| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?

作者:海戦型
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

騎士だってたまには羽目を外したいんです。その6

 
前書き
お気に入り登録300を突破の連絡をした矢先、いつのまにま400に届いてた。な、何を言ってるのか分からねーと思うが俺も(ry
皆、そこそこ評価されてるからってこの作品が面白いものと勘違いしてないか?絶対ランキングに騙されてるんだって。ほら一度飯を食って、風呂入って、寝て、もう一回この小説見てみ?絶対「あれ?そんなに面白くない?」ってなるから、絶対!え?ならない?おっかしーなー・・・夏休みが終わったせいか?それはあるかもなぁ・・・
 

 
ひゅん、と耳元を風切り音が通り抜ける。木刀が通り抜けた音だ。長剣による突きと見せかけて短刀による一撃を叩き込むのが本命。速度も相まって型通りの剣道しかしてない人間ならばひとたまりもなく敗北するであろう剣に、しかし相対する小さな少年は眉ひとつ動かさず首を動かすだけで躱してみせる。
そして、その瞬間に勝敗が決した。

剣道三倍段という言葉がある。自分よりリーチの長い武器を扱う相手と対抗するにはその三段は上の技量が必要という考えだ。しかしリーチがネックである以上は距離を詰めることさえ出来てしまえば勝てるという事。だからこそ美由希は自分よりもリーチの長い棒を使うクロエの攻撃を紙一重で回避して懐に入り込んだ時に自分の勝利を確信した。

・・・その一瞬の油断が、勝敗を分けてしまったようだ。

「・・・はっ!!」
「きゃあっ!?」

体当たりで。
驚くべきことに、未だ小学生で体も出来上がっていないクロエの体当たりは美由紀を紙切れのように弾き飛ばしてしまった。それでも一瞬で体勢を立て直して何とか着地できたあたりはさすがといったところか。

「うっそぉ・・・!?クロエ君体重何キロあるの!?」
「45キロ」
「重いよ!明らかに体格と釣り合ってないよ!!しかもその体重でも私の方が重いよ!?」

事も無げに返答するクロエに美由紀は理不尽を感じて全力で突っ込みを入れた。
ちなみに9歳男子の平均体重は30キロ少しほど。普通の子供より細身なクロエがなぜそんなに重いのかというと、それは単純に普通の人間と筋肉の質や密度が違うからだ。なお美由紀の体重についてはプライバシーのために伏せておく。
・・・ちなみに今回は美由紀の方が体重が重かったため怪我はなかったが、もしも彼女の体重が45キロ以下だった場合体勢を立て直すこともなく壁に激突していたところだ。

「お姉ちゃんは、狙いが分かり易過ぎです。一点突破は一度の接近で決めないとタイミングを計られちゃいます。初撃をしくじった時点で戦略を変えるべきです」
「うう、返す言葉もございません・・・」

年下に失敗を指摘されてへこむ小太刀二刀御神流伝承者候補。しかし「お姉ちゃん」という言葉の響きに密かにお腹の下あたりがきゅんとしている美由紀であった。



そんな二人を遠巻きで見ながら士郎は思う。
クロエの体当たりはただの体当たりではない。相手の重心移動を完全に見極め、筋肉の瞬発と踏み込みのタイミングを完璧に合わせ、肩をぶつける位置が最も相手の重心を崩しやすい絶妙な角度で命中している。言わばただの体当たりではなく技術としての体当たりだ。

(クロエに武術を教えた人には是非とも会ってみたいものだ)

何故クロエが道場で稽古をしているのかというと、美由紀がクロエの武術の腕前を知りたいと言い出したことがきっかけだった。格上である恭也にかすり傷とはいえ攻撃をあてたことが気になったのだろうが、結果はこの通りだ。美由紀も剣士としてかなり成長しているが、クロエはそれを上回っている。にわかには信じがたいが、こうしてみると真実であることがはっきり分かる。

結局クロエの槍術がどの流派なのかは分からずじまいだった。ダメもとで彼の動きを海外の武術家にも送ったがめぼしい情報は無し、そしてクロエの出生も全く手がかりはなかった。
唯の勘だが、恐らくもう見つかることはないだろう。

(もしそうならクロエはずっと高町家の一員でいられる・・・などと考えるのは、少し勝手かな?)

クロエが高町家の家族となってから早一週間。クロエは少しずつではあるが、この家に慣れてきていた。







「では、これより第一回海鳴市防衛会議を開始します・・・」

給食のお時間になり、クラスメンバーの数名が机を寄せ合って話し合いを始める。議長を務めているのはクラスメートの沖浦君だ。この集まりは何の集まりかというと、この前起きた怪鳥ロプロス事件をきっかけに結成したチーム、海鳴少年自警団の集まりだ。

あの鳥の事件の後、その場にいた由良、羽岡、沖浦、そしてクロエの4人はそれぞれ何が起きたかと自分が何者かを説明しあった。その後どうやらあの石が化け物を発生させたこと、クロエはそれを封印できることが発覚し、さらに由良の目撃証言で石が一つではないことが明るみに出た。
こんな危険な事件は大人に任せた方が、という意見は羽丘さんの「鳥のお化けが出た~って大人に説明して信じてくれると思う?」という最もな意見によって却下された。


全員での情報館で判明したことを報告すると、まず由良君は近所の家の近くの海岸に住む謎のおじさんから銃器の扱いを教えてもらい、そのおじさんから貰った銃を携帯していたのだという。
「そのおじさんいったい誰だったの?」
「知らね。元SATの隊員で現役時代は角の生えたミュータントと殺り合ったらしいぜ?嘘か本当か知らねーけどな」
その戦いで下半身を失ったらしく、現在は最新型の義足で普通に歩き回っているらしい。ちなみに武勇伝の方は彼の内縁の(幼)妻から聞いたそうな。一部では砂浜の守護者とも呼ばれているらしいが実際に呼んでいる人は見たことがないとのこと。


次は羽岡ちゃん。
お父さんが有名マジシャン、母親が元怪盗という謎家系に生まれたハイブリッドヒューマンで、マジックと怪盗の技術を合わせた全く新しいスタイルで泥棒の修行中らしい。トリを縛ったバトンがそれにあたるのだろう。
身体能力は現時点で既に忍者並みというトンデモ人間だ。
「てめぇ・・・やっぱり体育の授業、手ぇ抜いてやがったな?」
「ふーんだ!いっつもサボってる由良君に言われたくありませんよーだ!!」
仲がよろしいようで結構だ。でも泥棒は犯罪だと言ったら「義賊だからセーフ」らしい。いいのか?


最後に沖浦君だが、彼だけ要領を得ない回答だった。
何でもあの手の入れ墨はあの日以来出せるようになり、その日から自分が悪魔になって廃墟になった東京を暴れまわる夢を見るそうだ。夢の中の沖浦君は力に溺れて暴れ回った挙句、何をやりたいのかを見失って好きだった女の子に見限られ殺されてしまうそうだ。
「そういえば・・・夢の始まりではいつも金髪の子供と喪服のおばあさんが出てきて『君は悪魔になるんだ』みたいなこと言われたなぁ」
「それじゃ沖浦君の力は悪魔の力?」
「・・・入れ墨ってのはシャーマニズム的な儀式で入れることもある。その憑依させた力が『悪魔』ってな所か」
若干魔法のような力が使えるようになったらしく、後で確かめたら鳥に使ったのは攻撃力が下がる魔法だとか。ビーム撃つよりははるかに魔法使いっぽくて、僕満足。


「で、高町君のあれは何なの?」
「・・・僕も知らない。ただ、この髪飾りが僕に力を貸してくれる」
ネックレスに変えようとして取ったら桃子お母さんに怒られたため未だに髪留め形態であるゼルギウスさんの事を適当に誤魔化しながら説明した。困ったら記憶喪失をゴリ押しした。由良君以外みんな納得してくれた。由良君も追及を諦めて取りあえず信じてくれた。ちょろい!

と、話が脱線してしまったが重要なのはこれからだ。
そのゼルギウスさんが教えてくれたあの光る石の情報を分かるだけ説明。とはいっても何らかの強い願望や意志に反応して化け物になるというとこ位しかわからなかったけど、取りあえず今の所あれを安全に封印できるのは僕か僕と似たような力を使える人(ゼルギウスさん曰くなのはちゃんは多分できるらしいけど巻き込みたくないので黙っておこう)しかいないらしいので・・・

「危ないからあの石を回収して回ろうと思う」
「・・・いいぜ。流石に町を化け物に闊歩されても困るからな」
「未来の義賊としてそんな危ないものを放ってはおけないわね!」
「こんな僕にも、手伝えることがあるのなら・・・僕、やるよ!」

・・・あれ、意外にも満場一致でみんな手伝う気だった。一度は襲われただけにあれが危ないものということは分かっているのだろう。皆カタギじゃない(?)みたいだしまぁ何とかなるのか?

「こんな危険な代物、必ず誰かが回収しにくる。そいつからたんまり謝礼を貰うとするさ・・・ひひひっ」
「ドロボーの予行演習みたいなものよね♪」
「この力で僕は変わるんだ・・・今までの僕とは・・・!」

・・・本当に何とかなるのだろうか。沖浦君が闇堕ちしそうで不安になってきた。由良君はすでにアウトだ。そして話を詰めるうちにだんだんスケールが大きくなっていることに気付いたが、もはや僕にはやめられない止まらない。ポ○ンキーっておいしいよね。

「あ、そうだ!折角だからほかの皆にも手伝ってもらおうよ!涼宮さんと須田君とかこの手の変な話好きそうだよね?」
「遠山にも手伝ってもらうか。あいつ確か武偵志願だろ?後は・・・トラブル吸引機の徐倫を連れていくのもアリか」
「琴浦さんにも手伝ってもらったらどうかな?ほら、彼女の超能力があれば情報たくさん聞き出せると思うし!」
「情報と言えば相良もいいかもな。ミリオタのくせに妙に情報網広いし」
「後手伝ってくれそうなのは織斑君に吉井君に東風谷さんに兵藤君に・・・あ、あと春雪君も手伝ってくれると思うよ!」

・・・こうして、いつの間にか作戦決行時には学校内の30人以上のメンバーが集合することになっていた。もはやこれは一つのクラスを名乗れる人数である・・・本当に大丈夫だろうか?

(すっごく不安になってきた・・・)
≪というか、この学校には個性的な生徒が多すぎると思う≫

なんくるないさ。 
 

 
後書き
ジュエルシード VS 小学生軍団  気が付いたらこんな話になってた。

涼宮さん・・・世界はあたしで廻ってる
須田くん・・・未来の異界ジェノサイダー
遠山くん・・・桜吹雪が目に入ったら痛いじゃん
徐倫さん・・・やれやれである
琴浦さん・・・(>ワ<≡>ワ<)コシコシコシ
相良くん・・・パラレル世界におけるコッペパン軍曹
織斑くん・・・止まらないスピードでフラグを立てる
吉井くん・・・バカがテストで苦しんでるだけ
東風谷さん・・・常識はまだ投げ捨てていない
兵藤くん・・・鎮まれ、俺の中の赤龍(おっぱいドラゴン)よ・・・
春雪くん・・・太ったシモンと揶揄したら親友に爆笑された。沖浦君とはいじめられっ子仲間
andその他大勢の小学生たち。

陽色小学校の名前の由来は・・・
陽色=ひのいろ=ヒーロー=主人公だったりするが主人公以外の人もいる。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧