マジカル☆ウィッチルフェイちゃん!
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マジカル☆ウィッチルフェイちゃん、お母さんに会う!
アーシャさんがベルちゃんの後ろに乗って、空を飛んで進んでいると、渓谷の様な場所に入っていきました。その上空から下を見ると、金髪の人が赤いシートを敷いて休憩していました。
「あっ、アーニーさんです」
「降りる?」
「どうしますか?」
「お願いします」
アーシャさんの要望に従って、私達は地上へ降りました。すると、彼もこちらに気づいて立ち上がりました。
「やあアーシャちゃん。こっちに戻ってたんだね」
「私のアトリエじゃないとできない調合をやっていたんです」
出来ない調合とは、先の衝撃派の原因である光花の結晶の事です。なんでも、アーシャさんの妹さんが数年前に光る花のある遺跡で神隠し会ったそうです。それから、アーシャさんは妹のニオさんを助ける為に助ける手段を持つおじ様に師事して錬金術を習い、真相に近づいたそうです。
「そうだ、アーニーさん、ニオのことで進展があったんですよ。それで、お二人にも協力してくれる事になったんです」
「ほんとう? アーシャちゃんの様子からすると、いいお話なんだね」
「まだ何とも言えませんけれど、いいお話にしたいと思っています」
「そっか。僕は何も役に立てなくていつも心配しかできなかったけど、いいお話の続きが聞けるよう、何時も応援しているからね」
「アーニーさん、ありがとうございます」
まるで心配する母親と娘のような会話ですね。
「ベルちゃん、何時もこんな感じなのですか?」
「そうだよ」
「成程」
「それじゃあ、ボクに彼女を紹介してくれるかな? ウィルベルちゃんは知っているから、そっちの彼女だけど」
「ええ、わかりました。ルフェイちゃん。こちらは私がお世話になっているアーニーさんです」
お母さん(アーニーさん)に促されて、私にアーシャさんから紹介が始まりました。
「ご紹介に預かったアーニーです。行商をやっているので、何かあればよろしくお願いするね」
「はい。私はルフェイ・ペンドラゴンです。見ての通り、ベルちゃんと同じ魔女です」
「ちょ、ルフェイ! 隠さないと駄目じゃん!」
「大丈夫ですよ、ベルちゃん。この世界だったら問題有りませんし……そもそも、ベルちゃんと私の姿からして、隠してないじゃないですか」
「うっ」
「というか、そもそも隠す理由もないんですが……どうせ、その方が格好良いとかいう理由でしょ?」
小首をかしげながら聞いてあげると、ベルちゃんは汗をだらだらながして、そっぽを向きました。どうやら図星のようです。
「あははは……まあ、魔女の2人が居るならアーシャちゃんも安心だね。それと、君達に一つ話しておくことがあるんだ。少し前、凄い地鳴りがあったでしょう? あれの影響か、道が崩れたり遺跡が崩れたりしている場所がいくつかあって、遺跡から出てきたスラグが、普段見かけない街道なんかに出没して危険なんだ」
「「(そ、それは私のせいかも)」」
ベルちゃんは素知らぬ顔をしているけれど、アーシャさんは光花の結晶を使った事と、私達は次元転移を行った影響かも知れません。魔力に物を言わせての転移ですからね。
「「あの、その……ごめんなさい」」
「なんで2人が謝ってるの?」
「いえ、そのもしかしてそれって私のせいかなって」
「私も身に覚えが……」
2人で謝ってしまいます。
「あははは。そんなことはないさ。とにかく、物騒だから要注意って話だよ。それに、これは僕の予感だけど……なんだか良くない事が起きそうな気がする。結構当たるからね、僕の勘。だから、みんなも気を付けてね」
「は~い」「「はい」」
ベルちゃんが元気に挨拶して、私達も返事をしました。
「それじゃ、僕はこの辺で」
「ばいばい」
アーニーさんが去っていく姿を私達が見送りました。
「フラグが立っちゃにゃ」
「フラグ? それより、街道にスラグが出るなんて……たぶん、光花の結晶のせいだよね……」
「それと、私の転移のせいかも知れません」
「あ~その可能性は高いわね。ルフェイがこっちに転移する時に巻き散らかした大量の魔力が辺りに充満している時にアーシャが光花の結晶を使ったら、凄い事になるわよ」
「うぅ、わたし達、とんでもない事しちゃったかな。みんなに迷惑がかかってなかったらいいけど……」
私も人ごとじゃないです。何かしないといけませんね。できる限りはですけど
「絶対無理だよね」
「どうしましょうか……」
「と、とりあず行きましょう」
私達はアーシャさんの先導に従って、遺跡に沿って作られた発掘産業の散村、リーゼンガングの村へを目指して飛んでいきました。
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