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ヘタリア大帝国

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TURN79 天才の復活その十

「糖尿病もね」
「そうした病気は避けねばならないですが」
「けれどあの娘はね」
 どうかというのだ。
「甘いものが大好きで」
「今宵のデザートのケーキも」
「しかも今夜はバイキング形式だから」
「かなり召し上がられますね」
「困るのよ、正直」
 マネージャーとしての言葉だった。
「甘いものばかり食べるのは」
「糖質を考慮すべきですね」
「これからは使う糖分を考えた甘いものを出すわ」
「それで肥満と糖尿病を防ぐのですね」
「虫歯もね」
 この三つをだというのだ。
「あの娘のことは私がするから」
「ではお願いします」
「ダンスの列すもしっかりとやって」
 ダイエットとしてだ。
「後はランニングとかもね」
「さながらスポーツ選手ですね」
「アイドルはそうよ」
 スポーツ選手の様に身体を動かすこともあるというのだ。
「身体を動かすものでもあるのよ」
「アイドルも大変ですね」
「イタリンの統領さんは違うみたいだけれどね」
 こちらはかなりお気楽である。
「好きなものを食べて好きな様にしてるけれど」
「よくあれで太りませんね」
「そうした体質みたいなのよ」
「虫歯や糖尿病には」
「ならないみたいね」
 これも体質の問題だった。
「凄く羨ましいことに」
「しかもあの胸でルックスで」
「恵まれているわよね、統領さんは」
「そう思います、本当に」
 エルミーは実際に羨ましいといった顔になっている。
「背も高いですし」
「提督は小柄でいいのよ」
「潜水艦乗りだからでしょうか」
「小柄だから萌えるのよ」
 それだというのだ。
「レーティアもそうだけれどね」
「背が高く胸が大きくなければ駄目なのでは」
「そこが違うのよ」
「小柄で胸が小さくてもいいのですか」
「そうしたのがいい人もいるのよ」
「人それぞれなのですね」
「そうなのよ」
 グレシアはにこにことしてエルミーに話す。
「だから提督もそのままのスタイルでいてね」
「宣伝相がそう仰るのなら」
 エルミーも頷く、そうした話をしてだった。
「私はこのまま」
「そう、そのままいくといいわ」
「わかりました」
 エルミーはグレシアの言葉に微笑んで答えた。
「それでは私はこのスタイルで」
「眼鏡にそのボブもね」
「それもですか」
「そう、貴女のチャームポイントだから」
 忘れるなというのだ。
「絶対にそのままいってね」
「わかりました」
「提督も得点高いからね」
 グレシアから見てもそうだというのだ。
「そのことは忘れないの」
「わかりました」
「さて、それではね」
 また言うグレシアだった。その顔はレーティアの方に戻っている。
「これからまた忙しくなるわね」
「ドクツと総統の為に働かれるからですね」
「それに艦隊も一つ任されたし」
 今では宣伝相兼ドクツ第二艦隊司令官なのだ。第一艦隊の司令官は当然レーティアが務めている。
「ドクツにいた頃より忙しいかもね」
「ですが今は」
「ええ、皆がいるから」 
 レーティアだけではないことに気付いたからこその言葉だ。
「やっていけるわ」
「そうですね。では私も」
「一緒に行きましょう、そして」
「ドクツに戻りましょう」
「あの娘と一緒にね」
 レーティア=アドルフの周りに再びドクツの者達が戻っていた、只の恒星ではなく周りの多くの星達に気付いた彼女はドクツにいた時以上の輝きを放っていた。


TURN79   完


                  2012・1・8 
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