俺はどうやら死んだようだ
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ファルエシナ魔法学園に入学しました
新学期っていろいろあるよね
準備?いいえ戦闘です
前書き
場所は変わって町はずれの荒野へと転移した神崎とキドラ。
ただ、荒野に神崎の姿はなく、キドラが一人佇んでいる。
「どこだ人間!隠れても無駄だぞぉ!」
以下らに身を任せ、火属性と思われる魔法を荒野のあらゆるところに放つキドラ。彼のプライドは町で神崎に不意飛ばされて醜態をさらした時に大きく傷つけられていたのだ。その怒りをでたらめな魔法を放つことによって発散させているのだろう。
「そんなに叫ばなくてもいいぞ。俺はお前の後ろにずっといるんだからな」
その声が聞こえた瞬間キドラは今までに感じたことのない恐怖を感じた。そして同時に大きく横に跳び得体のしれない恐怖から逃げていた。否、逃げずにはいられなかった。
「お前に選択肢を二つくれてやるよ」
ゆっくりとキドラに近づく神崎。それと同時に神崎から離れようと後退するキドラ。しかしすぐにキドラは絶望的状況に直面する。キドラの後退はキドラ自身が放った魔法により崩れた岩山の瓦礫により止められる。
ゆっくりとキドラに近づき、神崎は淡々と語りだす。
「一つ目の選択肢は大人しく魔界に帰ることだ。二つ目の選択肢は…」
いったん言葉をとめ右腕を大きく後ろに引く神崎。次の瞬間、彼のこぶしがキドラの頬を掠め岩山へと突き刺さる。
ドガァァァン!
大きく音をたて崩れ落ちる岩山。
「俺に殺されるかだ」
突き刺さるような鋭い視線と共にキドラに向けられる殺気。キドラは先ほど感じた恐怖が、神崎から発せられる殺気だったことに気付いた。恐怖心を抱いてしまったものに残された選択肢は一つしかなかった。
「うわぁぁぁぁぁ!」
情けない叫び声をあげ走り去っていくキドラ。その哀れな後姿を苦笑いを浮かべながら見送る神崎。
「よし一件落着だな。速く戻らないと佳奈がうるさいな…。転移」
先ほどまでのさっきなど微塵も感じられないほどの笑顔を浮かべ、町へと転移する神崎であった。
「はい到着!無事だったかミーナ?佳奈は大丈夫だろ」
偶然にも俺が転移したのはベンチに座って休むミーナと佳奈の目の前だった。
「失礼な!佳奈だって無事じゃないかもしれないんだぞ!」
「大丈夫だよ神崎君。ははは…」
俺の発言が不満なのか、グルグルと両手を回しながら池被いてくる。そんな佳奈の頭を押さえながら佳奈の進行を止める。その光景を目にして若干引きながら苦笑いを浮かべるミーナ。引くな引くな。
「じゃあ私まだ用事があるから帰るね。バイバイ神崎君!」
足早に住宅街に去っていくミーナ。手を振りながら見送る俺をみて佳奈が拗ねたような表情を浮かべているが、何故だ。まあ、いいか。
「よし!それじゃあ気を取り直して俺の買い物行きますか!」
「そのことなんだけど…」
急にバツの悪そうな表情になる佳奈。どした?
「実は神崎君が入学するために用意するものはないの…。でも私、神崎君と買い物がしたかったから、どうすればいいか慶ちゃんに相談したら『そんなもん適当に嘘ついとけばいいんだよ』って言ってたからつい…ごめんなさい」
佳奈の頭をなでるように手をのせる。俺に怒られると思ったのかビクッと肩を震わせるかな。そんな佳奈に出来るだけやさしく声をかける。
「バーカ。俺と買い物がしてえなら正直に言えばいいだろーが。そんな嘘つかなくたって佳奈の頼みなら、いくらでもつきあってやるよ。じゃあラジェルマに帰るぞ。顔あげろって」
「うん!ありがとね神崎君!
佳奈の百万ドルの笑顔は見事に俺の心を打ちぬいた。今ならしんでも後悔しねえ…。
その夜、ラジェルマには鬼咲の悲鳴が響き渡った。
後書き
鬼咲に制裁を加える神崎。その最中、神崎はあることに気が付く。
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