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自由の灯り

作者:光龍牙
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第二十六話

 
前書き
最近投稿遅れてますが読んでくれると嬉しいです!
同時投稿のオリジナル小説、パズルの世界も読んでみてください!
面白く書けるよう頑張ります!
因みに今回はテイルズキャラが覚える筈のない、技を使います
 

 
「魔神剣!」

凄まじい気合いとともに双剣を同時に振るい、地面を裂く程の威力を誇る衝撃波を放つ。
地面を裂く衝撃波がサンドファングに激突し、後方に吹き飛ばす。
それを確認すると、カノンノは三つの炎の球を放つファイアボールを無詠唱で唱える。

「ディア、今だよ!」
「わかった!」

三つの炎の球はディアに向かってくると、ディアは腰を低く下ろしファイアボールを待ち構える。
炎の球が、ディアに当たる直前に、双剣をファイアボールにぶつけて剣先に灼熱の焔を纏わせる。
それと同時にディアの辺りに炎の渦が生じる。

「喰らえ!紅蓮剣!!」

空中に跳躍し灼熱の焔を纏った剣を振るい、巨大な業火の球体を放つ。
真紅の業火が一体のサンドファングを呑み込むと、小規模な爆発が起きる。

「これで、暫くは動けないはずだから今のうちにもう一体を仕留める!」

額に汗を滲ませながら、次のサンドファングに目線を移す。

「カノンノ、このまま一気に決めるよ!」
「うん!」

再びカノンノが魔術の詠唱に入り、ディアは力強く地面を蹴るとそのままサンドファングに接近する。

「せぃ!でやぁ!」

ディアは休むことなく双剣を振るい続け、負けじとばかりにサンドファングも後退しながら刀と遜色ない強固を誇る尾でディアの剣技を防いでいく。
しかし、ディアも徐々に距離を詰めながら、横にスライドするように、そのまま降り下ろしたり、回転斬り等、様々な方法で動きを読まれないようにサンドファングを追い詰めていく。

「ライトニング!」

カノンノが詠唱を終え、相手の頭上から落雷を落とす魔術を放ち、サンドファングを捉える。
落雷が落ちたことにより、動きが止まったサンドファングとの距離を一気に縮める。
ここで決めようと、そのまま双剣を頭上に掲げる。

「これで、終わりだぁ!」

両手で掴んでいる柄に渾身の力を込め、一気に降り下ろす。
だが、

「うぐっ!」

ドスッという、鈍い音が聴こえた後、ディアは腹部に強烈な痛みが生じたため苦痛に顔を歪める。
そして、それだけでは留まらなかった。

「っな!体が・・・!」
「ディア!!」

自信の体を見た瞬間、ディアは戦慄した。ディアの腹部は徐々に石のように固まっていき、腹部から足へ腕へと体全体を蝕んでいたからだ。
カノンノが絶叫にも近い声でディアの名前を叫ぶ。

「時間がかかりすぎたんだ・・!」

ディアの側には先程、紅蓮剣を放ち吹き飛ばしたサンドファングが、怒り狂いながらボロボロの体を無理矢理動かしてきて、自身の尾でディアを突き刺していた。
何とか打開策を考えるが、その前にディアの体は完全に石化により蝕まれ、動くことができなくなった。




◆ ◆ ◆ ◆ ◆




「さっさと片付けるわよ!セッシブバレット!」
「わかった、次元斬!!」

ディアたちから遠く離れたオアシス付近。
そこでクレスとイリアは引き付けた二体のサンドファングとの交戦を繰り広げていた。
お互いのマスターした技で別々のサンドファングに衝撃波を放った後、斬撃を相手に浴びせる剣技。
後方にステップしながら腰を低く下ろし銃を連射し、無数の弾丸を相手に放つ技がサンドファングを襲う。

「よし、このまま追撃する!」

技が的中するのを確認すると、クレスはそのまま一気に畳み掛けようと目前の相手に接近する。
しかし、そうはさせないとばかりに先程の斬撃で怯んだ筈のサンドファングはすぐに状態を建て直し、自身の鋭く光る尾でクレスに刺突を繰り出す。

「っぐ!」

間一髪、持っていた盾でそれを防ぐのに成功するが、尾に突き刺された盾はみるみるうちに石化していき重みを増していく。
このままでは邪魔になるだけだし、下手したら自分も盾を蝕む石化に巻き込まれかねないので、慌てて盾を外し地面に捨てる
地面に着くのと同時に盾は完全に石化してしまい、ただの石の塊になってしまった。

「危なかった・・・」

クレスは額に滲む汗を拭いながら安堵の息を吐く。
だが休みなど与えないというかのように、サンドファングは再び自身の尾でクレスを狙い尾を振るう。

「っく、はあぁ!!」

全身を大きく反らしてギリギリで尾を回避すると、そのまま隙が出来て無防備になったサンドファングの尾を切り落とす。
尾が切り落とされると、斬られた先から鮮血が一気に吹き出し砂漠の熱で燃えるような熱気を持った砂を真っ赤な液体で湿らせる。サンドファングは悲鳴を上げながら真っ赤な砂の上を転がり回る。

「これで、石化は使えない、イリア、僕はもう一体を倒すからこっちを頼む!」
「しょーがないわねぇ・・・」
「頼んだぞ!!」

まだ尾があり、体力も十分に余っているもう一体のサンドファングに狙いを定め、剣を振るう。
サンドファングはそれを尾の先で迎え撃ち、ガキンッという金属音同士がぶつかり合う音が砂漠に鳴り響く。

「ほんと、よくやるわねぇ・・・そんじゃ、さっさと始末しちゃいますか」

クレスとサンドファングの攻防を見つめていたイリアはめんどくさそうに頭を掻きながら、尾を切り落とされ苦しむサンドファングに視線を移す。

「随分と面倒な依頼だったけど、もう終わりだしさっさと決めるわ」

誰にともなくそう呟くと、銃口をサンドファングに向ける。
サンドファングは悪魔のようにニヤリと笑っているイリアに恐怖を感じながら何とか逃げようと、尾の激痛に耐えながらオアシスの奥地に向かって走り出す。

「そんなんで、あたしから逃げられると思ってんの?あたしの故郷では銃は一般的に使われている。あたしも小さい頃から扱ってきた・・・」

サンドファングはかなり遠くまで逃げていたが、イリアはたいして焦った様子もなく十五メートルはある距離でも構わず拳銃の引き金を引く。
辺りに乾いた銃声が鳴り響く。

「だから、狙った獲物は逃さない」

いい終えると同時、一発の弾丸が風を裂きながらサンドファングの頭部に命中し、頭が中から爆発したように弾けとび、砂漠の砂に砕けた頭の部分や脳みそが転げ落ちる。
真っ赤な液体がサンドファングの体を包みように流れ落ち、頭を撃ち抜かれたサンドファングはピクリとも動くことはなかった。
フッと銃口から出てきた煙を吹き、二丁の拳銃を腰にしまう。

「大分疲労してきているみたいだ、そろそろ決める!!」

自身の白銀色の剣で尾の軌道を変えながら横に回避すると、クレスはそのままサンドファングの懐に潜り込む。

「でやぁ!」

反応が遅れたサンドファングはそのまま勢いよく後方に吹き飛ばされる。
クレスは吹き飛んだサンドファングを見据えると両手で片手剣の柄を掴み、一瞬のうちに姿を消す。
まるで時間が飛んだかのように。

「せいやぁ!!」

クレスは吹き飛んだサンドファングの手前で姿を現すと、そのまま無数の斬撃を浴びせてから上空に切り上げる。そして、再び姿を消す。

「これが、父さんから受け継いだアルベイン流剣技だ!」

今度は上空に打ち上げられたサンドファングの更に上空に現れ剣を掲げる。
その前に何とか空中で体制を立て直したサンドファングが、鉄の強固を誇る尾で迎え撃とうと身構える。

「僕は必ず両親の仇をとると誓った、こんなところで躓いていられないんだぁ!!」

片手剣を握る力を更に強くし、渾身の一撃を秘めた剣撃を振るう。
それに合わせるように、サンドファングも自身の尾で片手剣に刺突を放つ。
互いの剣と尾がぶつかり合い、鼓膜を振動する激しい金属音が鳴り響く。

「はぁぁぁぁあああ!!!」

クレスの怒号が金属音を掻き消すと同時にサンドファングの鉄と同等の強固の尾を砕き、勢いに任せ剣を振るう。
遂にクレスの刀身が、サンドファングを捉えるとそのまま一刀両断する。
空中に鮮血が雨のように飛び散り、サンドファングはそのまま跡形もなく消滅する。
サンドファングの血で頬が真っ赤に染まり、それを手で拭いながらクレスはほっと息を吐く。

「こっちは終わったけど、ディアとカノンノはどうなったんだろ・・・」

まだ戦闘中なのか、それとももう倒して自分たちを探しているのか。
互いに離れた場所で交戦してしまった為、どうなっているのかわからなかったが、クレスは地面に座り込んでいるイリアを引き連れ、ディアとカノンノ、探すことにした。


続く 
 

 
後書き
どうも、あとすこしで合計三十話を越えます!
同時進行のオリジナル小説、パズルの世界もよろしくお願いします! 
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