| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法少女リリカル木乃香

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第二話 山猫と龍使い

 
前書き
過去へ向かう最中に事件が。 

 
高天原

おやおや、面白い事をし始めたな、俺としては別に意地悪するつもりはないからな、そうだ、転移するなら丁度良い事件があるじゃないか、死にそうな山猫と転移空間で正面衝突なんて面白いよな。それに小龍使いの幼女に会わせるのも一興か、楽しみだね。



どこだか判らない次元のジャングル

うちと、五人の守護騎士達は過去へ戻る為に転移したんやけど、今訳の判らんジャングルにいるんや、何故そうなったかと言うと。

「みんな転移するで」
「「「「「はい」」」」」
そしてうちの力でこじ開けた次元の狭間を通って過去へ進もうとした所で、何故か現れた猫に当たって次元に亀裂が入ってこの場所へ放り出された訳や。

当たった猫は、瀕死の状態でピクピクしてる所や。
「主、木乃香、この猫は使い魔のようです」
又、リインは尺定規な言い方を、けど使い魔の猫って、まさか猫姉妹か?

「リイン、そんで、どんな塩梅なんや?」
「かなり衰弱して消えかかっている状態です」
ありゃ、冗談や無く死にそうなんや。

「どうやら、パスが繋がっていませんから、主に放逐されたか、それとも主が亡くなったかですね」
弱ったな、猫姉妹やったら非常にやばいや無いか。
「リイン、飼い主の情報を仕入れられない?」

「一寸お待ちを」
そう言って、リインは何やら猫をサーチし始めた。
「どや?」

「プレシアとかフェイトと言う単語が出ているんですけど、それ以上は衰弱が酷くて」
プレシアとかフェイトって、ちとまて、この猫、もしかしてリニスかも…………うわー何たる偶然っていうか、此も神様も仕業かもしれんな。

「主、木乃香、どうしましょうか?」
乗りかかった船やしゃあない、取りあえず、うちがパスを繋いで助けよう。

「リイン、取りあえず、うちがパス繋いで魔力供給するわ」
うちが、そう言うとリインが心配そうな顔をしてくるんや。

「主、木乃香、万が一と言う事も有ります、お止めに成った方が」
「リインは心配性やな。“袖すり合うも多生の縁”と言うやろ、それに此処で見捨てるのは“義を見てせざるは勇無き成り”や」

「主、木乃香が仰るのであれば」
そう言う、リインに頼んでパスを繋いでもろうて、魔力供給開始や。みるみる魔力が注がれて消えかかっていたリニス(仮)の状態が安定してきた。

「主、木乃香、もう大丈夫なようです。あとは安静にさせて置けば、遠からず目を覚ますでしょう」

「リイン、お疲れや」
「とんでもありません、主、木乃香の為ならば、この程度の事、如何様にでも行いましょう」
んー、リインは相変わらず堅物やな。

「このちゃん、此処はいったい何処なんだろうな?」
ジッと辺りを警戒していたヴィータが事態が落ち着いたのを見計らって質問してきたで、意外にも姿はロリだが、ヴィータの精神は大人なんやね。

「判らへんな、ジャングルやけど、地球のジャングルと植生もちゃうし、次元世界の何処かやろうと思うけど」

「主、このちゃん、付近をサーチしましたが、シャマルは今だ発見できません」
今度は、唯一行方不明のシャマルを探しておったシグナムも帰って来た。

「念波でも連絡不能なんか?」
「はい、気絶しているのか、この次元に居ないのかです」

弱ったで、ウッカリシャマルを放置しておいたらどんな被害を与えるか判らへんし、どないして探そう。

因みにザッフィーは犬形態で番犬状態や。
「主、犬ではなく狼です」
おう、口に出してへんのに、雰囲気で判るとは、やるなザッフィー。

「犬も狼も同じ様なもんや」
「はぁ」
諦めたかのように、耳を垂らすザッフィー。

「仕方ないわ、暫くは此処で猫の体力回復を待ちつつ、シャマルに念波送り続けていくで」「「「「はい」」」」






あるジャングル

私が、フリードと共に村を追い出されて早くも二週間が経ちました。寂しいですけど、仕方が無い事なのです。あーあ、お腹減ったな。

すると突然、私の前に空の彼方から何かが降ってきたのです。
“ドカン”と言う音と共に、地面に突き刺さるその物体、その物体の墜落による土煙で辺り一面、目も開けられない程です。

暫くして、土煙が薄くなったのでよく見たら、地面に空いた穴から人の足が突き出ていました。私は怖くなって逃げ出したくなったけど、足がピクピク動いていたので、この人、生きてるから助けなきゃとフリードに手伝って貰って、掘り出しました。

そして、今私の前に、金色の髪をしたお姉さんが気絶していますが、どうしたら良いのでしょうか?一応息はしているので大丈夫だと思うのですが、取りあえず頭に水で絞った布を当てて様子を見るつもりです。




シャマルです、何故か気が付いたら、ジャングルで横になり、子供に看病されていました。いったい何があったのかしら?

「あっ、お姉さん気が付きましたか?」
ボーットする頭で、当たりをキョロキョロ見回すと、ピンク色の髪の毛の幼女が心配そうに私を見ていました。

「うううーん、此処は何処かしら?」
「お姉さん、此処はアルザスですよ」
「アルザスって?」

「知らないんですか、第6管理世界 アルザス地方ですよ」
「管理世界……」

『シャマル、シャマル、聞こえるか?何処にいるんだ?』
あっリインフォースからの連絡だわ。
『こちらシャマル、第6管理世界 アルザス地方に居ます』

「えーと、お姉さん、どうしたのですか?」
いけない、キャロちゃんが、心配そうに私を見てるわ。
「知り合いが、念波で何処にいるかって連絡してきたのよ」

「へー、お姉さんって凄いんですね」
『シャマル、こちらで確認した結果、お前の居る地点は、当方から見て5000kmほど南南西だ』

『了解しました』
『で、飛べるか?夜天の書のメディカルチェックに因ると、長距離転移が難しい様だが』
『確かに、魔力、体力的にも違和感があるのですけど』

『暫し待て、主、木乃香へ相談する』

暫く待たせれていると、幼女が心配そうに尋ねて来た。
「お姉さん、連絡はどうですか?」
「えーと、此処から5000kmほど離れた所に仲間がいるみたい」

「そうですか」
何か寂しそうに喋る幼女。
『シャマル、主、木乃香からだ、其方へ向かうのでマーカだけ出してくれと』

有り難いです、流石に5000kmの転移は辛いですから。
『宜しくお願いします』
『ああ、暫く待っていてくれ』


「こっちへ来るって」
「そうですか」
幼女がにこやかに笑う。





うちらが、シャマルの居場所を発見し、南南西へ5000kmほどだと知り、更にこの世界が第6管理世界だと知ったけど、この時は記憶の隅にもこの世界の事を覚えていなかった。

リニス(仮)を影倉庫に安置して全員で長距離転移をしたら。シャマルが幼女を連れて、出迎えてくれた。

「シャマル、とうとう誘拐までするようになってしもうたとは、此もうちが、社会勉強させる前にここへ来てしもうたせいやな、全てうちが悪いんや!」
取りあえずお約束のボケをかましたら。

「ちちち違いますよ、この子は私を助けてくれたんです」
「それで、可愛くなって、攫ってきた訳やな」
「おいおい、シャマル、犯罪はやべーぞ」

シャマルがつっこまんで、ヴィータが更にボケてくれたで、流石はヴィータや。
「違いま~す。私が気絶している所を助けてくれたんです」
「そなんか、ありがとうな」

「この子のお陰で、助かりました」
「そんな、私もあの森の中で途方に暮れていた所でしたから」

ん、ピンク髪で、小龍を連れているって、やばい、この子キャロ・ル・ルシエじゃない?未だ決もうた訳ではないやけど、取りあえず自己紹介やな。

「うちの名前は、八神はやてって言うんやけど、貴方の名前は何と言うのかしら?」
「はい、私は、キャロ・ル・ルシエって言います。この子はフリードって言います」

グファー、ビンゴや。ロト6より当たりが低いのを2つも引き当てるなんて、第一時代が合わへん、リニスは確かにこの時期やけど、キャロは数年ほどあとの話や、こりゃ絶対神様が仕組んだはずや。

「キャロちゃん、ありがとうな」
「いいえ、当然の事をしただけですから」
「小さいのに偉いのー。所でこんな人も住まへんような森で何をしていたんや?」
知っているけど、一応は聞かんとあかんやろう。

うちの質問に悲しそうな顔をしながら、キャロはポツリポツリとその身に起こった境遇を話し出した。

その話は、原作通りの話で、話聞いているうちに皆が静かになってしもうた。

「キャロちゃん、偉いわ、今までよく我慢したわ」
にこやかに、キャロを抱きしめて背中と頭を撫でてあげると、キャロが泣き始めた。
「グスグス、寂しくて、怖くて、お家に帰りたい……」

「大丈夫や、うちらがおるから、安心せいな」
「えーん」

キャロは可愛いの、妹みたいや、フェイトはんが、親馬鹿に成るのも判らへん訳やないわ。うちも連れて行きたいぐらいや。

暫くして、泣き止んだキャロのお腹が“グー”って鳴って、非常食でも食べさせようと、目を離した瞬間。

「キャロちゃん、お腹すいたでしょう此でも食べてね」
「ありがとうございます」

ギャー、ちと目を離した隙に、シャマルがキャロにサンドイッチを渡してしもうた!
「キャロちゃん、だめーや!!」
「えっ????」

何故だけ判らない顔をするキャロ、しかし一歩及ばす、一口食べた瞬間、泡を吹いて倒れてしもうた!!!
「キャロちゃん!!!!」
直ぐに、解毒の護符と、体力回復とかありったけの護符で治療や!!!





「取りあえず、キャロちゃんの容態は安定したけど、ぎょうさん胆が冷えたわ」
うちらの前には正座して膝の上に石を乗せたシャマルの姿がある。所謂江戸時代の拷問の姿や、石はそこいら辺の石をシグナムに紫電一閃で切断して作ってもろうたで、シャマルの殺人未遂には、それぐらいせにゃあかん。

「さて、シャマル、アレは何や?」
うちが凄みながら質問するが、シャマルは、質問にキョトンとしながら答える。
「え、あれは、みんなで食べようと思って作った、サンドイッチですよ、このちゃん、それよりこの石、退けてくれませんか?」

シャマルの言い分を無視して、再度質問や。
「で、何を入れたんや?」
「単にパンにハムやソーセージや野菜を入れただけですよ」

シレッと答えるシャマルやが、そんな訳あるか!
「それで、意識不明の重体になるわけありゃへんやろうが、それ以外に何を入れたんや」

「えー、それ以外は、マスタードが無かったから代わりに、舌に来る刺激が程良い“テトロドトキシン ”を入れただけですよ」

「河豚毒やんか!!ザッフィー石追加や!」
「このちゃーん、重い、重いです~~~~~!!」
アホや、アホ過ぎる、何でサンドイッチで河豚中毒にならにゃあかんのや。

「他に、やばい物作らなかったやろうな?」
「ないです~~~~~、あとはアーモンドミルクプリンぐらいです~~~~~~~~!」

クーラーボックス開けると、アーモンド臭が異様にする、判らへんけど、なにか異様な雰囲気のプリンが入っていたんや。

「怪しいで、ヴィータ、そこのバケツに入れてみ」
「判った」

ヴィータが魚を入れたバケツにプリンを入れたらあっという間に魚が腹を上にして死んだで。
「シャマルーーーーーーー!!何を入れたんや!!」
「変な物じゃ無いですよ~~~~!アーモンド風味にする為に香料にシアン化カリウムを使っただけです~~~~~~~~~~!」

「ド阿呆!!そりゃ青酸カリや!」

何たる、殺人クッキングや、よく二次小説であるシャマルの料理下手は闇の書のバクとか言われてとるけど、此で判ったわ、これはバグやない、仕様やったんや、古代ベルカ人は何を考えてこんな殺人クッキングキャラを作ったんやー!!

「ザッフィー、更に2枚追加や」
「このちゃん、勘弁してくださいーーーーーー!!」

「シャマル!今後一切料理厳禁や!」
「そんな、絶対、此入れれば美味しくなるのに」
「濃硝酸なんか飲めるか!ボケ!!胃が溶けるわ!」

結局、料理ができないように、魔法封じのロープで亀甲縛り状態のシャマルが地面に転がる事になった。


そして、 結局、リニス(仮)はこの日には目を覚まさずに、キャロの看病で日が暮れ、本格的移動は明日以降になった。
 
 

 
後書き
追加お供が1名と2匹になるか? 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧