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FAIRY TAIL 友と恋の奇跡

作者:紺碧の海
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番外編5 マヤ編 叶わない誓い

 
前書き
イエーーーーーイ!!07だよーーーーー!!
今回は番外編第5弾!!最後だよーーー!!マヤ目線で書いていきます!!
それでは、番外編5・・・スタート!! 

 
リグリション島から帰って来て1ヶ月が経った。私はナツやハッピー、みんなのおかげで元気を取り戻せたからもう大丈夫!!もう絶対に泣かない!もう絶対に誰にも心配をかけない!もう絶対に誰も失わない!自分でそう心に誓った。

マ「あ、そうだ!お供えお供え。」

私は台所に行って、冷蔵庫から取り出したキムチを少し小皿に取る。その小皿を自分の部屋の窓際置く。こうしてるとフレイが来て食べてくれるんじゃないかな?まぁ、帰って来たらそのままで、変な臭いがするだけ何だけどね・・・その時、ピ~ンポ~ン♪と心地良い音を立ててインターホンが鳴った。たぶん、ナツとハッピーが迎えに来たんだ。玄関に行くまでにピ~ンボ~ン♪ピ~ンポ~ン♪と何度も鳴る。ナツとハッピーって、こんなにせっかちだったけ?

マ「はいはいはい、今開けるからそんなに慌てないでよ。」

ドアを開けると・・・

男1「火炎石を渡せーーーーー!!」

マ「キャアァァァァァ!!」

5~6人ほどの男がどっと家に押し掛けて来た。こいつ等も、火炎石を狙っているのっ!?私は部屋に逃げ込み、ドアが開かないように必死に押さえたけど、男5~6人の力に、私1人の力が叶うはずがない。男たちは部屋に入ると、容赦なく私を取り押さえた。

マ「放して!!放してったら!!」

必死にもがいても、男の力ははんぱない。1人の男がナイフを取り出した。

男2「でぇぇぇぇぇい!!」

ナイフは私に真っ直ぐ振り下ろされる。私はぎゅっと目を瞑ったその時、

ナ「マヤを放せぇぇぇっ!!!」

ハ「ハッピーアタァァァックッ!!」

男2「ぐほぉっ!!」

男3「ね、猫ォッ!?ぐはっ!!」

拳に炎を纏い、怒りのオーラを噴出したナツと、回転しながら男の頭に頭突きしたハッピーが部屋に飛び込んできた。

ナ「おらぁぁぁぁぁっ!!!」

男1「おふっ!!」

男4「あひょお!!」

ハ「てぇぇぇい!!」

男5「ギャアァァァ!!」

男たちはボッコボコ。頭や目にたんこぶが出来て変な顔になってる。

ナ「二度とマヤに近づくな。近づいたら、ただじゃおかねぇ。」

ナツが吊り目の目を更に吊り上がらせ、拳に炎を纏う。今のナツは、怒った時のエルザやユモそっくりだ。

男1「ひぃぃぃぃぃ!!」

男全「し、失礼しましたぁぁぁ~!!!!!」

男たちは破損したドアや窓から一目散に逃げていった。そのとたん、私は膝を着き、四つんばい状態に倒れた。

ハ「マヤ!?」

ナ「お、おい!大丈夫か!?」

ナツとハッピーが駆け寄って来る。私は膝を着いてしゃがんだナツの腕を摑む。

ナ「マ、マヤ?」

ハ「だ、大丈夫・・・?」

自分でも分かった。手が・・・体が震えているのを・・・

マ「こ、怖かったよ・・・」

涙が頬を伝って床に落ちる。誓ったのに・・・もう泣かないって、誓ったのに・・・私は恐怖と悔しさの大粒の涙をこぼした。気づいた時には、私はナツの腕の中で泣いていた。

ナ「泣きたい時には泣け。お前は、俺やハッピー、仲間が、必ず守ってやる。フレイとの、約束なんだ。」

ナツの抱き締める力が強くなった。フレイ・・・いつ、そんな約束したの・・・?

ハ「ナツ、とりあえずギルドに行こう。その方がマヤも安全だよ。」

ナ「だな。マヤ、歩けるか?」

マ「うん・・・ありがとう、2人とも。」

私は重い足取りで、ナツとハッピーに支えてもらいながらギルドに向かった。

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ギルドに着くと、

ユ「マヤ!?」

ル「ど、どうしたのっ!?」

ウェ「大丈夫ですかぁっ!?」

ユモとルーシィとウェンディがすぐに駆けつけて、グレイとリョウとエルザとショールとトーヤとシャルルも駆けつけてくれた。もう絶対に誰にも心配をかけない・・・これも誓ったのに・・・

リョ「どうしたんだよいったい!!」

ナ「火炎石を狙うやつがマヤの家に押し掛けて来たんだよっ!!」

ハ「男が5~6人来たんだよっ!!何とかナツとおいらで追い払ったけど。」

エ「火炎石だとっ!?」

ト「その事はギルドの人たちしか知らないはずなのにどうして・・・!!」

ショ「人間の耳は地獄耳だからな。どこかで情報を入手して、街中に広まったんだろうな。」

街中に・・・火炎石の事が・・・ドクンとショールの言葉に心臓が鳴る。

シャ「このままだと、マヤが危ないわね。」

グ「家にいても、街を歩いても、危険だな。」

ドクン、ドクンとまた心臓が鳴る。

マ「私、これからどうしたらいいの・・・?」

私はその場に頭を抱えてしゃがみ込む。

ウェ「そうだ!マヤさん、フェアリーヒルズに引っ越したらどうですか?」

ウェ以外「えっ?」

フェアリーヒルズって、エルザやウェンディ、シャルルやユモが住んでいる女子寮の事?

エ「確かに、女子寮なら男子禁制だからな。」

リョ「それに、ギルドに加入してる者以外の人も禁制だからな。」

・・・何で、女子寮の事をリョウがこんなに知ってるんだろう?まさか、覗いてたりして・・・

ナ「俺は引っ越しするのは反対だな。」

ハ「おいらも反対だよ。」

ト「何でですか?その方が、マヤさんも安全なんですよ。」

ナ「確かに安全だけどよ、マヤのベッドで寝れねぇし、マヤの部屋で筋トレもできねぇし。」

ハ「マヤが焼いた魚も食べれなくなるよ。」

ズコーーーーーーーーーーーッ!!!!!とその場にいた全員が盛大にずっこける。

ショ「お前等、不法侵入してたのか。」

ナ「ちゃんとマヤに許可もらってるから平気だ。」

ハ「あい。植木鉢の下にある合鍵を使って中に入っていいって言われてるんだ。」

ユ「マヤ、本当なの?」

マ「ほんとほんと。」

まぁ、勝手にベッドで寝ていいとゆう許可はしてないけどね・・・

ル「あんたたちねぇ、マヤの家とマヤの命、どっちが大切なのよっ!!」

シャ「あんたも魚とマヤの命、どっちが大切なのよっ!!」

ナ「マヤの命に決まってるだろっ!!!」

ハ「そうだそうだーーー!!」

グ「んじゃ、引っ越しで決まりだな。」

ナ&ハ「えぇーーーーー。」

ル「だぁーかぁーらぁーっ!!」

ナツとハッピーがずっと「ブーブーブーブー」言ってたけど、私の引っ越しが決まった。

****************************************************************************************

ナ「だはーーーっ!」

グ「ぶはーーーっ!」

リョ「どひゃーーーっ!」

ショ「お、重かった・・・」

引っ越しはみんなに手伝ってもらったの。私の家の家具で一番重いベッドを男4人に運んでもらったんだけど、やっぱり汗だくになってる・・・

ナ「はぁ、はぁ、このベッド、はぁ、こんなに、重かったのか・・・はぁ、はぁ、はぁ。」

エ「お前たち、休んでる暇があったらさっさと運ばないか。一刻も早くマヤを安全な場所に避難させるんだ。」

ナ&グ&リョ&ショ「あいさーーーーーーーーーー!!!」

あの~、なぜかエルザが一番張り切っている気が・・・ちなみに、私の部屋はユモの隣の部屋になった。

ユ「家賃は月に10万Jだからね。」

前の家より2倍も高いっ!!ルーシィみたいにちゃんと払えるかな?

ウェ「クエストを続ければ大丈夫ですよ。」

シャ「ルーシィの場合、ナツやグレイのせいで払えない時が多いけどね。」

そういえば、私がギルドに入ったばかりの時もそうだったなぁ~。

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ル「終わったぁーーー!!」

ト「疲れましたぁ~。」

家の家具は全部運び終えた。

マ「みんなありがとう。後は私がやるから大丈夫だよ。」

ユ「なんかあったらすぐに言ってね。」

ウェ「それじゃあ、明日。」

マ「うん!みんなありがと~!!」

ナツとハッピーとルーシィとリョウとグレイとショールとトーヤは自分の家に帰って行き、ユモとエルザとウェンディとシャルルは自分たちの部屋に帰って行った。私はみんなを見送った後、自分の新しい部屋に入る。ほんのり木の香りがした。

マ「とりあえず、今日はカーペットとカーテンと、ベットの位置を決めよう。」

オレンジ色のカーペットを敷いて、オレンジ色のカーテンを窓に取り付けて、ベットを窓の傍に移動させる。や、やっぱり、このベッド、重い・・・ベッドを移動し終えた時には、もう夜の10時になっていた。

マ「ふぅ。今日はこのくらいにして、続きは明日にしよう。」

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深夜2時ぐらいかな?新しい部屋のせいか、私はなかなか寝付けなかった。無理矢理目を瞑って寝ようとしたけど無駄だった。何度か寝返りを打っていたその時、カタカタカタカタ。

マ「!!?」

何かが小刻みに揺れている音が微かにした。恐る恐る振り返ると・・・カタカタカタカタとダンボール箱が音を立てて独りでに揺れていた。

マ「な、なぁ~んだ、ダンボール箱か・・・ってえぇっ!!?」

ダンボール箱が独りでに揺れてるっ!?も、もしかして、か、怪奇現象ッ!?私はベッドから下りて、恐る恐るダンボール箱を開ける。中には棚に置いてあった本や置物、ニーナとノーナが入っていた。別に音がするような物は何も無い。その時、

『マヤ・・・』

マ「!!?」

微かに自分の名前を呼んでいる声が聞こえた。

マ「だ、誰・・・!?」

『マヤ・・・』

今度はさっきよりはっきり聞こえた!ってあれ?この声、どこかで・・・

『私たちだよ・・・マヤ・・・』

その声の正体は、なんとなんとニーナとノーナだった!!すると、ニーナとノーナが宙にふわりと浮かび、白い光が辺りを包み込む。光が消えると、私の目の前にはウェンディとトーヤと同い年くらいの、青緑色の髪に、黒い瞳の女の子と男の子がいた。それは紛れもなく、

マ「ニーナ!ノーナ!」

あの時のニーナとノーナだった。私は2人に抱き付く。

マ「2人とも何で?魂(ソウル)の魔法は解けたはずじゃ・・・」

私の問いに、笑顔のニーナが答える。

ニ「魂の魔法が解けたら、一度だけ人間の姿になれる事が出来て、願いが1つ叶える事が出来るの。」

マ「へぇ~。」

じゃあ、2人の願いは人間になる事?今度は笑顔のノーナが答える。

ノ「違うよ。僕たちはマヤの願いを叶えるんだ。」

マ「えっ?」

私の・・・願い?

ニ「マヤの今の願いは、火炎石の事?」

マ「!!やっぱり、知ってたんだ・・・」

ノ「うん。僕たち、その願いで火炎石を取り除いてあげるよ。」

マ「本当!?」

ニ&ノ「ほんと。」

信じられない・・・!火炎石を取る事が出来るなんて・・・!

マ「あ、でも、2人はいいの?たった1つの願いを私の為に使っちゃうなんて・・・」

ニ「私たちはマヤに助けられた。」

ノ「だから今度は、僕たちがマヤを助ける。」

私は、なんて素晴らしい仲間を持っているんだろう・・・!あ、また涙が・・・

ニ「泣くのは火炎石を取り出してからにしようよ。」

ノ「涙を流すなんて、マヤらしくないよ。」

マ「う、うん、そうだね・・・!」

私は手で涙を拭う。

ニ「それじゃあ、準備はいい?」

マ「いつでもOK!!」

私が頷くと、ニーナとノーナは同時に目を閉じた。

ニ「願い、我等の恩人、マヤ・ララルドの体内に眠る火炎石を取り出す・・・」

ノ「その願いを叶えるため、我等の命を捧げる・・・」

マ「え・・・?」

命を・・・捧げる・・・?

ニ&ノ「願望魂ッ!!(ウィッシュソウル)」

その瞬間、私の体が白く光輝き、何かが私の体内に突っ込んでいったような痛みが走った。

マ「ッ!!」

その痛みは、だんだん体の外に引っ張られていく。そして、痛みが消えた瞬間、私は前に倒れた。ゆっくり起き上がると、私の目の前には、炎のように赤い卵くらいの大きさの石が転がっていた。この石が、火炎石・・・私は火炎石をそっと拾い上げる。

マ「本当に、取り出せたんだ・・・!ニーナ、ノーナ、ありが・・・!!」

お礼を言おうとして私は2人を見て驚いて言葉を失った。2人の体が所々透けている・・・

マ「ニーナ!?ノーナ!?」

ノ『その願いを叶えるため、我等の命を捧げる・・・』

マ「!!!」

私はさっきノーナが言ってた言葉を思い出す。まさか・・・!!

マ「私の願いを叶えるために・・・2人の命を捧げたって事・・・!?」

ニ「そうだよ。」

ニーナが笑顔で答える。

マ「そ、そんな・・・2人は、それを分かっていて、私の願いを叶えようとしたのっ!?」

ノ「そうだよ。」

ニ「最初に私たちが死ぬって教えたら、マヤは絶対に願いをしないと思ったから黙ってたんだ。」

な、何で・・・何で、私の為に・・・命まで捧げるの・・・?私の頬に涙が伝う。これで何回目だろう・・・?今日流した涙の数は・・・

ニ「もう時間だ・・・」

ニーナとノーナが足から消えていく。

マ「嫌だっ!!ニーナ!ノーナ!行かないで・・・!!」

私は2人に手を伸ばす。2人は優しく、そっと私の手を握り返してくれる。

ニ「最後に、マヤとお話が出来て、マヤの役に立てて、よかった・・・」

ノ「僕たちを、助けてくれて、ありがとう・・・」

マ「待って・・・」

2人の体はすでに腰の辺りまで消えていた。

ニ「あの時、マヤが助けてくれなかったら、私たちは灰になっていた・・・」

ノ「僕たちを、炎から救い出してくれたと同時に、闇からも、救い出してくれた・・・」

マ「ニーナ・・・ノーナ・・・」

すでに胸の辺りまで消えていた。

ニ「マヤ、あなたには仲間が、家族がいる・・・あなたを、見守って、助けてくれる・・・」

ノ「僕たちも、マヤの心の中で生きている・・・マヤを見守って、助ける・・・」

マ「嫌・・・消えないで・・・!お願い・・・!」

首まで消えていた。

ニ&ノ「ありがとう・・・そして、さようなら・・・!」

2人は光のちりとなって跡形もなく消えた・・・

マ「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

****************************************************************************************

ユ「マヤ!?」

エ「何があったっ!?」

ウェ「マヤさん!?」

シャ「どうしたのよいったいっ!?」

私の雄叫びを聞いて、駆けつけてくれたパジャマ姿のユモ、エルザ、ウェンディ、シャルルの心配する声は、私の耳には一切入っていなかった。私はただ、両手両膝を床に着いて、ニーナとノーナが消えた所で呆然としていた。

マ「・・・誓ったのに。」

ユ「えっ?」

涙が、震えが、止まらない・・・

マ「もう、絶対に・・・誰も、失わないって、誓ったのに・・・!」

エ「マヤ・・・」

マ「誓え・・・なか、った・・・」

私は力尽き、その場に倒れる。

ウェ「マヤさん!?」

シャ「ちょっとっ!!しっかりしなさいよっ!!」

エ「急いで病院に運ぶんだっ!!」

ユ「マヤッ!!マヤッ!!マヤァァァァァァァァァァッ!!!」

・・・微かに聞こえる、私の名前を呼び続ける、いろんな人の声・・・微かに感じる、私の体を必死に揺らす、いろんな人の温もり・・・私の光が射し込んでいない左目から涙が流れ落ち、頬を伝った。私の意識はそこで完全に途絶えた。私の右手には、満月に照らされた火炎石が、しっかりと握り締められていた・・・ 
 

 
後書き
番外編5終了~!!いかがでしたでしょうか?かなりシリアスになってしまいました・・・
次回からは本編がスタート!!今回のお話に続くように書きます。ですから、マヤが病院に入院してるところからスタートすると思います。
それでは、第101話でお会いしましょう~!! 
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