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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0353話

 ネギと高畑の激闘とも言える戦いが終わり、1時間程。ようやく次の試合である神楽坂と桜咲の戦いが開始されていた。ここまで試合開始が長引いたのは高畑とネギの試合で舞台がかなり破壊されていたからだ。その修理を思えば、1時間というのはある意味短いだろう。
 エヴァもネギの怪我の様子を見に行った後は戻ってこないので俺1人でその試合を眺めている。いやそれはいい。いいんだが……

「何でメイド服になってるんだ?」

 何故か先程までは普通に制服を着ていた筈の2人が、両方ともメイド服に着替えていたのだ。そしてそのメイド服の状態で神楽坂はいつものハリセン、桜咲はデッキブラシで打ち合っている。
 と言うか、神鳴流は武器を選ばずとは言ってもデッキブラシはやりすぎじゃないか? いや、武器を選ばないという範囲が俺の思っていたよりも広いのか? ならお玉とか百科辞典、あるいは温度計とかを使っても戦えるんだろうか?
 そんな風に馬鹿な事を考えているうちに、試合は思わぬ展開を見せていた。

「……神楽坂が桜咲と互角にやり合っている、だと?」

 そう。神鳴流を修めており、尚且つ半烏族という種族的特徴すら持っている桜咲と神楽坂が互角にやり合っているのだ。いや、勢いに関して考えれば神楽坂の方が押していると言ってもいいだろう。
 だが、何故だ。確かに神楽坂は普通の人間としては桁外れの身体能力を持っていると言ってもいい。しかしそれはあくまでも一般人としての話であり、桜咲と互角にやり合える程の身体能力を持っている訳では無いのだ。

「いや、これは……まさか……」

 そう、俺はこれと同じようなものをさっきのネギと高畑の試合で見ていなかったか? それは、本来反発し合う筈の気と魔力を合成する技術。即ち。

「咸卦法」

 そんな俺の予想はその後の試合ですぐに正しかった事が証明された。何しろ神楽坂自身が堂々と目の前で使って見せたのだから。

「……何故神楽坂がそれを使える? エヴァの話によるとそう簡単に習得できる技術では無い筈なんだが」

 そんな風に疑問を感じつつも、試合の成り行きを見ていると再び試合の流れに変化が起き始めた。神楽坂がまるで桜咲の動きを読んだかのように攻撃を回避しつつ的確に反撃を始めたのだ。
 そしてその状態を見て何となく理解する。

「これは……誰かが後ろで糸を引いてるな」

 咸卦法という桁外れに難易度の高い技術を使える。……これはまぁかなり難しいが、もしかしたら万に一つ、億に一つという可能性はあるかもしれない。高畑とネギの試合を見て何かを掴んだとか。だが、戦闘経験。これだけは才覚や才能が幾らあっても実際の戦闘を重ねて経験を積まなければどうしようもないものだ。少なくても、神楽坂の経験してきた戦闘で桜咲とああも互角に渡り合うというのはまず無理だろう。
 桜咲の攻撃を回避した神楽坂が肩で体当たりをして桜咲のバランスを崩す。同時にハリセンを畳んだ状態のまま倒れた桜咲の首もとへと突きつけていた。

「誰かは知らないが、操ってる奴はかなりの腕だろうな」

 本格的な戦闘の経験は修学旅行での一件しかない神楽坂をああも見事に動かし、歴戦の剣士と言ってもいい桜咲と互角に戦わせているのだ。操っている者の戦闘経験は下手をしたら俺よりも上だろう。

「こらーっ! 桜咲刹那! 京都神鳴流の剣士ともあろう者が、咸卦法でちょっとパワーアップしただけの素人になにを手こずっている! さっさと倒してしまえ! 負けるなど私が許さんぞ!」
「……ん?」

 唐突に聞こえてきた怒声。その聞き覚えのある声に視線を向けると、そこにはあの怪しいクウネルとかいう奴の首に跨がってその頭をガクガクとさせているエヴァの姿があった。

「知り合いなのか?」

 少なくてもあの状態を見た限りではクウネルとエヴァが全くの初対面という事はないだろう。そうなると魔法関係者、か。
 エヴァのあの様子からするとそれなりに親しそうだし、マギステル・マギの類ではなさそうだが。

「ん?」

 そんな風に考えていると、またもや試合で新たな展開が生まれていた。

「おいおいおいおい、いいのかあれ」

 神楽坂の持っている武器がハリセンから巨大な剣へと変わっている。恐らくあの剣が神楽坂本来のアーティファクトなのだろう。だが……
 振り下ろされた大剣。桜咲はその一撃を回避し、神楽坂の懐に飛び込んで空中に浮き上げ、そのまま投げ飛ばす。
 床へと叩き付けられた神楽坂は一瞬意識を失い、持っていた大剣が本物の刃物であると認定されてそのまま反則負けになるのだった。

「ま、試合の流れはともかく結果は順当なものだったな。……ん?」

 桜咲と神楽坂が試合会場から降り、次の試合の選手であるエヴァが会場に上がってくる。だが、その身に纏っている雰囲気は先程までクウネルに絡んでいたソレではなく闇の福音と呼ばれるもののソレだった。

「一体何があった?」

 まさに一変。今のエヴァは恐らく本気の高畑にも匹敵する戦闘力を持っているだろう。それは当然山下某といったただの一般人にどうこう出来る相手でもなく、試合開始直後に一撃を食らいダウンさせられてしまった。
 そこからは20分の休憩を挟んで第2回戦が始まると朝倉からの放送があり、飲み物でも買うべく移動をする。……否、移動をしようとした所で突然目の前に現れた人物がいる。

「……何か用か?」
「いえいえ。キティが貴方の事を妙に自慢するので一度話してみたいと思っていたんですよ」

 クウネル・サンダース。その巫山戯た名前から言っても、あからさまに偽名だろう。

「キティ……エヴァか?」
「ええ。ご存じありませんでしたか? エヴァンジェリン・アタナシア・キティ・マクダウェル。エヴァの本名です」
「不死の仔猫、か」
「そういう感じですね。それより、貴方については前々から話は聞いていたんですよ」
「話だと?」

 俺の存在を知っている者はそれ程多くはない筈だ。それを知っているとなると……
 頭の中で目の前の男と繋がりのありそうな人物をリストアップしていく。とは言っても前々から俺の話を聞いていたとなると容疑者はかなり少なくなる。即ち。

「学園長か高畑」
「正解は前者ですね」

 近右衛門の関係者か。

「で、俺に何の用だ?」

 俺のその質問に、一見爽やかに見えるような笑みを浮かべながら口を開く。

「ですから一度貴方と話してみたいと思っていた。純粋にそれだけなんですよ。これはお近づきの印です」

 渡されたのはまだ開けられていない缶の紅茶だった。なるほど、俺の好みも調査済みか。
 受け取った紅茶のプルタブを開け、よく冷えたそれを口の中へと流し込む。

「おや、意外に警戒心が強いと聞いていたんですがね。あっさりと受け取ってしまっていいのですか? もしかして何かの薬が入っているかもしれませんが」
「気にするな。並大抵の毒や薬は俺に効果がない」

 元々アクセルの身体が人外に近い程に丈夫だったというのもあるのだが、今の俺はそこに鬼神と上級悪魔を吸収しているのだ。それこそ人に対しての致死量レベルの毒や薬を盛られてもちょっと味がいつもと違うな? と思うくらいには毒や薬には耐性を持っている。

「……まぁ、いいでしょう。君はネギ君と仲がいいと聞きましたが」
「それこそ誰の情報だ? 前は仲が良かったかもしれないが、今は一種の冷戦状態だぞ」
「フフフ。さて、それはどうでしょうかね。少なくてもネギ君はそう思ってもいないようでしたが」

 紅茶を喉に流し込みながら目の前の男の様子を観察する。
 取りあえずこちらに対する敵意は無いと判断してもいいだろう。実際飲み物にも特におかしな物は入っていなかったしな。

「で、お前の本名は?」
「本名?」
「ああ。クウネル・サンダースなんてどう考えても偽名だろうに」
「……貴方は京都で詠春には会ったんですよね?」

 ここでその名前が出て来るとなると……

「なるほど、ネギの親父の友人か」
「正解です。アルビレオ・イマ。……ただし、クウネル・サンダースの方が気に入ってますのでそちらで是非そちらで呼んで下さい」
「……ふん」

 アルビレオの言葉を鼻で笑い、目の前の男を観察する。どこがどうとはっきりは言えないが、違和感があるのだ。

「あらら。嫌われてしまいましたか?」
「己を偽って近付いてくる奴相手に友好的になれ、というのはちょっと調子が良すぎないか?」

 呆れたような口調を演出しつつ、男のステータスを表示する。能力値の数値は特化した物がないとは言っても、軒並み高水準だ。バランス型や万能型と言ってもいいだろう。あやかが目指すべきステータスと言ってもいい。そしてスキルの覧には魔法(重力)、魔法(治癒)、そして……コピー体?
 重力魔法や治癒魔法というのはどういう効果が容易に想像がつくが、コピー体? 普通に考えるのなら長瀬が使うような分身をより高度にした技術や魔法と考えられる。
 俺が感じていた違和感というのも、目の前にいるアルビレオが本体ではないというのによるものだろう。

「さて、何の事でしょうか? 私は特に偽っているつもりはないのですが」
「……そうか。それならそれで構わんさ。紅茶はありがたく貰っておく」

 これ以上話す必要は無いと判断し、その場を立ち去る。あの男と話している間に休憩時間の20分は殆ど使ってしまったのでもうすぐ2回戦が始まるだろう。その2回戦の最初の戦いがこのアルビレオと小太郎だ。そこでゆっくりとこいつを見させて貰うとしよう。

「そうですか、残念ですが仕方ありませんね。では、準決勝でお待ちしています」

 ペコリ、と礼をして次の瞬間にはまるで今、目の前にいたのが嘘だったかのようにその姿が消え去っていた。

「ふん、隠す気があるのかないのか」

 恐らくあれがコピー体としての能力なのだろう。好きな所に自由自在に消えたり現れたり出来る訳か。まさにトリックスターだな。
 紅茶を飲みながら試合会場へと戻り……そこで流れている映像に目を疑う。

「……何を企んでいるんだ、超」

 試合会場修復までの時間潰しの為に流されている映像。それはこの武道大会の1回戦の様子だった。それはいい。1回戦の殆どはあからさまに魔法を使った戦いはなかったのだから。だが、グッドマンの戦い。そして何よりもネギと高畑の戦いではかなりの頻度で魔法が使われており、それを録画して会場に流すとなるとまるで魔法の存在を皆に公表しようとしているようにも見える。

「もしかしてそれが狙いか?」

 この世界の魔法使い達は基本的に秘匿義務を持っている。もし超の狙いが、それを破って魔法の存在を世間に公表する事だとしたら……

「いや、考え過ぎか」

 そもそも、魔法使い側だって自分達の存在がバラされそうになった時にそれを阻止する為の手筈くらいは整えてあるだろう。超の目的がもし世間に対する魔法バレだとしてもそう簡単に成功するとは思えない。
 微妙に何かを感じたが、その何かを深く考える前に朝倉の声が周囲へと響き渡った。

『では、2回戦を始めさせて貰います! 第一試合は怪しい、怪しすぎるその名前! と言うか、あからさまに偽名だろう! のクウネル・サンダース選手と何故か本戦に残っている子供参加者の1人、犬上小太郎選手の試合となります!』

 観客を煽るような朝倉の放送に、会場の修理で静まっていた観客達のテンションも再度上がっていく。
 そんな様子を見る俺の近くへと小太郎が近付いてきた。

「へへっ、ここで勝てばアクセルの準決勝の相手は俺や。楽しみにしてるでっ!」
「小太郎、相手を甘く見るなよ。あの男は相当に強いぞ」
「分かってるわ。油断なんかせえへんで初っぱなから全力で行く」

 俺の言葉に軽く手を振って試合会場へと出て行く小太郎。修学旅行の時といい、今回といい、あいつは狗族の血を引いてる割には敵の強さを感じ取る能力が鈍いんだよな。……いや、今回の場合はアルビレオが力を隠すのが上手いと言うべきか。
 小太郎も一撃を食らえば相手の強さを感じ取るだろう。
 試合会場の中で向き合っている2人の姿を見ながら、半ば確信的に小太郎はこの試合で負けるだろうと判断するのだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:655
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    異形化

撃墜数:380 
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