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ヘタリア大帝国

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TURN82 ケツアル=ハニーその三

「アステカ帝国のことですが」
「これから戦争するとこやな」
「あの国のことを詳しく知りたいのですが」
「あそこなあ。変な国やからな」
 スペインはアステカ帝国についてまずこう言った。
「何ちゅうかな」
「近代国家とはまた違う国ですね」
「欧州や太平洋と同じ様に思ったらあかんで」
「やはりそうですか」
「あそこにはハニワもおるし宇宙怪獣もおる」
「宙形もですね」 
 惑星で言う地形である。
「それもまた」
「ごっつけったいや」
「惑星はジャングルばかりですね」
「降下する際は気をつけるんや」
 惑星も厄介だというのだ。
「しかもそこにはえげつない生き物がわんさとおるしな」
「巨大な蛇や高圧電流を出す鰻ですね」
「他にも鰐とかピラニアとかな」
「恐ろしい生物にはこと欠かないですね」
「魔境やで」
 まさにそれだというのだ。
「あそこは生半可やないで」
「降下しても危険ですか」
「宇宙怪獣自体めっちゃ多いしうぽぽ菌とかイナゴとか台風とかもな」
 災害も多いというのだ。
「後な、これ俺もはっきり確かめてへんけれどな」
「他に何が」
「エアザウナの家っちゅうか巣もあるな」
「あの大怪獣の」
「そや、それっぽいな」
 スペインもこのことは真剣な顔で話す。
「やばいことやけどな」
「ううむ、そのことが事実だとすると」
 日本も深刻な顔になって言う。
「まずいですね」
「そやろ」
「中南米は恐ろしい世界とは聞いていましたが」
「多分そっちの想定以上やで」
「人間もいるにしても」
「人間とハニワ、怪獣が混住してるんや」
 それが中南米、アステカ帝国だというのだ。
「それでそこの皇帝やけどな」
「ハニワが皇帝とは何だ」
 レーティアが少しいぶかしながら問うた。
「あれは」
「ああ、あれな」
「人間族が皇帝ではないのか」
「あそこはちゃうねん」
「そうなのか」
「ポルコ族とかおるやろ、それぞれの国に」
 人間族以外の種族もだというのだ。
「それでや」
「たまたまハニワがいてか」
「で、国家元首になってるだけや」
「そうか。しかし」
 常識派のレーティアはスペインの話を聞いても頷く。
「訳のわからない世界もあるのだな」
「人間だけが種族ちゃうからな」
 この辺りこの世界は複雑だ。
「っちゅうか人間ってこっちの世界じゃ後から出て来た種族みたいやで」
「そ、それはな」
 柴神はスペインの今の話に首を捻る。
「その様だな」
「そういえば柴神さんそういう話は」
「いや、それはだ」
「知らへんのかいな」
「あまりな。よく知らない」
 何かを隠している感じだったがそれでもこの辺りは誰も気付かなかった、レーティアにしてもそうだった。 
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