ヘタリア大帝国
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TURN84 山下の焦りその五
「その間連合は動けるか」
「半年なら無理です」
何処からか声がしてきた。
「彼等はもう暫く動けません」
「?この声は一体」
「明石大佐です」
日本が姿のない声の主を探し周囲を見回したベトナムに言った。
「大佐はお姿を出すことは滅多にないので」
「諜報部員だからか」
「そうです」
だからだというのだ。
「ですが我が軍の軍人なので」
「安心していいか」
「そうです」
「ならいいがな」
ベトナムもこれで納得した、そうした話をしてだった。
とりあえず連合のことは安心していいということになった、枢軸軍は今度はペルー、南米の入り口に兵を進めることになった。
この話になったところで急に山下が言って来た。
「いいだろうか」
「はい、何でしょうか」
「今度のペルー攻略戦だが」
山下は秋山に応えながら強い目になっていた。
「我が陸軍のみでやらせてもらいたい」
「あの、それは」
秋山は山下の主張に戸惑いながら言う。
「無理です」
「無理だというのか」
「はい、とても」
こう言って山下を止めるのだった。
「普段通り海軍がまず宇宙の敵軍を退けますので」
「そしてそれからだというのだな」
「そうです」
秋山は何とか山下を止めようと丁寧に話す。
「それまでは海軍にお任せしたい」
「陸軍は陸軍で艦艇を回してもらいたい」
「えっ、元帥今何と」
秋山は山下の今の言葉に一瞬我が耳を疑った、だがそれが間違いでないと己の中で確認してから言った。
「あの、陸軍が艦艇を持つのですか」
「戦艦に空母を持ちたい」
「それは無理ですが」
秋山は唖然としながらも山下に話す。
「幾ら何でも」
「出来る、既に旧式化した艦艇があるな」
「第四世代の艦艇等ですか」
「それを回してもらいたい」
「そして日本陸軍だけでペルーの攻略を」
「そうしたいのだ」
「それは」
秋山はここまで聞いて何とか落ち着きを保ちながら山下に述べた。
「無理です」
「何故だ」
「陸軍は艦艇とは専門外ですよね」
「既に訓練を積んでいる」
「そういう問題ではありません」
秋山も引かない。
「実戦経験がないですから」
「それは今から積む」
「ですからそれはあまりにも」
「何が言いたい」
「無謀です」
山下にはっきりと告げる。
「どう考えましても」
「ではどうしてもか」
「はい」
まさにそうだというのだ。
「諦めて下さい」
「あの、私もそれは」
日本も山下に言う。
「無理だと思います」
「祖国殿、しかしです」
「長官、落ち着いて下さい」
日本もかなり慎重に山下に言う。
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