なんだ、サキも帰ってなかったのか?」
「ファブレ公爵に頼み込んでね。この一ヶ月世界中飛び回ってたな」
『文字通り飛んでたッスね』
ルークがため息を吐く。
「ナタリアが戻ってると助かるんだけどな・・・」
「呼びまして?」
「うわっ!?」
いつの間にか背後にナタリアが立っていた。
「おまえ、なんでここに・・・」
「ケセドニアの視察を終えて戻ったところですわ。それよりも丁度いいところに!」
ナタリアがジェイドの胸ぐらを掴む。
「おや・・・!」
「ナタリア!?
「まあ、相変わらず涼しい顔で!どういうことですの!我がキムラスカ王国は平和条約に基づき、マルクト軍に対して軍事活動を起こしてはいませんのよ!」
「ああ、やはりそうでしたか」
「やはりそうでしたか・・・ではありません!ケセドニアでは、まるでこちらが悪事を働いたと言わんばかりに白い目で見られ、屈辱でしたわ!まさかマルクト軍の示威行動ですの?」
「まあまあ、落ち着けよ」
俺はナタリアを宥める。
「その話をしたくて来たんだ。非公式に陛下に取り次いでくれないか?」
・・・取り敢えずインゴベルト陛下の部屋で説明することになった。
「・・・なるほど。そういうことでしたの」
「私は、マルクトを攻撃するような命令を下していない」
「そうですわ。我が国は無実です」
「だが、こうなるとフリングス将軍を襲った奴等は一体何者なんだ?」
「・・・」
「サキ?」
「・・・いや、俺の世界でも似たようなことをされた覚えがあってさ・・・なあ、フリングス将軍は軍の奴は死人のような目をしていたと言ったよな」
「・・・ええ、私もあれが気にかかります」
「何か心当たりがあるのか?」
ルークが聞くと、ジェイドは答える。
「断定はできませんが、フォミクリー実験による症状に似た事例があるのです」
「・・・となると、レプリカによる人間爆弾って訳か」
「レプリカ・・・俺と同じ・・・」
「なんということだ。レプリカが我が国の名を騙ってなんの利がある」
考え込んでいたティアが顔を上げる。
「キムラスカとマルクトの関係を悪化させて、戦争を起こそうとしている?」
「それじゃまるでモースと同じじゃないか」
「・・・あ!」
俺が声を出すとガイが話す。
「そうか・・・ディストはモースを連れ去ってたな」
「モースならこれくらいやりかねない・・・か」
「お父様、私をダアトへ行かせて下さい」
「突然どうしたのだ」
「私、あの旅の後、預言のことを考えていましたの。世界はユリアの預言から外れた。にも拘わらず、まだ預言に縛られている者のなんと多いことか」
「そうだね。やっぱ不安なんだよ・・・」
「ですから、預言をどうしていくのか国際的な会議を開催するべきだと思うのですわ。理由はどうあれ、これ以上預言で愚かな真似をさせては駄目なのです。そのためには導師のお力が必要ですわ」
「まあ、悪くはないですね」
「了解。いい王族の風格漂ってんじゃないの?ナタリア」
「いいえ、私はまだまだ未熟ですわ」
「・・・まったく、どっかの呉王さんみたいに頭堅いな。・・・いや、能天気な蜀王よりマシか」
『後で伝えるッス』
「そしたらへし折る」
『すみませんッス』
その時、アニスが反対する。
「でも・・・手紙で知らせてあるから、ダアトに行くの、やめない?」
「なんだ?帰りたくないのか?」
「・・・ううん。そうじゃないけどさ」
「よし、ダアトに行ってみるか」
「ルーク、ナタリアを頼むぞ」
「あ・・・はい。陛下・・・」
俺達はナタリアを加え、ダアトに急ぐ。
「ダアトか・・・」
『咲さん?』
「ここは・・・姉貴と過ごした、大切な場所だからな・・・」
『あ・・・』
その時、ティアがバランスを崩し、ルークが支える。
「ティア!?」
「・・・ご、ごめんなさい。少し目眩がして・・・」
「私、イオン様を呼んでくる!」
「平気よ。薬が切れてしまっただけだと思うわ」
「でも・・・」
「おかしいですね。薬が切れただけならそれほど顔色は悪くなりませんよ」
「どういうことだよ。もしかして酷くなってるってのか?」
「いや・・・障気を吸わなきゃ進行しない筈だ」
「とにかく教会まで歩けるか?そうしたらアニスが休む場所を用意してくれてるだろうから」
ガイの言葉にティアが返す。
「ええ・・・大丈夫、ありがとう」
そして教会に入ると、イオンがいた。
「みなさん!ティアが倒れたと聞きましたが・・・」
「イオン様・・・大丈夫です。すみません、ご心配をおかけして」
「・・・ティア。とても大丈夫とは思えませんよ」
「・・・あれ?アニスは?」
俺が聞くとイオンが辺りを見渡す。
「あれ、先にルークのところへ戻ると言っていましたが・・・」
「来てないぜ」
「仕方ないですね。先に僕の部屋へ行きましょう」
イオンの部屋のベッドにティアを寝かせる。
「おかしいですね。新たに障気を吸わない限りは、ここまで消耗するとは思えません」
「プラネットストームには障気が混在している恐れもありますが、その程度なら音譜帯を抜けた後、大気圏外に離脱してしまいます。影響はないと思うのですが・・・」
「まさかプラネットストームの活性化で、また障気が発生してるとか・・・」
「やはりティアの体に蓄積した障気の除去を考えた方がいいのではなくて?」
「それは無理だって、ベルケンドで言われたじゃない」
「じゃあ俺が・・・」
「駄目よ。これ以上あなたに“闇”が溜まったら危険だわ。それよりナタリア。預言についての会議を提案するんじゃなかったの?」
「それはそうですけれど・・・」
そこでイオンが口を開いた。
「・・・あの実は、僕はティアの障気を無くす方法に心当たりがあるんです。ただ、それを行うには僕の・・・」
「イオン様!大変です!」
いきなりアニスが部屋に飛び込んでくる。
「アニス。どこへいっていたんです」
「それが、外が大変なんです!」
「外がどうしたんだ?」
「障気がばーんと出てきてマジヤバですよぅ!イオン様!来てください!」
アニスは止める間も無くイオンを引っ張っていく。
「私達も行きましょう!」
「ティア!あなたが倒れたのは、障気の復活を敏感に感じ取ったからかもしれませんわ。ここに残りなさい」
ティアは首を横に振る。
「障気が復活したのなら、どこにいても同じよ」
「無茶ばっかり言いやがって・・・」
「でも事実よ」
「・・・分かった。無理はするなよ」
「ええ、ありがとう」
ルークが折れ、ティアは立ち上がる。俺達は急ごうとして転送した瞬間・・・周りを囲まれた。
「なんだ!?」
ガイが驚く。
「動くな」
「リグレット教官!」
「あ、姉貴・・・!」
やっぱり生きていたのだ。だが、どう考えても感動の再開と言うわけにはいかないらしい。
「これはなんの真似だ!」
「今、お前達に動かれては迷惑なのだ。それにローレライの鍵についても聞きたいことがある。大人しくしてもらうぞ」
その時だった。突如ライガが現れ、神託の盾兵を吹き飛ばす。その隙にティアがナイフを投げるが、ジゼルは難なくそれを弾く。
「投げに移る動作が遅いと言っただろう!同じ扱いを二度犯すな!」
「・・・くっ」
・・・すると俺達とジゼルの間にライガを率いたアリエッタが現れた。
「・・・イオン様に何をさせるの。リグレット」
「アリエッタ!そこを退きなさい!」
「イオン様の第七譜石の預言を詠み直しさせるって本当なの!?」
「イオンに惑星預言を!?んなこと・・・」
「体の弱いイオン様は死んでしまう!アリエッタ・・・そんなの許せない!」
「モースを動かすには、それが一番簡単なエサよ。あなたが望むフェレス島復活のためには必要なの。わかるわね?」
「・・・ルーク!イオン様はアニスがここの教会にありセフィロトへ連れていった!」
「アニスが!?」
『裏切ったってことッスか!?』
「アリエッタ!裏切るの!?」
「ヴァン総長は、イオン様を殺さないって言ってたもん!裏切ったのはリグレットたちだよ!」
「ルーク!隠し通路へ行きましょう。確かにアニスの様子はおかしかった」
「わかった。アリエッタ、ありがとう!」
「ジゼル・・・アリエッタ・・・」
「サキ・・・イオン様を、イオン様を助けて・・・!」
「・・・ああ!」
俺達は再び急いで転送陣に向う。そして・・・
「待て!」
「ルーク!」
モース達を見つける。
「どうしてここにモースがいるんだ!それにアニス、これは一体どういうことなんだ?」
「・・・それは・・・」
「ぬぅ・・・リグレットめ。こんなガキ共すら足止めできんとは!・・・アニス!ここは任せたぞ!裏切ればオリバーたちのことはわかっているな?」
そう言ってモースは去っていく。オリバーさんって・・・アニスの父親じゃあ・・・
「おい、アニス!オリバーさん達がどうしたって言うんだ?」
ガイが聞くが・・・アニスは叫んだ。
「うるさいな!私は、元々モース様にイオン様のことを連絡するのが仕事なの!」
アニスはぬいぐるみをガイに投げつけ、逃げ出す。
「待ちなさい!」
すぐに転送して追いかけようとするが・・・
「駄目ですね。反応しません」
「他に道はないのか?」
俺が言った時・・・ガイがぬいぐるみから何かを見つけた。
「おい、これを見てくれ」
「手紙を持ってるな・・・“ザレッホ火山の噴火口からセフィロトへ繋がる道あり。ごめんなさい”」
「アニスからですわね。・・・それにしても、モースの口振りだと、まさかご両親を人質に取られているのでは」
「そのようですね。まあ、元々モースの回し者だったのでしょうが」
「だけど行くしかない。ザレッホ火山に急ごう」
俺達はそのままアルビオールに移動する。
「アリエッタ達がいなくなってたな・・・」
「教官も・・・」
「相討ちでも死体は残りますからね」
「大佐!アリエッタは敵とはいえ、助けてくれましたし、リグレットはティアの教官で、何よりサキの家族なのですよ。もう少し言葉を選びなさい」
「これは失礼」
「いいよ、ナタリア。・・・もう慣れた」
付き合いが長くなると、わりとジェイドの発言にイラつきはないものだ。街を出ようとするが・・・
「な、なんだあれ!?」
「あ、あの人は・・・!」
「イエモンさん!?そんなバカな!」
たくさんの似たような服を着た集団が道を封鎖していた。
「・・・レプリカ・・・」
ジェイドが呟く。
「なに?」
「彼らはレプリカではないでしょうか。以前、レプリカを軍事転用するために、特定の行動を刷り込むという実験をしていました。彼らの目は、その被験者達によく似ています」
「標的発見。捕捉せよ」
奥から更に数人やってきて・・・ガイが絶句する。
「姉上・・・」
「姉上?ガイ、一体何を・・・」
「どうしてだ・・・どうして姉上がいる!?」
「ガイ!どうしたんだ!?」
「フリングス将軍もいるわ!確かにグランコクマで看取った筈なのに!」
「他にも・・・!彼らはレプリカに違いありませんわ!」
「モース様のご命令だ、殺せ」
「譜術では民間人を巻き込む恐れがあります。出口方向のレプリカだけを始末して、この場を・・・」
「待ってくれ!そこには俺の姉上が・・・マリィ姉さんがいる!」
「レプリカですよ!」
「分かってる!だが・・・!」
「それではモースの思うつぼですよ」
「だったら俺が・・・!」
その時、声が響いた。
「ーーーまさか、ここまで上手くいくなんてね」
「ッ!?」
ガキャン!
ガイが吹き飛ばされ、そこにいたのは・・・
「・・・詠!」
「久し振りね・・・サキ・オスロー!」
「くっ・・・」
「くそ!どうするんだ!」
「・・・私が、やるわ」
そう言うとティアは息を大きく吸う。
「ーーーーー♪」
「譜歌!?くっ・・・眠、気が・・・」
詠い終わるとティアが倒れる。
「ティア!」
「こんなに大勢を眠らせたことはないの。効果は長く続かないと思う。早くここを離れましょう!」
「あ、ああ・・・」
「逃が・・・さないわよ・・・!神託の盾兵!」
詠が叫ぶと兵士がやって来る。
「不味い・・・これ以上は・・・」
「伏せろ!」
『っ!?』
『アサルト!ルナ!マキシマムドライブ!』
「トリガーアサルトバースト!」
ダダダダン!!
「ジャスミン、カートリッジロード!」
シャキイン!
「操影術!行ってください!」
ズガガガン!
「え・・・と、知也!?撫子に黒羽まで・・・!」
「話しはアリエッタが手紙で教えてくれた!」
「そこからは私の影で超特急で駆けつけました」
「ここは任せて早く行ってこい!」
「・・・頼むぞ!」
俺達はアルビオールに駆け込む。・・・イオン、無事でいてくれよ・・・!
後書き
サキ
「あー、問題が次から次に・・・」
リョウ
「忙しい奴」
サキ
「うっさい。ま、片っ端から片付けるとしますか」
リョウ
「空回りすんなよー?」
サキ
「しねぇよ。んじゃ、次回の真似と開閉と世界旅行!」
リョウ
「次回もよろしく!」
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