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ドラクエⅤ主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?

作者:あさつき
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一部:超絶美少女幼年期
  四十話:王子様が拐われました

 部屋の中の隠し階段を、ヘンリーが下り。
 打ち合わせてる割にはやや乱暴な感じで、ヘンリーが連れ去られ。
 パパンに説明出来ないと困るので、連れ去られた方向とか、一連の流れを見届けて。

 衛兵さんたちとホールにいるパパンの元に急いで戻り、大声で言います。

「おとうさん!たいへんです!ヘンリーおうじさまが、へんなひとたちに!おへやの、かくしてあった、かいだんから!おそとに、つれていかれました!」

 それはもう、ホール中に響き渡るような、大声で。

 パパンに冤罪かけられないようにするためには、ここの衛兵さんたちに素早く事実を伝えて、裏で暗躍する誰かがなんかする前に、パパンの友人である王様に、伝わるようにしないとダメだと思うんですよね!

 たぶんヘンリーはアリバイ作りのつもりで、パパンをここに配置してくれたんだろうけど。
 それだけじゃダメだったのに、私が動くことで、事態が変わるというのなら。
 迫真の演技を以て、パパンが子供(わたし)を使って偽装工作してるなんて疑いを、欠片(かけら)も持たれないように!
 ヘンリー王子様が(さら)われて取り乱すパパスの娘と、娘を励ましすぐさま解決に向かうパパスを、しっかりと衛兵さんたちに印象付けておけば、きっと……!

「おとうさん、どうしよう!わたし、みてたのに!なんにも、できなかった!」

 涙を溢れさせて必死に訴える、私。
 本当、ある意味、必死です。
 潤ませるのはよくやっても、実際に涙を流すとか、あんまり無いし!
 私の演技に、人の命がかかってるから!

 パパンが、険しいながらも落ち着いた表情と口調で、励ますように問いかけます。

「ドーラ。落ち着け。王子を拐った奴等が、どちらに行ったか、わかるか?」
「は、はい。ほうがくとか、わからないけど。みてたから、そとにでれば、わかります」
「よし。案内してくれ」
「はい」

 衛兵さんの中の上位者と思しき人が、慌ただしく指示を飛ばしてます。

「お前は、伝令に走れ!お前は、パパス殿とお嬢さんに同行し、方角を確認して一旦戻れ!俺は、陛下に取り急ぎ報告する!」
「はっ!」

 背後に衛兵さんたちの声を聞きながら、パパンと衛兵さんの一人を連れて、ヘンリーの部屋に戻る私。

 これでとりあえず王様には伝わるし、王子救出に向かうパパンの真摯な姿も、ついてきた衛兵さんが証言してくれるかもしれないし。
 後は、王様を信じよう!
 ここまでされても呼びつけた友人の立場ひとつ守れない、役立たずじゃ無いって!!


 ヘンリーの部屋の隠し階段を通って一階に下り、裏口から城の外に出て。

「ここは施錠されているはずなのに、何故、開いているんだ!?」

 という衛兵さんの言葉も確認し。

 よし、これは外部から来たパパンには不可能な犯行であることを裏付ける、重要な証言ですね!
 しっかり伝えてね、衛兵さん!

 犯人がそこから筏を使って堀を渡ったこと、逃げた方角(連れてきたかったのでわかんないとか軽くウソ吐きましたが、ぶっちゃけ北東)を示します。

「ご協力ありがとうございます!では、自分は、報告に戻ります!」
「私は、先行する。捜索隊が整うのを待っては、手遅れになるかもしれない」
「……お気を付けて!」
「ああ。ドーラは、城で待て!」

 慌ただしく城内に引き返す衛兵さん、疾風のように駆け去るパパン。

 ……ついてこい!
 じゃ、無いんですよね。
 トラウマ克服したみたいだから、ちょっとだけ期待したけれども!

 やっぱり可愛い女の子なドーラちゃんは、大事に守りたいわけですか、そうですか。
 状況が許せば大事に守られるのも、いいんですけど。

「いきましょうか、モモ」
「ニャー」

 ええ、モモ、いました。
 特に触れてませんでしたけど、ずっといました!
 賢いからね、お城の偉いかもしれない人たちと話すとき、ずっと大人しくしてくれてたんだよね!

 それはともかく状況は私に、大事に守られることを許してくれません。
 ちなみにここで城に残った場合、ヘンリーひとりではゲマ相手に全く粘れないのであっさりやられて連れ去られ、パパンは王子救出が叶わずひとり城に戻り、城に残った私を人質に取られ自白を強要されて以下略な事態に。
 この場合でもゴールドオーブはなんだかんだ砕かれるので、そこは大丈夫(?)です。
 他にも色々と微妙に違う行動を取った場合の鬱ルートがありますが、ともかくそんなわけで追うしかないし、追うと決めたのです!

 私が男だったら、パパンも迷わずついてこいって言ってくれたんだろうに(言われるだけで置いていかれるけど)。
 女だったばかりに、言い付けを破る羽目になって。
 それがどんな結果を、どう見える結果を招くかを考えると、すごく心苦しいけれども。

 今さら迷う余地は無いので、すぐに目的地に向かいます。
 目指すは北東の遺跡、では無くて。

 武器屋に防具屋、ですけど。



 観光なんかしてる時間は無いとはいえ、急ぐなら余計に、準備は大切ですよ?と言ったのは、私だったか。
 全く、その通りですよね。
 適当な装備のままじゃ、目的地にたどり着くにもかえって時間がかかってしまうわけで。
 今回はさすがに、本当に準備だけ済ませてすぐ出ますけどね!

 妖精の村で防寒以外はケチったこともあって、懐は割と暖かいので。
 武器に関してはとにかく強いに越したことは無いので、私にチェーンクロス(パパンの指導が早速生かされないけれども)と、モモに鉄の爪を買い。
 防具は、見た目も性能も文句無いモモの毛皮のマントと、いい加減、皮の盾も無いだろうということで、私に鉄の盾を購入。
 鎧とか鉄兜は見た目がちょっとアレなのと、重くて移動遅くなりそうなので、今回は見送ることに。
 大人になったら、また考えよう。

 買い物を済ませ、特に人目を忍ぶようなことも無く、普通に城下町を出ます。
 ある程度の目撃情報はあった方が、面倒なことにならないような気がするし。
 人知れず姿を消すとか、ちょっと怪しいよね!


 襲い来るスライムナイトにまだ見ぬ仲間(ピエール)の姿を思い描きつつ、容赦無く薙ぎ払ったりなんだりしながら、北東の遺跡を目指します。
 今の私に、情など存在しない!(相手によっては、常に存在しないが!)
 あるのは、目的を完遂する、意志のみ!
 たぶん大丈夫だとは言っても、間に合わなければ全てが無駄になるんだから!

 パパンと、(ついでに)ヘンリーの元へ!
 急げ、私! 
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