ソードアート・オンライン stylish・story
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第四十一話 交錯する想い
前書き
遅くなりました。申し訳ないです!!そしてグダグダ感が半端ないです。それでもよろしければ、どうぞ!!
修也は明日奈の見舞いを終えて自分の家に帰宅するとベットに腰掛けた。
「しっかし・・・どうも引っ掛かるな。彼女達の表情は何か似たような雰囲気を持っていやがる」
修也は今日見た【彼女】の表情とある【少女】の表情を重ねていた。
修也自身その関係には何となくだが気付いて来ている様だった。しかし確証はないため考える事を止め、先日約束した時間より少し早いがALOにインする事にした。
「ALO内でリアルの話を持ちかけるのはマナー違反だが、どうしても知りてぇ。玉砕覚悟で聞いてみるか・・・ナーヴギア、リンクスタート!!」
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「はっ・・・ここは昨日泊まった宿か」
シュウはベットから起きると背伸びをするように体全体をほぐした。するとすぐに別のログインエフェクトが出てくるとそこにはキリトが立っていた。
「オッス、シュウ。早かったな」
「俺も今来た所だ。キリト、悪ぃが頼み事をしてもいいか?」
「何だ?」
「もうすぐ、リーファがインしてくる筈なんだけどよ?リーファと二人きりで話してぇ事があるから少し席を外しててくれねぇか?」
キリトはシュウの真剣な表情を見てそれを承諾し、フレンド登録を行った。
シュウ達三人は世界樹の都市【アルン】を目指す事で精一杯だったため、お互いのフレンド登録をまだ済ませてなかった。登録しておけばそのキャラがインしているのかいないのか、確かめる事も出来るがそれをやっていなかったため別々に行動すると肉眼で見つけないとならないので一苦労だった。
「これでOKだな。それじゃ、また後で会おうぜ?」
「悪ぃな、キリト」
シュウとキリトは登録を済ませるとキリトはユイを起こして店までのナビを頼み、部屋を出た。キリトは先日お金を殆どサクヤ達に渡してしまったため、無一文に等しかったため、シュウがお金を少し渡して置いたみたいだった。
そして数分後、リーファがログインして来てシュウが挨拶を交わすが表情が暗かった。
「リーファ?どうしたんだ?」
「シュウ・・・君。私・・・」
リーファは俯いた顔を上げ、シュウと面と向かったがその表情はあの時の彼女の顔そっくりだった。
(間違いねぇ・・・リーファは)
「私・・・失恋しちゃった」
リーファは崩れた表情から何としても笑顔に戻したが彼女の心の現われ・・・涙だけは笑顔になっても止まる事はなかった。
「ご、ゴメンね?みっともない所見せちゃって」
「ゲームだから感情を出しちゃいけねぇって決まりはねぇよ、リーファ。泣きたい時は泣けばいい。それを咎める権利は誰にもねぇ」
シュウやリーファの目に留まっている涙を右手で優しく拭うと穏やかな表情でリーファの隣に座ると向き合う。
「シュウ、君。う、う、うわぁぁぁ!!」
リーファはシュウの言葉に心の堰が崩壊したのか彼の右肩で声を張り上げながら涙を流した。
数分後、落ち着きを取り戻したのかリーファはシュウから離れる。
「もう大丈夫だよ」
「悲しいや悩み事があれば相談しな。何時もで聞いてやるよ」
「ありがとう。シュウ君って優しいね」
「泣いてる女を見捨てる程、俺は無粋じゃねぇよ。ましてや大切な仲間はな。んで・・・これからどうするつもりなんだ?リーファ」
「ゲームの中でリアルの話をするのはルール違反だけど、私が落ち込んでる時にある人が言ってくれたんだけど、その好きな人以外でも私を見てくれている人が居るから気を落とすなって。そしてもう一つ言ってくれた事は・・・」
リーファは思い出すように自分の考えを改めてくれたあの人の言葉を口にしようとしたがシュウが先に口を開く。
「・・・割り切れ。でないと見えるものも見えない」
「っ!?」
シュウがその言葉を言い放つとリーファは驚愕の顔を浮べるとシュウに尋ねる。
「どうして・・・どうしてシュウ君がその言葉を!?」
シュウは問いかけるリーファを無視して立ち上がるとオールバックの髪型を下ろし、リアルの髪型に直してリーファに尋ねる。
「この髪型と話し方、覚えはねぇか?・・・直葉ちゃん」
「もしかして、修也・・・さん?」
「ご名答。んで、君がキリトって呼んでるあいつが兄の和人だ」
シュウ自身も心が大きく傷ついているリーファに現実を突きつける事は如何に酷な事だと言う事は理解していた。しかしシュウはリーファの正体が直葉と言う事に気付いた時から何時か二人の事がバレるのも時間の問題だと察し、嫌われる事を承知でリーファに現実を突きつけた。そしてもう一つの現実を話すためにも・・・
「そんな・・・あんまりだよ。酷いですよ・・・修也さん。お兄ちゃんの事を心の中で押し込めようとして修也さんの言う通り、変わろうとしてたのに」
「落ち着いて話を聞いてくれ、リーファ・・・」
「こんな事なら・・・誰も好きにならない方が良かった。私の事を、誰も」
「スグ!!」
シュウはリーファに現実を突きつけた罪悪感と壊れていくリーファにらしくもなく我慢出来なくなり、正面から彼女を抱き締めた。リーファは何が起こったのか分からずに呆然としていた。
「俺は君に言った筈だ。和人だけじゃねぇ、あいつ以外で君を見ている奴が入るって事を!」
「でも、でも!私はその人を知らない!私はその人の温かさや優しさを知りません!!」
「温かさと優しさなら・・・今、君に与えてるじゃねぇか」
リーファは自分の心にないものをシュウにぶつけるがシュウの先程の言葉と今の抱き締めている事・・・つまり【温かさと優しさ】を感じたリーファは落ち着きを取り戻したのか少し穏やかな表情になる。
「修也さん・・・それって」
「悪ぃな。俺は不器用だからこんなやり方でしか俺自身の気持ちを伝える事が出来ねぇ。俺は・・・君が好きだ」
シュウはそう言うと片手でリーファの後頭部を支え、より強く自分の方に引き寄せた。リーファもゲームでは他のプレイヤーの体温を感じる事はないが、シュウの温かさと優しさに嬉し涙を流しながら、両手をシュウの腰に回しそれをもっと感じた。
「嫌か?・・・スグ」
「いや・・・じゃないです。嬉しいです、修也さん」
「そうか。ありがとな」
そう言うとシュウとリーファは一旦離れて向き合った。二人とも流石に恥かしかったのか顔を少し赤く染めていた。
「修也さん。私の事を好きって言ってくれて本当に嬉しいですけど、少し時間を頂いても良いですか?」
「ああ。俺は何時でも待ってるぜ?それとここではシュウだ。そこん所はよろしくな?リーファ」
「うん!シュウ君!これからもよろしくね」
「こちらこそよろしくな」
二人は先程のわだかまりを消し飛ばす様な笑顔を浮べて、握手を交わした。そしてキリトの位置を確認してその場所に行こうとすると・・・
「おじさん!!リーファさん!!」
と大声を上げながらピクシー状態のユイが寝室に飛び込んできた。シュウはユイを両手の上に乗せると問いかけた。
「ユイ!?何かあったのか?それに・・・キリトは?」
「パパが・・・パパが一人でグランドクエストに挑みに行きました!!」
「えっ!?」「何だと!?」
二人は血相を変えて、ユイに何故そんな事になったのか経緯を聞きながら急いで移動し始めた。
後書き
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