IS《インフィニット・ストラトス》 ~死神の序曲~
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本編
お昼休みと放課後の喧騒
前書き
どうも!最近また新しい小説を書き始めたりしているCDSです。
今回の話はお昼休みと放課後の話になっています。
ただ少しイベントが入れ替わったりしていますがそれは少し作者の思惑があるのでお許しを。
では本編をどぞ!
~レイside~
通信も終わり、授業の終了時刻までまだまだ時間があったので自室でゴロゴロしていると、授業が終わったのか、一夏からメールが着ていた。
僕はそれを見ると、一夏からみんなで屋上でお昼を食べようとのお誘いだったのでOKと返事を返してから弁当を持って屋上へ向かった。
そしてそこに着くと笑顔の一夏と何故か少し落ち込んでいる箒、2人して笑顔のセシリアさんと鈴お姉ちゃん、苦笑しているシャルルさんがいた。
…何だろう……ものすごく…入りづらいです…。
「怜!こっちだ!こっち!」
僕に気付いた一夏がそう言って手を振って呼んでくるので無視をするわけにはいかず、仕方なくシャルルさんと鈴お姉ちゃんの間が少し空いていたのでその間に座る。
一夏が残念そうな顔をしたのはたぶん見間違いだろう。
「で?これはどういうことなの?」
「どういうことって?」
一夏にこの状況のことを尋ねてみたら質問の意味が分からなかったらしい。
「みんなでお昼を食べるなんて誰の発案なのかなって」
僕がそう言うと一夏が答える。
「いやぁ、最初は箒がお昼を一緒に食べようって誘ってきたんだよ。まあせっかくだったから大勢で食った方がうまいと思ったし、シャルルも転校してきたばかりだからちょうど良いかなって思ってみんなを呼んだってわけだ」
それを聞いた瞬間に僕は箒が落ち込んでいて、セシリアさんと鈴お姉ちゃんが笑顔の理由が分かった。
この一夏の鈍感はどうにかならないもんかねぇ?
そう思い軽くため息をつく。
「で?そのお弁当と酢豚の入ったタッパー、それにバスケットに入ってるサンドウィッチは何?一夏の作ったものには見えないけど?」
僕がそう尋ねると一夏が軽く笑いながら答える。
「これか?弁当は箒、酢豚は鈴、サンドウィッチはセシリアがくれたんだ。いやぁ、幼馴染みと友達って良いよな」
それを聞いた時、僕は心の中で箒達を労った。
そして一夏の言葉を聞いた3人は一夏を睨み付けていたが、一夏は気が付かずにいる。
それを見て隣のシャルルさんが僕に対して喋りかけてきた。
「ええと長岡さんだっけ?これって本当に同席して良いものなの?」
「本当は私達はお邪魔だとは思うんだけど、一夏が鈍感でそれに気付いてなくて私達を誘ったんだからこれは仕方ないと思うな。それと怜で構わないよ。その代わりにシャルルくんって呼ばせて貰っても良いかな?」
「うん良いよ。よろしくね怜」
「よろしくシャルルくん♪」
一夏の姿を見て、シャルルくんとの共通の認識が出来た。
そして僕もお腹が減り出したので今朝作っておいたお弁当を取り出して蓋を開ける。
すると、シャルルくんが弁当の中を見て僕に言う。
「うわぁ、美味しそうだね。これが日本料理かぁ…少し貰っても良いかな?」
僕はそれに了承し、煮物のタケノコを箸で取り、シャルルくんに差し出す。
「はい、あ~ん」
「えぇ !? え、えっと、あ~ん………うん!美味しいねこの煮物」
「口にあって良かったよ。その代わりにシャルルくんの唐揚げを貰うよ」
「良いよ。まあこれは市販の物だから気が引けるけどね」
僕はシャルルくんと仲良くおかずを交換して笑いあった。
僕とシャルルくんの行動を見た箒とセシリアさんは目が光り、一夏と鈴お姉ちゃんはシャルルくんにつめよって腕を掴んで階段の方に消える。
それを見た箒とセシリアさんは残念そうな顔をしていた。
うん?
一夏と鈴お姉ちゃんはいったいどうしたんだろうね?
~レイsideout~
~シャルside~
えっと僕はさっき、怜とおかずを交換しあって楽しく昼食をしていたら一夏と凰さんから腕を掴まれてみんなから見えない階段のところまで引きずられた。
僕が2人に何故こんなところまで引きずってきたのか尋ねようとしたけど、一夏と凰さんの顔を見て止めた。
鬼のような顔で何故か赤い涙のようなものを流していたからだ。
それゆえにそのことの方が気になってしまい、そのことを尋ねる。
「え、えっと、どうしたの2人とも?顔が物凄く怖いよ?」
そう言うと2人が顔を合わせ、頷いたかと思うと笑顔になり僕を見つめてくる。
…目は全然笑ってなかったけど…。
「俺はさ、怜ってちょっと腹黒い所もあるけどピュアなやつだと思うんだよ」
「う、うん…」
一夏が話す時に妙な迫力を持ちながら僕を見る。
「それに漬け込んであ、あ~んとか羨ま……ゴホンッ! けしからん!全く持ってけしからん!」
「え、え~…」
要するにただの嫉妬だよね?これ?
「そうよ!アタシだって怜に『鈴お姉ちゃん……は、恥ずかしいんだけどあ、あ~んってしてくれないかな?ダメ?』って上目使いで言われてみたいわよ!」
「……え~……」
僕はそれを聞いて一夏も凰さんも何か色々と末期だと思った。
だってねえ?これはただの八つ当たりなんじゃ……。
「「八つ当たりなんかじゃない!」」
「うわっ!」
何か心の中で呟いたことまで見抜かれた !?
「で、どうなのよ?」
「そうだ、どうなんだ?」
「ど、どうなんだって何が?」
僕がそう聞き返すと『ダメだコイツ、分かってない』みたいな感じでため息をつかれた。
うん、僕がイラッとしたのは悪くないよね?
「だ、だからあ~んされてどうだったかを聞いてんのよ!」
「その時はドキドキしたとか幸せな気分だとか色々あるだろ!」
「あ、あ~…」
ねえ?僕が2人のことを物凄く面倒くさいと思ったのも悪くないよね?
ま、まああ~んについてはびっくりしたし少しドキッとはしたけど本当は僕は女だから女の子にああいうことされてもそんなに一夏が言うようには感じなかったかな。
それに怜もお遊び感覚でしていたっぽいし。
「う~ん、特に何も…」
「「はあ !?」」
「ひっ!」
僕が答えた瞬間に2人がまた鬼のような顔でつめよってくる。
な、何?
す、凄く怖いんだけど。
「…一夏…」
「…鈴、俺も思っていることは同じだ」
「え?」
な、何?
何なの?
「「このプレイボーイがぁー!」」
「違うよー!」
僕はこの日から一夏と凰さんに苦手意識を持ったんだ…。
~シャルsideout~
~レイside~
あの後、シャルルさんは疲れた様子で帰ってきたので大丈夫か聞いたところ、「…怜さんも大変だね…」と言われた。
何だったんだろう?
まあそれ以外だとセシリアさんの料理が殺人料理だったと僕が知った時に、僕がセシリアさんにちょっとだけO☆HA☆NA☆SHIをしたくらいでお昼休みは何事もなく終わった。
そしてその日の放課後。
「さて、今日はどうしよっかな~」
いい加減にかんちゃんと仲を深めても良いし、シャルルさんと仲良くなっておいても損はないし、ラーちゃんにもいつ正体をバラすかなぁ…。
と色々考えていると曲がり角から声が聞こえたので注意を向ける。
この気配はラーちゃんと織斑先生かな?
それと反対側の曲がり角では一夏がいるみたいだね。
「なぜこんなところで教師など!」
「やれやれ…」
口論かな?
まあ予想はつくけど。
「何度も言わせるな。私には私の役目がある。それだけだ」
「このような極東の地で何の役目があるというのですか!」
ふむ、極東の地ねぇ?
あまりそういう言い方は良くないと僕は思うんだけどなぁ?
「お願いです、教官。我がドイツで再びご指導を。ここではあなたの能力は半分も生かされません」
「ほう」
うん、今の反応で分かった。
織斑先生、ラーちゃんの言い分に少しキレてるね。
「大体、この学園の生徒は教官が教えにたると人間とは思えません。意識が甘い上に危機感にも疎く、ISをファッションか何かに勘違いしている奴等ですよ?」
「そこまでにしておけよ、小娘」
あ~あ、怒らせちゃった。
まあラーちゃんの性格上仕方ないかな。
「少し見ない間に随分と偉くなったな。15歳でもう選ばれた人間気取りとは恐れ入る」
「わ、私は…」
ようやく織斑先生がキレてるって分かったのか黙りしちゃった。
「さて、私は仕事がまだ残っているのでな。これで失礼させてもらうぞ」
「き、教官!」
ラーちゃんが呼び止めるのも聞かずにそのまま去るのかと思ったら、織斑先生がふと何かを思い出したように足を止め、ラーちゃんに喋りかけた。
「そういえばお前に聞こうと思い忘れていたことがあった。朝、長岡を他の人物と間違えていたな?名前は同じだったが。レイとは何者だ?」
「そ、それは…」
これはちょっと所かヤバイかもね。
織斑先生に正体を勘付かれたら困るし介入させてもらうよ。
「あれ?どうしたんです織斑先生とラウラさん、こんな所で?」
~レイsideout~
~千冬side~
私がラウラに質問したのはレイという人物についてだ。
私の勘だが、ラウラのレイという人物は長岡と何らかの関係があるのではないかと思ったのだ。
そしてラウラに尋ねようとした時に長岡が現れた。
「あれ?織斑先生とラウラさん、どうしたんです?こんな所で?」
さも偶然のように現れたがこのタイミングで出てきたことを考えると偶然とは考えない方が良いだろう。
そして何らかの関係があるという考えは間違っていないと私は思った。
「すいません教官、失礼します!」
「おい、ラウラ!」
私の引き止めも聞かずにラウラは走り去ってしまう。
「あ、あれ?私邪魔者でした?」
「いや、構わん。お前が出てきたタイミングで大体黒だと分かった」
「え?何のことです?」
長岡は本当に分からないという顔でこちらを見る。
もしかしたら本当に偶然なのでは?という考えが頭をよぎるが切り捨てる。
…コイツは…。
「織斑先生、顔怖いですよ?せっかく綺麗なお顔なんですから笑顔でいきましょうよ。笑顔で」
「…長岡…」
「はい?」
「何を考えている?」
私がそう尋ねると一瞬だけ長岡は無表情になり、それを見た私は背筋が凍りつくような寒さに襲われた。
だが、長岡はすぐに笑顔になり、それと同時に背筋を襲った寒さはなくなった。
そして長岡は私に喋りかける。
「前にお伝えした通りです。なので警戒しないでください」
「だが!」
私が少し声を荒げて言ってしまうと長岡が近寄ってきて耳を寄せるようにジェスチャーするのでしゃがむ。
「…一夏が見ているから大声では言いませんが、私の邪魔をしない限りは何もしないのでご安心を…」
「!!!!!」
私はそれを聞き、すぐに立ち上がり長岡を睨みつけるが長岡はそれを飄々としながら受け流す。
「では織斑先生またです♪」
そう言った後に長岡は寮に帰っていく。
それを見送り、一夏に注意だけをして私も職員室に移動した。
ふと空を見上げると、空は綺麗な夕焼け空だったが少しずつ黒雲が夕焼け空を黒く染め上げていった。
~千冬sideout~
後書き
というわけで一夏と鈴を暴走させたり、ラウラのイベントを早めに持ってきました。
少しシリアス風にラウラのイベントを入れてみたんですがうまくいったかな?
それとそれとない伏線を入れてみましたが気がついた人もいるでしょうね…。
そして今回のあ~んはレイくんに悪気はありません。
まあ次回の話ですが、次回もシャルとラウラが中心の話になります。
ただもしかしたら簪も出てくるかも?
ではでは皆さんこの辺で!
再見♪
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