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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?

作者:海戦型
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龍だって偶には派手に暴れたいんです。その6

 
前書き
この小説はねぇ・・・3人の主人公のうち気に入らないやつがいたらそいつの話だけ無視して読めるようにタイトル分けしてあるんだよぉ・・・という大嘘。
久しぶりの更新である。
 

 
 
「買い物に行きますよ」

デデドン!(絶望)みたいな効果音が聞こえたような気がするがそんなことはなかったぜ。
突然の発言にその場の全員の視線が発言元のリニスに集中する。ややあって皆は全員が全員全く同じ返事を返す。

「「「「行ってらっしゃーい」」」」
「貴方たちも行くんですよこの出不精一家!!」
「あ、俺も家族の一人にカウントされてるんだ?」
「貴方も手間のかかる子供に変わりはありませんからね・・・」

フェイト相手に「 そ れ も 私 だ 」とゴッツォ家ごっこをしていた俺はちょっぴり感動した。いやここ最近すっかりテスタロッサ一家と馴染んでて自分に現在家族がいないことを忘れていただけにちょっと胸にグッと来た。あれ、おかしいな。視界がぼやけるぞ?
ちなみにフェイトは俺がプレシアさんを独占する気がないことを理解してくれたのか今では一緒に遊ぶ程度の仲になった。・・・え?学校行け?いや俺たち戸籍無いから(言い訳だけど本当のこと)。

「なんで買い物に行くの?」
「それはですねフェイト、偶にはお外で歩いたほうが健康にいいからそのついでですよ」
「リニスの言葉に耳を貸しては駄目よフェイト!外に行ったって体に紫外線浴びまくったり汚れた空気吸うことになったり疲れたりロリコンがいっぱいいたりして良い事なんて何もないわ!」
「え?え?お母さん・・・う、でもリニスが・・・」

生みの親と育ての親の板挟みに困った様子で二人を交互に見るフェイト。なんだろうかこのお父さんとお母さんのどっちに親権が渡るかみたいな空気は。じゃあ俺が貰うよ、どうぞどうぞみたいな流れには間違ってもならない。

「さあ、フェイト?いい子ですから私を信じて来てくれますよね?」
「フェイト!私のかわいいフェイト!貴方はお母さんの味方よね!?」
「う・・・う・・・うぅぅーーー・・・?」

おおう悩んでる悩んでる。ちなみに俺は新作ゲームでも買いに行こうかと考えていたので吝かではない。さてこの親権争い、勝敗を決めるのは恐らく―――

「付いてきたら美味しいケーキを好きなだけ買ってあげますよ?」
「わぁい!リニス大好き!」
「ふ、フェイトォォォォーーーーーー!!!!」

誰がこの一家の財布と胃袋を握っているか、だね。図に表すと今の俺たちはこんな感じ。

リニス>>>無限力の壁>>>プレシア・光龍≧フェイト>アルフ

かくして俺は1週間ぶりくらいに外へ出ることになった。行先はデパートらしい。嗚呼、シャバの空気は美味いぜ・・・






女の買い物は長い。服なんかは特に。
何をそこまで同じ場所ばかりうろうろして服を手にとっては戻しを繰り返すのか、何をそんなに悩む要素があるのか男の俺にはさっぱり理解できない。そんなこんなをすべてまとめて一言にするとさっきの「女の買い物は長い」という言葉に集約されるようだ。但しフェイトとアルフは服選びにあまり頓着がなさ過ぎるせいで残り二人に口を出されまくっている。

「フェイト、どうしてさっきからやたら露出度高めの服を選びたがるんですか?しかも黒一色ばかり」
「あの、バリアジャケットと同じようなのでいいかなって・・・」
「正直趣味悪いです。あの(研究)馬鹿のプレシアでももう少しマシなチョイスします」
「ちょっとリニス!そこ略しちゃダメな所!その括弧内のワードは言わなきゃダメな所だから!!」
「ちょい待ちそこなアルフさん。それメンズだから。レディースはあっち」
「どっちでもいいだろそんなの。取りあえず胸と股が隠れれば」
「よ・く・あ・り・ま・せ・ん!!貴方も一応人型でメスなんですから女性としての嗜みを持ちなさい!!」
「・・・使い魔と主は一心同体。恐らく大本の原因はフェイトのほうね。逆を言えばフェイトの嗜好を正せばアルフも普通になるはず・・・」

まぁなんにせよあれだ。いくら肉体年齢9歳でもレディースコーナーに居続けるのは精神的にキツイので俺はこの辺でエスケープさせてもらおう!




げぇむこぉなぁでございまぁす。
全体的にパチスロ・格ゲーともに見たことねえ奴ばっかりだ。取りあえず手前のほうにある『ジュジュの微妙な冒険 汗ばんだ遺産』というのをプレイしてみる。

『オロオロオロオロオロオロオロ・・・オロォ!!おみゃーはオラを怒らせた』
『これが俺の本体のイケメン顔だ!!ベロベロベロ・・・』
『ヂオ様に仇なすものはこのショコラ・アイスが空中でバラバラにしてやるッ!』
『セカイタービン!!時よ止まってください(懇願)!!タァンクローゥリーだッッ!!!』

・・・何も、何も言うまい。まさに微妙な冒険。あとゲームバランスは普通に良かった。一羽だけSTGやってる鳥公を除いて。
しっかしここの格ゲーのスコア上位は殆どが「ナガレボシ」「KING」「にゃるこ」という人たちの名前で埋め尽くされている。・・・ん?応龍皇が「ナガレボシ」に反応してるような気がするがきっと気のせいだろ。

応龍皇と言えばちょっと気になることがある。この応龍皇はかつてあった世界で一大劫・・・つまり宇宙の死と新生を乗り越えるだけの力を持っていたが、結局破壊されたから乗り越えることはできなかったらしい。そして前の宇宙でどうだったというのは全て”因子”と呼ばれる形で次の宇宙にも引き継がれるのだとか。だとしたらこのリリカル世界でも応龍皇がぶち壊される因子は引き継いでいるのだろうか?それとも元世界とは違う世界だから因果の鎖とかいうやつを逸脱したのだろうか?

考えてもしょうがないとは思うが、こんなトンデモ存在を破壊できるものがこの世界にあると思うと・・・まぁなるようにしかならんか。



「でもやっぱり気になるものは気になる訳ですよ、プレシアさん」
「ふぅん・・・多元宇宙論はミッドでも研究が進んでる話だけどそのイチダイコウっていうのはあまり聞かないわね」

お昼御飯の際にプレシア女史に聞いてみた。フェイトとアルフは話についていけなそうだということを早々に察し、目の前の食事に集中している。あ、こら俺のプレートにブロッコリーを乗せるんじゃない!ブッコロリーするぞ!

「まぁアレね。恐らくその因果は同じ結末を引き寄せないんじゃないかしら」
「根拠は?」
「前提となる情報が少ないから推測混じるけど・・・」

そう言いながらプレシアさんはポケットからメモ帳とペンを取り出した。
大きな丸を書き、その中に無数の丸を書いて中心に「ヽ(*゚д゚)ノ<インガー」と書き、無数の丸を線で繋ぎあわせる。横に「世界A」と書き加えられる。

「これが今の情報を基に考えた簡単なミッド世界とパラレルワールド。宇宙の法則みたいなものを魔法という『因果』ってやつが纏めた円の中に地球やらミッドやらあるかもしれないアルハザードやらが入ってて、それぞれ連なってる。で・・・この『因果』の括りによってパラレルワールドにも分類みたいなものが生まれるんじゃないの?一大劫とやらの存在の有無も、その世界の括りがどんな因果を持ってるかで決まるし、アンタのドラゴンの破壊が起きるかどうかもその括りが抱える因果に大きく左右される。今のドラゴンはその括りの外に出てきちゃってるんじゃない?」

横に似たような図を書く。世界Aと違って円の中の世界がすべて隣り合い、くっついてる。中心を漢字で「因果。」と書き換えた世界Bだ。こう見ると分かりやすい。

世界Aはパラレルワールドが全てばらばらの道を辿っており、小説なんかで見る「きわめて近く、限りなく遠い」ではなく完全に遠い世界しかない。例えば「もしも地球で魔法が確立されたら」みたいな世界にはたどり着けない、というか地球の存在する世界が一つしかない。これそのものが法則であり、リリなの世界を括る因果のラインだ。
対する世界Bこそが「きわめて近く、限りなく遠い」の連なった世界の括り。存在するもの、起きる分岐やイベントが根本的に近いものばかりが寄り添い、その中に突然「魔法少女なの☆」みたいな世界がポツンと存在することはない。

・・・っつーことはあのオタク司書の野郎因果のラインを笑いながら踏み越えられんのかよ!!何が「全知全能の神ではない」だ十分に神レベルだよっ!!

「つまり、一大劫と因果の引継ぎが起きるのはその括りの中だけの話ってわけか」
「絶対にじゃないけど。ついでに言えばこれだけ大きな存在が自分の宇宙に出てきたとなると、因果の方も調合を取るために今までの因果を変質させるかもしれないし」

それはあれか。アラヤーの使者ブラウニーとか因果律の番人久保さんとか、もしくは互いを妨害しあうような転生者的な誰かが俺の邪魔をしに来ると。

『・・・あの冬木市大火災から10年、未曽有の大災害から復興したこの町で現在ガス漏れ事故が多発しています。幸い未だ死者は出ていませんが、これからの動向を・・・』
「昼のニュースですか・・・大変ですねぇ」
「アラ物騒。地球って意外とこういう事故多いの?」
「いや、滅多に起きないよこういのは」

・・・アラヤーの使者は忙しいから来れないみたいである。






~そのころアースラ~

『こちらウルフェン1、ジュエルシードシリアルNo,03と04の封印及び回収完了』
『ウルフェン2、シリアルNo,19を目視で確認!これより回収に入ります!』
『こちらウルフェン3、6番と11番の回収終わりっと。ブラッキー1は?』
『こちらブラッキー1。No,1の回収をたった今完了した』

「初日のうちに6個とは・・・大漁で何よりだわ」

ウルフェン1,2,3はそれぞれクルト、ニルス、マリアンでブラッキー1がクロノだ。
取りあえず表面積が広い海から探してみたらまさかのジャストミートである。今日1日でジュエルシードの7分の2を回収できるとは僥倖だ。

『ウルフェン2、封印及び回収完了です。これからどうしますか?ブラッキー1』
『当初の予定通り全員で帰投するぞ。艦長、転移許可を』

「許可します。功を焦ってもしょうがないし、今日はここまでにしましょう」

と言いつつ転移装置を作動させ、”4人をそれぞれ海鳴市の別々の場所に転移させる”。
これはセリフの内容まで事前に打ち合わせをしていたことだ。目的はもちろんある。

マリアンの事前調査によって、現在この町に管理局未確認の魔導士が”3人”活動していることを突き止めた。一人は高町なのは。持っているデバイスがスクライア一族名義で登録されているためこの土地に降りたと思われるスクライア(バカ)が渡したものだろう。
それもそれで大問題なのだがこっちは事情が察せるからまだいい。問題は残り二人である。

その二人は互いに似通った魔力波動を放ち、常に隠匿魔法を使って魔力と気配を極限まで減らし、全く同じ服装と仮面をかぶって定期的に入れ替わりながら一人の少女を監視している。変身魔法で性別まで偽っていると分かったときは怪しすぎて笑ってしまった。入れ替わっている間もう一人が何をやっているのかは知らないが、それは既にクルトの同僚だという人物が探りを入れている。

というか、もうあれが誰かとか誰が糸を引いているかは既にバレている。後はなぜそんなことをしているかを聞き出すだけの段階だ。そのために4人には不審者仮面が交代に来たタイミングで二人とも捕縛してもらう。

「なぜこんな事を・・・ロリコンは犯罪とは言いませんが、ねぇ?グレアム提督」

リンディさん、それ勘違いです。と突っ込んでくれる人間はここにはいない。哀れ。

 
 

 
後書き
3人の人生は基本的にあまり交わらないことになってます。よって前書きに描いたような読み方もできるなぁと最近思った次第です。実際それぞれの主人公の話は話数が同じでも時間軸が同時だったり数日ずれてたりばらつきがあります。全体的には光龍の話が時系列的に早く、逆にクロエ君の話は結構日数経ってる場合が多いです。

あ、それと・・・前話の名ありキャラを全員特定できた人はいなかったようですね。何か知らんが勝ったッ!!

ナガレボシ・・・前世はサイコドライバーで天上天下念動無敵だったらしい。
KING・・・前世は世界レベルの恥かしい告白したらしい。
にゃるこ・・・いつもニコニコてめーの隣に這い寄ってるらしい。

アラヤ「ブラウニーあの龍倒してきてwww」
ブラウニー「ちょwww無理www久保連れてこいwwww」
久保「今OG世界に入る隙伺ってるから断る。・・・よし、因果溜まってきたな・・・」
 
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