| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法少女リリカル木乃香

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

第一話 魔法少女リリカル木乃香

 
前書き
以前、ネギま!?の世界で憑依の別伝からの独立です。 

 
何故か知らないが、死んだらしい?ふわふわと体が浮いているのが判る。下を見ると、頭から血を流している私の姿見える。

どうやら神社の石段を掃除中に足を滑らして落ちた弾みに鳥居に頭をぶつけて、死んだのだろうか?

訳が判らず、体の周りをウロウロしたり、ザ・○ッチの真似で“幽体離脱”ってやってみたけど、元に戻れない。どうしようかと悩んでいたけど、突然凄まじい光が私の前に現れて私を包み込んでいった。

次の瞬間、私は真っ白な世界の中に佇んでいた。

其処へ突然神々しい光を放ちながら和服を着た妙齢な女性が現れた。

「妾は天照じゃ、我が力を色濃く引きし我が子孫よ、そちに新たな命を授けよう」
「はっ??」
「お主には、神域で長い間に蓄積された我が力の一部が変化し新たな力が生み出されつつあるのじゃ、このまま行けば今の体では耐えきれなくなる所であったのじゃ」

「えーと、本当の神様ですか?」
「無論じゃ、そこいらの偽物とは訳が違うぞよ。妾が引きこもれば、日は隠れ、人々は嘆き悲しむであろう」
「えっと、それって日食じゃ?」

「面白く無いの、最近の若者は、直ぐに科学科学と何でも理論武装しまくるのじゃから」
天照様が、唇をを突き出しながら話してくる。
何か死んだからか、段々冷静に考えられるようになって来たな。
「其処、冷静さは必要じゃ」

「心が読めるのですね」
「無論じゃ、我が血を引く以上は一心同体も同然じゃ」
「それにしても、天照様、新たな命って、生き返るのではなく、誕生と言う事ですか?」

よくぞ判ったという顔で、天照様が頷く。
「そうじゃ、先ほども言うたが、今の体ではお主の強大な霊力に耐えきれん。その為の転生じゃ」
「はっ?転生??」

「そうじゃ、この世界では、お主の力を発揮するところもないからの、平行世界へと送り込もうと思うてな」
うわー!この神様もテンプレかよ!!

「なんじゃ、テンプレなどではないぞ、お主の体を心配しての事じゃ。この世界では、生まれても間違えなく又、死ぬぞよ」
「何でですか?」
「さっきも言うたが、お主の霊力が強すぎるのじゃ」

「行く世界は、大丈夫なのですか?」
「うむ、普通に魔法や霊力が有る世界じゃ。其処ならばお主の体も安定しよう」
「けど、強大な霊力を赤ん坊の比から持っていたら、オーバーロードで頭や体が弾けたりしませんか?それに意識があると黒歴史が」

「成るほどの、やはりお主は優秀じゃな、それに気がつかぬ阿呆が多いのじゃが」
「はっ?それって、他にも生まれ変わりや転生が居るということですか?」
「そうではない、他の神のことを聞いておってな、それでじゃ」

なんか、慌ててる感じもするんだよな。
「まあ、細かいことを気にすると老けるぞよ。それより、お主の危惧を考えると、護られる家生まれるようにして使わそう、我が子孫の家で有り、その世界では有数の霊力の家じゃ、黒歴史については3歳まで記憶を封印しておくから心配するでないぞ」

「それなら良いのですが、所でどの世界へ行くのですか?」
「おう。それじゃが、最近お主もよく知って居る世界じゃ、世界観は今と変わらんが、妖怪や魔法などが有る世界じゃ。確か10歳児のイギリス人少年先生が活躍する世界じゃったと思うが」

ちょー!!それって“ネギま!?”じゃあ?しかも霊力じゃなくて魔力じゃ?
「そうそう、天宇受賣命がそう言っておったな」
思考を読んだ天照様が頷いた。

「それってマンガじゃないですか、しかも霊力と魔力じゃ違うんじゃ?」
「マンガと言えでも言霊が生じるのじゃ、それに霊力だの魔力だのは些細な事じゃ!ツベコベ言わずに逝ってくるのじゃ!」
「字が違う!!!」

その言葉と共に、私の意識は混沌の闇の中へと落ちていった。


彼女を送り出した後、天照大神は、ふと思いついて、彼女に更なるチートを送り込んでいった。

「そうじゃな、此と此と、あれも良いな、いや、いっその事、全部入れるとしようかの」


そんな姿を見てある一神がニヤリと笑いながら、その場を離れて呟いた。
「姉さんも、酔狂な事だ。此処は儂が悪戯してやるとするか」




1996年3月18日

■京都府京都市左京区 病院産婦人科

この日、京都神鳴流師範代である近衞詠春に長女が誕生した。
「木乃葉さん、元気な女の子ですよ」
子を産んで疲れ切りながらも笑顔で我が子を抱く。
「木乃葉、未だ無理をするんじゃないよ」

「貴方」
「しかし可愛いな」
「ホントですわ」

「そうだな」
「名前は何にしますの?」
「ああ、通字の木とお前の香を足して、木乃香と名付けよう」

「良い名前、木乃香、貴方の名前ですよ」



3年後

みんなうちは近衞木乃香て言うねん。このちゃんと呼んでな。






2001年5月1日

■京都 左京区 近衛木乃香

うち近衞木乃香が、アマテラス様による転生を受けたりした時の記憶を呼び戻したのが3才の誕生日の時やった。誕生日会の最中に熱出してぶっ倒れて、家中大騒ぎやった。ほんまに頭割れるかと思うたわ。それが済むと、呪術の術式とか色んな創作物の呪文とか、昔の記憶とネギま!のストーリーが完璧に頭にインプットされておって、記憶の整合すらされとったんやが、余りのチートに目眩がしたで、それから色々な能力を使うのに訓練を始めたんや。

そやけどよくよく見ていると原作と違うところが多いことに気づいたんや。それから注意して色々と観察していたんやけど、父親は近衞詠春、母親は近衞木乃葉やけど、実家が原作にある山の中の大きなお屋敷や無くて、左京区内にある道場付きの家やったんや。そんでお父はんの仕事が、関西呪術協会長やなくて、京都神鳴流の師範代やったんや。

師範は青山鶴子はんで、素子はんも居たのはテンプレなんやけど、神鳴流が退魔を生業にしてへんで、どうやらボディーガードを生業にしてるらしいんや。可笑しいなと調べてみたら、魔法はおろか、麻帆良学園都市も、魔法世界も無い事が判ったんや、無論魔法世界大戦自体無かったし、マホネットなんて影も形もあらへん。。

しかもや、|近衞近右衛門(ぬらりひょんは)、既にぼけて京都市内の老人ホームに入っていたんや。この前お見舞いに行ったんやけど、『儂は魔法が使えるんじゃ!』とか言ってステッキを持って屋上から飛び降りようとしたとかで、ベットにベルトで縛り付けられておったわ。

しかたのうて色々調べていくと、ナギ達もいない事が判ったんや。これやとネギ君もおらへん事に成ってしまうわと慌てたで、こりゃ、アマテラス様が間違ごうたなと思って、自分だけ力有っても仕方のうから、暫く放っておいたんやけど、四才の誕生日間近にせっちゃんが現れたんや。

お母はんの話やと、一年前にせっちゃんのご両親が交通事故で亡くなって、せっちゃんは親戚の家に引き取られたんやけど、そやけどその親戚がせっちゃんの財産目当てで、早く死ぬようにと虐待して、危うく死ぬところを、児童相談所に保護されたんやて、余りの虐待に親戚は逮捕されて、せっちゃんのお父はんの親友やった、お父はんが引き取る事になったそうや。

うちは、せっちゃんの余りのオドオドぶりに驚いてしもうたけど、せっちゃんが居れば、他のみんなも居るかもしれへんと期待したんや。

最初はビクビクオドオドしていたせっちゃんやけど、段々慣れてきて、お父はん、お母はん本当の両親の様に懐いてくれたんや、うちもせっちゃんと大親友になったで、今では『このちゃん、せっちゃん』て言うとるで。

せっちゃんと言えば、人間と烏族のハーフやけど、この世界のせっちゃんは正真正銘の人間やった。此で原作が完全にすっ飛んだのが判ったんやけど、うちだけはそのまんま呪術も魔法も使えると言う超チート状態やけど、此じゃ、ゲームをLV99から始めるみたいで面白ろうないから、余りつかわへんかった。

五才になって弟が生まれて、うちが家を継ぐ必要が無くなったんで、鶴子はんに頼んで神鳴流をせっちゃんと習い始めたんや、それに正式にせっちゃんが、近衛家の養女として近衛刹那にのうて、うちらはほんまの姉妹になったんや。

それで記念にUSJにも行き飽きた言う事で、東京ネズミ島へ来たとき事件は起こったんや。

そん日はこっちにいてる最終日で、ネズミ海のレストランで食事とっていたんやけど、お父はんの携帯が鳴ってそれに出たお父はんの表情が一変したんや。

何でも、お父はんの学生時代のライバルで仕事上の知り合いが、テロに巻き込まれて意識不明の重体になったって事やった。

お父はんは直ぐにお見舞いに行きたい見たいやったけど、うちらの面倒を見ないといけへんから、躊躇してたんや、お母はんは京都でお留守番やった。そこで構わずうちらも病院で待ってるから行くという風に説得して病院へむかったんやけど、まさか其処で有る物語の主人公に出会うとは思わへんかったわ。

神奈川県の海鳴市って聞いて何処かで聞いた気がしやんやけど、病院名が海鳴大学病院って凄く嫌な予感がしたんやけど、それに遭遇したんや、栗毛ツインテールの魔王様に……。

「高町さん、自分は近衞詠春と申します。輸血に是非自分の血を、士郎の血液型と自分は同じですから」
「ありがとうございます。近衛さんの事は夫から良く聞いています」
お父はんと桃子はんが話している中で、恭也はん、美由希はん、なのははんが俯いていたんや。

暫くして士郎さんの様態が急変して危篤状態になったんや。病室に慌てて入る桃子さん達、採血前やったお父はんとうちとせっちゃんは、病室の外で悲痛な声を来たんや。

「お父さん死んじゃやー!!」
「父さん!」
「士郎さん!!」
「お父さん!!」

そのまんま、士郎はんはお亡くなりになったんや。士郎はんが亡くなるんは、リリカルなのはやのうて、とらいあんぐるハートやから、この世界はとらいあるんぐるハートだと思ったんやけど。先生と看護婦はんが家族だけにする為に出て行って、中から泣き叫ぶ家族の声を聞いた事で、士郎はんを助けることにしたんや。

士郎はんは棺桶に入れられて葬儀場へ送られたんや、士郎はんの実家の家族はテロ事件で香港にいる妹はん以外は全滅したはずやから、その辺知っとった、お父はんが、葬式の手伝いするんで、数日間東京へ残る事にのうて、うちらも近くのホテルで待機する事になったんや。

うちは泣きじゃくる家族の事を見たさかい。ホテルでジッとしていられずに、真夜中に身代わりの札でせっちゃんをだまくらかして、隠密の札で姿隠して、葬儀場におる、お父はんの気配を探って転移の札で葬儀場へ忍び込んだんや。

棺を霊視すると未だ士郎はんの魂が体に繋がっていたんや、其処で原作では、お母はんが亡くなっていたので、その時の為に作っておいた、反魂の護符を懐から出して士郎さんへ貼り付けたんや。

御札の威力で魂が安定して体に戻るのが判ったので、脳細胞とかが壊死しないように全回復の札を更に張って一晩放っておいたんや。

お父はんが葬式に参加しているので、式神をお父はんに憑かせて監視していたら、お坊さんの読響中に棺桶の蓋が勢いよく跳ね飛ばされて、死に装束姿の士郎はんが出て来たんや。

「俺はどうしたんだ?」
開口一発目の台詞がこれやった。

余りの事に、お坊さんはひっくる返るわ、参列者は仰天するわで大変やった。
そんな中で最初に正気に戻ったのは桃子はんやった。
「士郎さん!」

恭也はんもお父はんも驚いて士郎はん近づいたんや。
「父さん!」
「高町!」

美由希はん、なのはちゃんもビックリしておった。
「おとうさん!」
「おとうさんー!」

感動の再会やけど、その後が大変やった、葬儀場は大騒ぎで、中には気絶する人も出て救急車が何台も葬儀場へ集まって大事件になったんや。士郎さんも葬儀場から病院へ逆戻り。病院着いたら先生と看護婦はんも大騒ぎ、先生は『奇跡だ』って言うとった。

士郎はんの事は、東○ポに“奇跡の生還”って記事で載ったんやで。

その後、士郎はんは裏の仕事止めて、翠屋のマスターとして頑張っているそうや、なのははんも育児放棄されずに根暗にならんで済んだで、今はうちとはメール仲間や。


2002年3月18日

■神奈川県海鳴市

驚いたわ、ネギま!じゃないから小学校に行く前に魔帆良学園へ行くことがないと言う事で京都市内の小学校へせっちゃんと一緒に通う予定でいたんやけど、入学半年前にお父はんが鶴子はんから関東にある京都神鳴流の道場師範に命じられて一家そろって関東へ移住することになったんや。

最初聞いたときはネギま!のフラグかと思うたけど、道場の場所聞いて驚いたわ。神奈川県海鳴市へ移住なんて、アマテラス様はうちに何をさせたいんやと思ったで。

それに鶴子はん、いきなりの転居は止めて欲しいで、うちにも計画ってもんがあるんやから。


そんで、仕方なく、何故かテンプレの私立聖祥大附属小学校へ鶴子はんの口利きで、入学すると事に、鶴子はんは、うちに何をさせたいつもりなんや!いや待てよ、アマテラス様の可能性もあるで、こりゃ気いつけにゃあかんな。

一月に入ると、海鳴市へ来んやけど。道場の場所が翠屋と海鳴市営図書館の間という何これっていうロケーション、アマテラス様、これ絶対“八神はやて”とのフラグ立てる気やろう?

引っ越しして早速翠屋へお父はん、お母はん、せっちゃんと共にお邪魔したんや。
翠屋に到着すると“なのはちゃん”が飛び出して迎えてくれたんや。

「木乃香ちゃん、刹那ちゃんお久しぶりなの」
相変わらず触手のようにツインテールが動くのが不思議や。
「なのはちゃん、お久しぶりやな」

「なのはさん、ご無沙汰しております」
んーせっちゃんは相変わらず堅いのー。

挨拶しながら翠屋へ入ると士郎はん、桃子はんが迎えてくれたんや。
「近衞、待ってたぞ」
「近衞さん、ようこそいらっしゃいました」
「高町、よろしくな」
「高町さん、よろしくお願いします」

翠屋でうちらの歓迎会が開かれたやけど、やはり皆原作キャラな訳でして。
「木乃香ちゃん刹那ちゃん久しぶりだね美由希だよ」
「詠春さん、お久しぶりです。是非手合わせをお願いします」

翠屋で歓迎会が済んでもうなのはちゃんと連むようになり、うち、せっちゃん、なのはちゃんの三人で入学まで、桃子はんの着せ替えの餌食になりつづけたんや。

他には、せっちゃんと街を探索している最中に八神家を発見したけど、強力な人除けの結界の存在と監視用サーチャーが遊弋しているのを確認したんで素通りして、こっちも偵察用の式神送っておいたら、数日後に猫姉妹の片割れが確認出来たんで、闇の書の存在を確認すべく最高クラスの偵察式神を送って確認したら、確りとはやての寝室に闇の書が存在する事を確認できたんや。。

早速、はやてが病院へ行っている間に、以前士郎はんの時に使こうた、隠密と姿隠しで、進入して、最高級のコピー用護符を使こうて、闇の書のコピーを作成したんで、早速、身代わり式神を使こうて、能力でこしらえたダイオラマ魔法擬きの、幾らいても年を取らない異次元研究部屋で解析開始したんや。

出来たらAS前にはやてから闇の書切り離しておこうという考えやから楽しみやでと考えていたんやけど、余りのとんとん拍子で、現実世界の一ヶ月で解析と修繕が終了してしもうた。実際は部屋の時間で五年ほど掛かった訳やけど、年は取らないから、精神的は成長しただけやし……しもた胸を成長させるべきやったか。

まあそれは置いといて、その結果、闇の書コピーは立派な夜天の書になりました。ここからが肝心や、夜天の書とうちをリンクさせて、夜天の書の起動開始や。

おー!アニメみたいに魔方陣が現れ本が浮いて鎖が切れて、もの凄い勢いでページが捲れだして、それにあわせて魔方陣の光も強くのうて、それ自体も回転しだしたで。

「封印を解除します」
「起動」

おっ起動したで。

光が薄れると、うちの前に四人が片膝ついてお辞儀しているんや。

その言葉と共に4人の守護騎士が現れた。

まず、シグナムが。
「夜天の書の起動を確認しました」

次いでシャマルが。
「我ら、夜天の書の蒐集を行い、主を護る守護騎士にございます」

でザフィーラが。
「夜天の主の元に集いし雲」

最後にヴィータが。
「ヴォルケンリッター。何なりと命令を」

おっしゃー、完璧やで!

うちがガッツポーズしている様を見てシグナムが話しかけてきたんや。

「我等が主、どうなさいましたか?」

しもうた、嬉しさに我を忘れる所やった。
「みんなよう来てくれた、歓迎するで、うちは近衛木乃香、このちゃんと呼んでな」

「木乃香様ですね」
シグナムが畏まってそう言ってくるから。
「ちょいまち、木乃香やのうて、このちゃんや」

そう言うと、困った表情をし始めた。
「主、木乃香」
「ちょいまち、シグナム、このちゃんと呼んでな」
「しかし」

他の三人は固唾を呑んでうちとシグナムの話を聞いているんやけど、ヴィータがじれ始めたみたいや。
「シグナム、主が呼んでくれと行ってるんだから、良いんじゃないか」

「判りました、主、このちゃん」
シグナムが諦めた様でやっと呼んでくれたで。
「みんな、よろしうな」
「「「「はっ」」」」

「それで主、このちゃん。私達は何をすれば良いのでしょうか?」
シグナムが代表してうちを見ている。守護騎士全員がうちからの命令を待っているんやね。ここはさっさと終わらせるに限るで。

「早速やけど、夜天の書を完成させるで」
うちがそう言うと、シグナムが言ったんや。
「分かりました。では夜天の書完成のため収集活動をしてきます」
早速飛び出そうとする四人、皆せっかちやな。

「待ってや、それには及ばへんで」
呼び止められて、不思議そうな顔をする四人、中々見られへんレア映像や。
「主、このちゃん、如何為さいましたか?」

「シグナム、実は、うちの力だけで、充分なんや」
エッという顔をする四人。

「このちゃん、調べさせてくださいね」
シャマルがうちを調べて驚き始めた。
「凄い、このちゃんの魔力だけで前ページがうまっちゃうわ」

それに驚く、三人。
「じゃあ、早速収集や」
シャマルの手で何故か有ったリンカーコアからこそばゆい感じがしながら、魔力が抜かれてあっという間に前ページ満載や。

「管制プログラムを呼ばにゃあかんで、でてきてな~」
些かうちの気の抜けた呼び出しにもチャンと、管制人格はこたえてくれるんやね。

「我が主、管制人格、参上いたしました」
んーちょっと固い感じのリインフォースやけど、名前をどうしよう。 
「夜天の主の名において、我が夜天の書の管制プログラムにして、我が融合騎に名を贈ろう。。強く支える者、幸運の風、祝福のエール、“リインフォース”」

「名称“リインフォース”認識、管理者権限が使用可能になりました。」
「よろしゅうな、リインフォース」
「はい。我が主」

やってもうた、そのままの名前でパクルのもなんやねと思ったんやけど、良い名前が浮かばずに、アニメのセリフのまんまにしてしもうた。ご免な、はやて。

「さて、リインフォース、今までの記憶は残ってるやね?」
「はい、我が主」
「その主はやめてな、このちゃん言うてな」

「主がそう仰るのであれば」
リインフォースは聞き分けがええで。
「つまり闇の書の事も覚えてるんやな」

「はい、しかし、何故我々は夜天の書に戻っているのですか?」
リインフォース以外の四人は何の話しだか判らないらしい。
「うちが、直したんや」

「このちゃんがですか?」
「そや」
「あれほどの、バグを消し去ったと言うのですか」

心底驚いた表情のリインフォース。そして自分や夜天の書、ヴォルゲンリッターの面々をサーチして納得したようや。
「どや、バクなんてないやろ」

「はい、一切の異常は認められません」
「おいおい、リインフォース、何の話しだよ」
ヴィータが我慢できずに質問してきた。

其処で、うちが猫姉妹が管理局へ戻る際に追跡させて座標を確認した、ミッドチルダへ式神を送り込んで管理局と無限書庫をハッキングして、調べた闇の書事件の全容と、闇の書が以前は夜天の書と呼ばれていた事なんかを、リインフォースやシグナム達に見せたんや。其処で、この夜天の書自体がコピーであり闇の書は未だに存在する事、そして此からの事も話したんや。

「つまり主は、過去へ戻って我等の罪を精算すると」
「シグナム、チョイ待ち、主やあらへん、このちゃんや」
うちが笑顔で修正を頼むとシグナムが謝るんやけど、中々主って直らんわ。

「このちゃんよ、過去へ戻るってそんな事出来るのかよ?」
ヴィータはよい子や、このちゃんて言うてくれるわ。ご褒美にハーゲン○ッツのアイス上げるで。

「ええ、次元を超える事は出来ても、時間を遡る魔法は開発されていませんよ」
シャマル、その分析力は流石やが、神様転生は規格外や。

「主、木乃香、我の罪は深く重い、その罪を消し去る事など到底無理だ」
リインフォースは杓子定規すぎやな、リーフォースツヴァイのような明るさが無いと駄目やな。

「しかも、闇の書は未だに存在し続けている」
「なあ、このちゃん、その闇の書もこのちゃんが直せばいいじゃないのか?」
ヴィータの意見に他の守護騎士が頷く。

「主、このちゃん、そうする事は可能なのでは?」
「シグナム、そうできたら言いんやけど……」
「無理なのですか?」

「無理やなんやけど」
「ならば、その苦しんでいる、少女を救いましょう」
「駄目なんや」

うちの拒絶に呆気に取られる面々。
「主、木乃香は他人はどうなっても良いとお考えか?」
シグナムが怒り気味やし、他の騎士達もなんか空気が悪うなってきたわ。

「ちゃうんや、実は既に八神はやてには管理局の監視が付いているんや」
「管理局がですか、しかし、監視だけとは可笑しいのではありませんか」
リインフォースの言う事は尤もなんやけ、其処でうちははやての置かれている状況を話したんや。

「なんて、汚い」
「復讐の為に一人の少女を犠牲にしようとは」
「許せねーな、アイゼンのシミにしてやる!」

「つまり、主、このちゃんは、八神はやての境遇ごと変えようと言うのですね」
「そや、流石に無理な事も有るけど、うちの知識とみんなの協力があれば旨く行くで」

「「「「「はい」」」」」」

こうして、うちは、十八歳の八神はやての姿に変身し、リインフォース、ヴォルゲンリッターを変身させて、過去へととびたったんや。

何故、変身させたかというと、シグナム達が二人いたらどちらも犯罪者と思われるやないか、その為やで。

 
 

 
後書き
「魔法少女リリカル木乃香始まるよ!」

「まってなの。魔法少女リリカルなのは始まるよなの」


PT事件の起こった年が2005年らしいので、年度を一年後へ修正しました。 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧