俺はどうやら死んだようだ
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ファルエシナ魔法学園に入学しました
新学期っていろいろあるよね
入学準備は当事者より親とかのほうが気合入ってるよね
前書き
見事と特訓を乗り越え、ラジェルマ№2の強さをてにした神崎。
神崎は今入学のために愛咲と町に買い物に来ている。
大通りを行きかう人々が作り出す大波にもまれながら、神崎と愛咲は何とかはぐれることなく買い物を続けていた。神崎の手には女性用の衣服がパンパンに入った紙袋が両手を塞いでいる。かたや愛咲の手にはクレープやらソフトクリームと言ったスイーツが器用にもたれている。
「あの佳奈さん?今日って俺の入学準備のための買い物だよね?」
「そだよー」
一回考えよーか。俺の両手には佳奈が買った(俺に買わせた)服が大量に持たされていて、佳奈はクレープ食べている。この状況を見て俺の入学準備をしていると答える奴がいたとしたら一回病院で見てもらうのが得策だと思う。だって俺、自分のもの一個も買ってないからね!?別に金はあるから佳奈に服を買うのは何とも思わないけど、一戸ぐらいは自分の物買わせて欲しいよ。
「佳奈、そろそろ俺の買いも「あ!神崎君あの服可愛い!ちょっと見に行こう!」…はい」
一目散に服屋へ走っていく佳奈。よくこの人ごみの中をスイーツ片手に走れるよな。しかもさっき買ったクレープもう完食してるし…。
「はぁ…またこんな感じの店かよ…」
ピンクを基調としたその外観は、いかにも『女の子』と言った雰囲気があふれ出していた。男ならわかると思うが、こういう雰囲気の店は非常に入りにくいものだ。女性にわかりやすく心境を伝えるならば、男感丸出しのラーメン屋に一人で入るくらい気まずいってところだろう。
「神崎くーんこの服どうかなー?」
店の中から上半身にフリフリの服をあてがった佳奈が首をかしげて出てくる。こういう感じの服はあまりすきじゃないんだけどな~…。ま、人の好みにとやかく言うのは無粋だしな。
「いいんじゃないか。俺ちょっと他の店見てくるから欲しいのあったらこれで会計済ましとけよ。じゃあ」
ギルドカードを佳奈に手渡し足早に店を出る。佳奈が何やら騒いでいたが聞こえなかったことにしよう。これ以上あの店にいたら俺の頭がおかしくなる。さーて自分の買い物でもしますか。一応現金もそれなりに持ってきたので入学に必要なものは買えるだろう。さてと…。
「俺はいったいどこで何を買ったらいいんだ?」
実は買うものも、それがどこに売ってるのかも俺は知らない。だって町何て来たの今日で二回目だし!?三週間ずっと依頼漬けの日々だったし!しょうがなくね!?「キャーッ!」ほんとキャーだよ。ん?何故に悲鳴?
気が付けば行きかう人々が一斉に同じ方向に走り出していた。人々の進行方向とは反対の方向にその原因はいた。
「この薄汚い人間どもがぁ!お前らなどこの世界には必要ないんだよ!よってこのキドラ様がお前らを掃除してやる!手始めにこの小娘を八つ裂きにしてやろう!ぐえっへっへっへっへ…」
気持ち悪い笑みを浮かべる二足歩行のトカゲみたいな魔族は、人質の女性の首筋に自身の舌を這わせている。気持ち悪。てかあの人質ミーナじゃね?
「神崎君!これどういうこと!?」
佳奈が両手に大量の紙袋をもって駆け寄ってきた。人の金で遠慮なく買い物してんなコイツ。でもちょうどいいとこに来た。
「事情はあとで説明するわ。取りあえずあの魔族を連れて転移するから、あの人質のケア頼むわ」
バヂヂヂヂヂヂ!パァアン!
魔族に向けて放ったボルトランスが魔族の放った衝撃はによって打ち消される。一瞬だが魔族の注意がミーナから俺に向けられる。
「誰だ貴様!このおグハッ!」
俺は一瞬で魔族の正面まで距離を詰め、何か言おうとしていた魔族を蹴り飛ばす。魔族はミーナを残し10メートルほど吹き飛ぶ。
「神崎君?え何で神崎君がいるの?」
突然の俺の登場にあたふたするミーナ。そうこうしている間にも魔族がさっきを向けて俺たちの方に向かってくる。
「詳しい説明は後だ。あっちにいる愛咲って人と安全なとこに避難しててくれ」
俺が佳奈を指さすとミーナは頷き、すぐに佳奈のもとへ走っていく。
「誰が逃がすものかぁぁぁぁ!」
距離を詰めていた魔族が俺の横を駆け抜け、鋭い爪を突き出す。
「お前、俺の姿が目に入らねえのか?」
魔族とミーナの間に転移し、突き出された魔族を腕を掴む。腕を掴まれたことに驚いているのか、俺のさっきを浴びて固まっているのかはわからないが、魔族の動きが静止する。
「場所、変えようか?」
そのまま俺は魔族を連れて、町のはずれの荒野へと転移する。
後書き
楽しい買い物のはずが、戦闘するはめになってしまった神崎。
神崎は魔族相手に特訓の成果を確かめようとしている。
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