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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第九十二話 善忍と悪忍その十一

「辛いもん沢山味わってきとるわ」
「あの方もですわね」
「ああ、間違いないわ」
 こう詠にも返す。
「あの人、アギトになって辛いもん一杯目の前にしとるわ」
「わたくしなぞよりも」
 詠はかつて斑鳩を憎むことだけで生きていた自分を思い出した、あの頃の自分はそれだけを考えていた。
 だが津上は違った、彼はというと。
「あの方はとても辛いものをアギトとなって見られて」
「それでじゃな」
「その中でもあれだけ優しくて」
「あんなことは出来んわ」
 日影は言った。
「わしもな」
「あれだけ辛くともそれを感じさせない」
「ほんま滅多なことじゃないわ」
「氷川さんにしても」
 春花は彼のことを言った。
「とても暖かい人だけれど」
「それでもだな、あの人も」
「幾度も大変な目に遭っていても」
 仮面ライダーになろうとしているその中でだ、氷川も辛いものを味わい見てきたのだ。だがそれでもだったのだ。
「目的を忘れずに」
「あたし達なんかよりもな」
 本当にだというのだ。
「ライダーの人達はずっと辛いものを受けてきたんだな」
「私のこれは」
 未来は自分の左目の眼帯に手を添えた、そして言うことは。
「大嫌いな奴等も。大嫌いな町も見ない為のものだけれど」
「あの人達はもっと辛かったんだな」
「それでもあれだけ優しいのね」
「滅多なことじゃ出来ないさ」
 それはとてもだというのだ、焔から見ても。
「だからあの人達はな」
「信じられるわね」
 春花が言った。
「一緒に戦っても。私達以上の地獄を味わったのにそれでもあれだけ優しい人達だから」
「そうだな、それでだけれどな」
 焔は春花に顔を向けて彼女に問い返した。
「蛇女も復興したみたいだけれどな」
「追っ手のことかしら」
「いや、それはまだ先だからな」
 彼等が来るのは、というのだ。
「とりあえずあたし達のやることはな」
「アルバイトかしら」
「それな。あと潜伏して学校にも通ってるけれどな」
 下手に何処にも通わないよりも学校に通っている方が怪しまれないからだ、だから五人共普通に学生としても生活を送っているのだ。
 だが、だ。その学校でもだというのだ。
「蛇女もだったけれど何でまだなんだろうな」
「ブルマのことね」
「今は半ズボンかスパッツだと思うんだけれどな」
 腕を組んで難しい顔になってだ、焔は言う。
「何でまたブルマなんだよ」
「あれはね。私もね」
「不思議だっていうんだな」
「ええ、今時ブルマっていうのも」
「半蔵じゃ体操服は選べるんだよな」
 だから斑鳩と柳生はジャージだったりスパッツだったりするのだ。
「何で今時ブルマなんだろうな」
「訳がわからないわね」
「全くだよ」
 こうした話をするとだった、詠も少し苦笑いになって言う。
「男の子達の視線が凄いですわね、体育の時間になりますと」
「気にせんでもええじゃろ、それは」
「気になりますわ。というか日影もスタイルいいのに」
 それもかなりだ、モデルもやれる程だ。
「困りませんの?視線に」
「気にならんからのう」
 だからだというのだ、日影にしてみれば。
「今時な」
「だからですのね」
「そうじゃ、そんなの気にならん」
「わたくしはかなり気になりますけれど」
「あんたは胸があるからのう」
「それは日影もですわ」
「わしより詠の方がずっと上じゃ」
 詠のその胸を見ながらの言葉だ。 
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