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FAIRY TAIL 友と恋の奇跡

作者:紺碧の海
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第127話 ライジングシャイニー

 
前書き
HELLO!07です!
今回は竜狩り(ドラゴンハンター)達との戦いから1週間。ギルドにやって来たのは・・・!?
途中で目線が変わります。最初はグレイ目線からです。
それでは、第127話・・・スタート! 

 
竜狩り(ドラゴンハンター)との戦いから1週間。俺達はギルドに帰ると極普通に過ごしていた。このまま極普通の毎日が続けばいいのに―――――と思っても、俺にはまだ思い当たる事があった。





グレ『ユモスを殺そうとする奴が他にもいたんだ。』





ハルトとの最後の戦いが終わってからグレンに言われた事。ユモはまだ、何かを抱えている。でも、それがどんな『闇』で、どんな奴がユモを殺しに来るかも分かっていない。唯一分かっているのは、





グレ『薄紫色の長い髪の毛に、白いローブを着た女だ。』





情報が少なすぎる。せめていつユモを狙ってくる事さえ分かれば・・・そう思った時だ。いつものようにガヤガヤ騒いでいると、偶然にも開いていたギルドの扉の前に、1人の女が立っていた。ギルドにいた全員がその女の方に首を動かす。

リョ「何だ?入部希望者か?」

エ「こんな時期に珍しいな。」

その女は透き通るような声で、

?「ここに、ユモス・クオリナさんはいますか?」

薄紫色の長い髪の毛に、白いローブ。フードを被って顔は見えなかったが、その女はグレンが言っていた女に間違いなかった。俺は椅子から勢いよく立ち上がると、

グ「ユモに何の用だ?」

ル「ちょ、ちょっとグレイ、いきなり失礼よ。」

周囲がざわつき始める。運良く今はギルドにユモはいない。じーさんに頼まれてちょっとした依頼に行ってる最中だ。―――――と、安心したのも束の間、

ユ「あれ?皆どうしたの?」

タイミングが良いのか悪いのか、ユモが依頼から帰って来たっ!

マ「ユモ~お帰り~!」

シャ「ちょうどあんたにお客さんよ。」

ユ「えっ?」

ユモは隣にいる女を見ると、一瞬目を見開き表情を曇らせたが、すぐに笑顔になると、

ユ「もしかして、イレーネ!?久しぶり~!」

女の手を握って笑う。思わぬ状況に俺は目を丸くする。

イ「久しぶりだね、ユモス。」

ショ「ユモ、知り合いか?」

ショールが聞くと、

ユ「うん。私の友達のイレーネ・ザンビア。」

イ「初めまして。」

イレーネが被っていたフードを取る。腰近くまである長い薄紫色の長い髪の毛に、大きな黒い瞳が特徴的だった。

ユ「マスター、依頼は無事やり遂げましたので、これからイレーネとちょっと出掛けて来ます。」

マカ「おぉ、ご苦労じゃったな。気をつけるんじゃぞ。」

そう言うと、ユモとイレーネは瞬間移動(テレポート)で姿を消した。ギルドはまた騒ぎ始めた。俺は頭の中が雨雲に覆われたみたいに何が何だか分からなくなっていた。イレーネはグレンが言っていたユモを狙う奴なのか?でも、さっきのユモの表情・・・すごく嬉しそうだった。俺は1人、ギルドのテーブルで頭を抱えて悩んでいた。

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                         『ここからユモ目線でいきます。』

私とイレーネが瞬間移動(テレポート)した場所は深い森の奥。私は辺りに人がいないのを確認すると、目の前にいるイレーネに向かい合った。

ユ「いったい何の用?イレーネ?」

私は戦闘体勢を取る。

イ「なぁ~んだ、やっぱりバレてたか。つまんないの~。」

イレーネは不敵に笑う。

ユ「()()の仇をとりに来たの?」

イ「分かってるんじゃないの。その通りよ。」

静かに風が吹いた。私とイレーネが言ってる()()と言うのは、私とイレーネに格闘技を教えてくれたアルウィーゼさんの事。優しくて、厳しくて、とても頼りになる私とイレーネのお父さんのような存在だった。でも―――――

イ「9年前に、あんたが怒激獣、バルベッサに襲われて、あんたを助けようとした師匠がバルベッサの攻撃にやられて、命を落とした。」

そう、師匠も私のせいで―――――

イ「私はアルウィーゼ師匠の仇をとるため、8年間1人で修行してきた。あんたにはここで死んでもらうからっ!」

そう叫んだ後、イレーネは地面を小さく蹴り私に向かって駆け出し、回し蹴りをする。私も両手をクロスさせ防御する。やっぱり、姉弟子は強い・・・!

イ「あんたの噂は何度か耳にした事があるわ。氷上の舞姫って言う異名があるらしいわね。でも、いくら氷上の舞姫でも、大空の舞姫には敵わないわよっ!」

ユ「お、大空の舞姫!?」

リョウから聞いた事がある。天高く舞い踊るような戦う姿からそう呼ばれるようになった格闘技を使う女がいるって。

ユ「まさか、イレーネだったとは思わなかったよ。」

イ「私も、氷上の舞姫があんたの事だとは思わなかったわ。」

イレーネは私より2年も早くアルウィーゼ師匠の下で修行をしていた。腕前はかなりの上級者。私も当時は一度も勝つ事が出来なかった。

イ「訂正するわ。()()じゃなくて、()()あんたは私には勝てないわ。」

ユ「勝手に決め付けないでっ!」

私はイレーネの顔面を殴ろうとするが、その腕をイレーネに摑まれ背負い投げされる。私はすぐに立ち上がると、イレーネの背後に素早く回りこみ後頭部に踵落とし。さすがにこれは効いたみたい。

イ「へぇ~、あんたも一応力はつけてたみたいね。」

ユ「当たり前でしょ。」

イ「でも、私の格闘奥義は止められるかしら?格闘奥義・・・」

そう言うとイレーネは両手両足に光の渦を纏う。イレーネは格闘技の他に(トゥインクル)という魔法が使える。私は防御体勢をとる。すごい魔力を感じる・・・!

イ「ライトニングアッパー!!」

ものすごい速さで殴り蹴り続ける。私は必死に防御するけど、威力が強すぎる・・・!

ユ「はぁ・・はぁ・・・はぁ、はぁ、はぁ・・はぁ、はぁ・・・・はぁ・・・はぁ、はぁ・・はぁ、はぁ・・・はぁ・・はぁ、はぁ・・・・はぁ・・はぁ・・・はぁ、はぁ・・はぁ、はぁ・・・」

防御だけで息が切れていた。

イ「もう終わり?」

ユ「まだ終わっていないっ!」

私は拳に冷気を溜めると、

ユ「氷弾刃ッ!!」

冷たい拳でイレーネに殴り掛かるが、イレーネは私の拳を片手で防いだ。

ユ「!?うあっ!」

鳩尾に強烈な拳を食らう。

イ「気を失わない程度だから大丈夫よ。光魔拳ッ!!」

ユ「ぐあっ!」

右頬を思いっきり殴られ体勢を崩す。

イ「光斬蹴りっ!!」

ユ「うがっ!」

ナイフのような鋭い光で額を蹴られる。額は切り裂かれ深く傷を刻まれ、血がしたたり流れ落ちる。

イ「アハハハハ!この一撃で最後かしら?」

ユ「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・・」

私は額から流れ落ち、顔にかかる血を拭いながらよろよろと立ち上がる。立っている事も、息をする事も正直言って辛かった。でも、私は負けられない・・・負けられないんだっ!

イ「もう一度私の格闘奥義を食らいなさい。今度は防ぎれるかしら?格闘奥義・・・」

イレーネは再び両手両足に風を纏う。私は防御体勢をとらない。

イ「ライトニングアッパー!!」

私の顔面目掛けて殴ろうとする拳を私は片手で受け止めた。

イ「なっ!?わ、私の、格闘奥義を・・・う、受け止めたぁっ!?」

驚くのも無理はない。さっきは防御したのに、今度は受け止めたのだから。

ユ「アルウィーゼ師匠が死んだのは、私のせい・・・」

私はイレーネの拳を受けとめたまま呟く。当時は何度も自分を責め続けた。でも、

ユ「アルウィーゼ師匠はどんな事があっても、絶対に人を殺めていけないって言っていたっ!イレーネは、師匠の言葉を裏切ったっ!!」

イ「!」

ユ「私は、師匠の事を裏切る人を、絶対に許さないっ!!!」

私は冷気を放出すると、イレーネの手、体、足と順番に凍らせた。これで身動きは出来ない。私はイレーネから2~3歩離れる。

ユ「イレーネ、師匠の仇をとりたいのなら、まずは頭を冷やすべきだよ。後、私が『闇』から助けてあげるからね。」

私の両手は金色の光で包まれていた。

イ「な、何!?この魔力!?師匠と、同じくらい・・・!」

ユ「そりゃそうだよ。この格闘奥義は、私がアルウィーゼ師匠から受け継いだ格闘奥義だから。」

イ「!!?」

イレーネは言葉に出来ない驚きを見せた。アルウィーゼ師匠は私を信じてくれたからこの格闘奥義を教えたんだ。










ア『ユモス、『闇』に染まった者の心を、『光』に戻してやってくれ。』










ユ「(アルウィーゼ師匠、どうやら、約束を果たす時が来たみたいです。)」

両手を前に突き出し、全魔力を両手に溜める。

ユ「超・格闘奥義・・・」

『闇』を『光』に変える格闘奥義。その名は――――――――――




















ユ「ライジングシャイニー!!!」




















両手から放たれた金色の光線が優しくイレーネを包み込む。すると、イレーネの体から黒い光が飛び出し消えた。イレーネはそのまま地面に倒れ、気を失った。

ユ「こ、これで、良いんですよね・・・?師匠・・・・」

魔力を使いすぎたせいか、力尽き、その場に倒れて意識を失った。

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ユ「・・ぅ、ん~~~・・・?」

どれくらい時間が経ったんだろう?目を開けると、見慣れた天井が目に入った。いつの間にか私は、ギルドの医務室のベットの上にいた。頭や手足には包帯が巻かれ、頬には湿布や絆創膏が貼られていた。隣のベットには私とほとんど同じような手当てをされたイレーネが寝ていた。

ユ「・・・誰が、ここまで運んだんだろう・・・・?」

気配を感じ、ふと横を見ると、椅子に座って壁に寄り掛かって寝息をたてているグレイがいた。たぶん、グレイがここまで運んできてくれたんだと思う。

ユ「ありがとう、グレイ。」

すると、また眠気が襲ってきて、私は再びベットの上に横になって眠りについた。

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                    『ここから少しだけグレイ目線でいきます。』

・・・・・寝た、か?俺はゆっくり片目を開ける。ユモは小さな寝息をたてて眠っていた。

グ「はぁ。寝たふりするのも結構難しいんだな・・・」

ユモとイレーネが出掛けて行った後、やっぱり不安になって2人を探し、森に来てみたら、傷だらけで倒れているユモとイレーネを見つけて急いでここまで運んだんだ。手当てはウェンディやミラちゃんに任せた。やっぱり、イレーネはユモを狙っていたんだ。でも、今回はユモ1人で何とかしたみたいだけどな。でも、なぜか森がめちゃくちゃになっていて、2人ともこんな傷だらけって事は相当激しく戦ったんだな・・・しかも、ユモの額の傷がかなり深いから、傷跡が残るかもってウェンディとミラちゃんが言っていた。

グ「まっ、明日になれば大丈夫か。」

ふと視線をユモに移した。月の光が当たって、ユモの長い水色の髪の毛が銀色に見える。俺はそっと手を伸ばし、ユモの髪の毛に触れる。細くて、(シルク)みたいに軟らかくて、仄かにシャンプーの香りがした。

グ「(お前には、もう二度と『闇』を与えない。必ず、俺が―――――)」

すると、強烈な眠気が襲ってきた。俺はそっとユモの髪から手を離すと壁に寄り掛かって眠りについた。今度は寝たふりなんかじゃねぇからな。

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                        『ここから再びユモ目線です。』

気がつくと、夜が明けていた。飛び起きて横を見ると、隣に寝ていたイレーネとも、椅子に座って寝ていたグレイの姿が無かった。すると、ギィィと医務室の扉が開いてマヤとルーシィとエルザとウェンディとシャルルが入って来た。

マ「ユモ~!おはよ~!」

ウェ「怪我は大丈夫ですか?」

ユ「うん。全然大丈夫。」

エ「あまり無理はするなよ。」

シャ「余計に傷口が開いちゃうからね。」

これぐらいどうって事ないんだけどな~。

ユ「そういえば、イレーネは?」

ル「朝早くにお礼を言って出て行ったわよ。」

ユ「そっか・・・」

その時、ギィィと扉が開いて、マスターとナツとハッピーとフレイとグレイとリョウとショールとトーヤが中に入って来た。

ナ「よおユモ!元気そうだな!」

ハ「あいっ!」

ト「怪我の具合はどうですか?」

皆心配しすぎでしょ。

マカ「ユモ、起きて早々すまないが、1つだけわしの質問に答えてくれぬか?」

ユ「良いですよ。」

質問の内容が気になったけど、私は快く引き受けた。

マカ「すまんのぉ~。いきなりじゃが、お前に格闘技を教えてくれた人物の名は、アルウィーゼ・パージアという男か?」

ユ「よくご存知ですね。その通り、アルウィーゼさんは私に格闘技を教えてくれた私の師匠です。」

マカ「やはりか。」

でも、何でマスターがアルウィーゼ師匠の事を知っているんだろう?

マカ「わしの友人じゃ。格闘技が得意でのぉ~、ユモのあの構えの姿はアルウィーゼにそっくりじゃったから、もしかしたらと思っての。」

ショ「マスターって、知り合いが多いですよね。」

言われてみれば確かに・・・

マカ「質問はこれだけじゃ。今日はゆっくり休みなさい。」

そう言うと、マスターは医務室を出て行った。

フ「なぁ、マスターは、何か知ってるのか?」

マ「さぁ?」

ユ「・・・・・」

マスターは、私のせいでアルウィーゼ師匠が死んじゃったのを知ってるのかな?

****************************************************************************************

                  『ここから少しだけマスター目線でいきます。』

やはり、そうじゃったのか・・・わしはミラから受け取った酒を飲みながらさっきユモから聞いた事を思い返していた。8年前じゃったかの~?あいつの最強の格闘奥義を弟子の1人に教えたって聞かされた。それがユモじゃったんじゃな。





『闇』を『光』に変える格闘奥義、ライジングシャイニー。





伝説の1つに数えられる超魔法・・・ユモはまだ17歳。あの若さで超魔法を扱えるとは・・・アルウィーゼの目は正しいのぉ~。 
 

 
後書き
第127話終了です!
なんとライジングシャイニーは超魔法の1つだった!?作者もびっくり!ちなみに、ライジングシャイニーは簡単に言うとニルヴァーナと同じようなものです。
次回はイケメン&イケメンだよ!
それではSeeyou! 
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