MADE IN ☆★!!
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闇夜にサクランボ
『君にはこれを渡しておこう』
「名刺か?、、メイド・イン・ダブルスター
なにそれ」
真っ黒な紙の中心に
黄色い文字で MADE IN ☆★!!
と書いてある
普通は記載されているはずの
連絡先や住所は書いていない
『凄いんだぞーその名刺』
裏を見てみるも
そこにも何も無い
「いらないよ。何も書いてねーじゃん」
『まぁまぁまぁ持っときなさい』
突き返せば
両手を上げて 断られた
受取りませんのポーズだ
仕方なく 胸のポケットに入れる
『そういえば君の名前 聞いてなかったな』
「あぁ 夏也だ。
で?その子は?」
ツクバの膝に乗って
飴を舐めてる少女は あの液体人間だ
「あたしユミ!!
ツーくんの無限工具のひとりだよー
よろしくねぇ夏くん!!!」
人2人分ほど離れた位置から
一生懸命 手を伸ばして握手を求められる
「お、おぉ よろしく」
少し腰を浮かせて手を出せば
ガッチリと握りこまれ
激しく上下に振るという 強烈な握手をもらった
『いてっ!いててて 膝の上で暴れるな
ケツの骨がっ、、、、!!』
「あ、、ごめんなさーい」
慌てて手を放し
俺の方も開放される
「ところでさ、無限工具ってなんだ?」
『あー・・・面倒くせぇがこの際だ
教えてやるよ
今日 俺が呼んだ
真ちゃん、油美、火奈
こいつらは俺が造った工具人間』
「と、言いますと?」
『これを使う』
取り出したのは
さっきの瓶
『俺は自分の工具に
寄生虫の欠片を使って自我をもたせている
ま、その方法は企業秘密だけどな』
「あたしはねー
水と油のミックスなの」
「はぁ? じゃぁ元々は
水と油なのか
信じらんねー、、、どう見ても人間じゃんか」
『油美は頼りになるよ
俺の使う工具は鉄製が多いから錆びやすい
油美は油を含んでるから
防錆効果がある 連携にはもってこいだ』
膝に座る座る油美は
頭を撫でられて どこか誇らしげだ
『・・・そろそろお暇するよ
もう深夜だ 眠くてたまらん』
長いこと話し込んでいたのか
公園に立つ時計台は
午後2時を指していた
「田町はもう 大丈夫なんだよな?」
『心配しなさんな、大丈夫だよ
ほれ、田町の分の飴
それじゃぁな』
「バイバーイ 夏くん」
闇夜に消えた2つの影
手の中にはサクランボの飴玉
田町の方へ振り返ると
その顔はいつもと変わらない 厳つい顔
手の中のものと見比べた
「ははっ、、似合わねーな。」
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