仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第九十二話 善忍と悪忍その五
「心が人でなくなる場合の絶好のサンプルです」
「そうだな、麻薬中毒と同じだな」
柳生はこう看破した、そのどーパメントを。
「力に溺れ、その中でか」
「心が人でなくなる者もいました」
「伊坂だな」
柳生はライダー達からこの男の名を聞いていた、表情はいつも通りだがそこには微かにだが嫌悪の感情も見えた。
「あの男がいい例か」
「そうです、私も一度会いましたが」
「最悪の男か」
「最早人ではなかったです」
北條から見てもだった、伊坂という男はだ。
「人の心を失った、真の意味での怪人でした」
「つまり怪人ってのはあれじゃな」
日影もわかった、そのことが。
「人の心をなくして心がそうなった奴なんじゃな」
「その通りです、心なのです」
それ次第だった、全ては。
「園咲家の者達はまだ人間でしたが」
「かろうじてだったがな」
葦原は彼等についてこう評した。
「父親も姉妹もな」
「けれど人間だったんじゃな」
「まだな」
人として留まっていたというのだ。
「何とかな」
「それではアンノウンが私達を襲う理由は」
春花はここまでの話を聞いて述べた。
「私達が人間であるかどうかを見てなのかしら」
「そうなります?この戦いでは」
「どうかしら、考えてみたけれど違うかも知れないわね」
詠に言う、言ってそこから考えると違うかも知れないと思いなおしたのだ。
「これまでの戦いのことを聞いていると仕掛けるにしても込んだことも好むみたいだし」
「では。何なのでしょうか」
詠は春花の言葉を受けて彼女も考えた、それを表情に出して首を傾げさせる。
「スサノオがアンノウンを使って私達に仕掛けて来る理由は」
「色々とあるのは間違いないですね」
飛鳥も言う。
「ショッカーから色々とやってきたみたいですから」
「まあそれでもな」
仕掛けてきてもだとだ、焔はここで不敵な笑みを見せて言い切った。
「勝ってやるさ、スサノオにな」
「焔ちゃんはそう考えてるんだね」
「津上さん達だってそうだろ?」
焔は津上にこう返した。
「あんた達だって負けるつもりはないだろ」
「それはね」
「だったら今回も勝つんだよ」
今もだというのだ。
「それだけだよ」
「そうだよな、それじゃあな」
焔はここで己の皿のブイヤベースを飲み干した、それから言うことは。
「美味い、もう一杯くれるか?」
「あれっ、ここで出ないんだ」
「今は腹ごしらえだろ」
焔は笑って氷川の突っ込みに返した。
「まだな」
「確かに食べることは大事だね」
「だから腹一杯食ってな」
それからだというのだ。
「出るさ、アンノウンを倒しにな」
「アンノウンは殆ど一体ですけれど」
出て来るのは、とだ。飛鳥が言う。
「それで戦ってるんですけれど」
「様子見だな」
それを聞いてこう言った木野だった。
「それは」
「じゃあいざという時は」
「そうだ、数も出してくる」
そうしてくるというのだ。
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