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ヘタリア大帝国

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TURN82 ケツアル=ハニーその四

「だから言えない」
「そやねんな」
「そうだ、しかしあの国だが」 
 柴神もアステカ帝国のことを言う。
「普通の国とは全く違うことは間違いない」
「それは間違いないですね」
 東郷も明石から送られた資料を見てそれはわかっていた。
「普通の戦い方では苦戦するでしょう」
「宇宙怪獣にも気をつけてくれ」
「ううん、見たところだけれど」
 怪獣に詳しい総督もこう言う。
「中南米には道の怪獣も多いね」
「多いどころではないな」
 ここでこう言う柴神だった。
「最早な」
「そうですね、これは」
「長い間見ていない間に」
 柴神はこうも言う。
「えらく増えたな」
「中南米は未開の地でもあります」
 総督は学者としての一面も見せる。
「迂闊に入ってはいけないです」
「その通りだ、ここはだ」
「はい、ここはですね」
「星域を慎重に攻略していこう」
「まずはメキシコだな」
 アメリカが言う。
「あの星域ならまだわかるぞ」
「そういえばアメリカさんメキシコさんとは」
「友達だぞ」
 こう日本にも答える。
「長い付き合いだぞ」
「そうでしたね」
「最近見ないと思っていたんだ」
 その見ない間に、だったのだ。
「アステカに入っていたんだな」
「ではまだメキシコは」
「話が出来るぞ」
 そうだというのだ。
「もっとも南米は僕もわからないがな」
「そういえば中国さんの別荘も」
 日本は今度は中国に顔を向けた、彼は太平洋や欧州の各国、ある国だけを除いて別荘を持っているのだ。
「中南米には」
「ないある」
 中国は難しい顔で日本に答えた。
「というか行ったことがないある」
「そうですか」
「あそこは本当の秘境あるからな」
「だからですね」
「無理ある、韓国も無理だったあるが」
 それはその『ある国』である。
「あそこには行くことすら無理だったあるよ」
「そうした世界だからこそ」
「何もわかってきていなかったある。そもそもあのハニワも訳がわからないあるよ」
「趣味がめっちゃ変態なんや」
 ここで言ったのはスペインだった。
「SMとか好きですぐに割れてな」
「割れる?どういうことですか?」
 ユーリはスペインの今の言葉に怪訝な顔になって問い返した。
「それは」
「ハニワって身体が陶器でな」
「陶器の生命体ですか」
「硬うてビームとかには強いんや」
「それで陶器だからですか」
「割れるんや、けどな」
 割れはする、しかしだった。
「簡単にくっついて復活するんや」
「不死身ですか?」
「死にはするけれど簡単には死なへん」
 そうだというのだ。 
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